パリ観光に、非常にお得で便利な地下鉄、RER、バス、トラムが乗り放題になる交通ICカード「ナヴィゴ navigo」の買い方・使い方をわかりやすく解説します。
ナヴィゴ(ナヴィゴ・デクーヴェルト)は最長1週間、地下鉄など公共交通機関が乗り放題になりますが、価格が27.8 EUR(約3,600円)と安いため、物価の高いパリでは非常にありがたいカードです。
ヴェルサイユ宮殿、ディズニーランド・パリ、シャルル・ド・ゴール空港などパリ近郊も乗り放題の対象なので、郊外まで足を伸ばすと更にお得になります。ただし、利用期間が月曜始まりの日曜終わりの固定になっていたり、証明写真が必要だったり、使いこなすために理解しなくてはいけないこともあるので、わかりやすく解説します。
2019年に新しく「ナヴィゴ・イージー」(Navigo Easy)が発売されました。同じナヴィゴという名前の交通系ICカードですが用途がかなり異なります。「ナヴィゴ・イージー」との違いも記事中で解説します。なお、本記事中で「ナヴィゴ」(Navigo)は、ナヴィゴ・デクーヴェルト(ナヴィゴ・セメーヌ)のことを表します。
目次
乗り放題パス「ナヴィゴ NAVIGO」 まず知っておきたいこと
ナヴィゴ(ナヴィゴ・デクーヴェルト)とは?
地下鉄(メトロ)、バス、トラム(路面電車)が乗り放題になる交通系ICカードです。パリ在住者用のNavigo personnaliséeと、観光客用のNavigo Découverte(ナヴィゴ デクーヴェルト)の2種類あります。この記事では、観光客用が購入可能なナヴィゴ・デクーヴェルトの解説をします。
パリの中心部だけでなく、ヴェルサイユ宮殿、ディズニーランド・パリ、シャルル・ド・ゴール空港などパリ近郊も乗り放題になります。何より乗るたびに切符購入したり、運賃を調べず気楽に乗車できるので大変便利です。
ナヴィゴはお得?
ナヴィゴには1ヶ月、1週間、1日の3種類の乗り放題をチャージできます。旅行客には1週間有効のNavigo Semaine(ナヴィゴ セメーヌ)が最適です。ナヴィゴ セメーヌはパリ中心・パリ郊外の公共交通が最大1週間、乗り放題になり、料金は発行手数料含め27.8 EUR(約3,600円)です。4日間使ったとして1日あたり900円です。通常の1日乗車券はパリ中心部用が約1,000円、郊外まで行ける切符は約2,300円です。4日以上使えば、ダントツにお得になりますし、ヴェルサイユ宮殿などパリ近郊も観光する場合は、更にお得感が増します。
ナヴィゴの注意点
有効期間は購入日から7日間ではなく、月曜始まりの日曜終わりの1週間になります。購入できる期間も、使う前週の金曜から使う週の木曜日なのでパリに金、土、日に到着する場合は、購入さえできません。ただし、日曜を挟まなければ空港との往復だけで元がとれますし、日曜を挟む場合でも月曜は通常の切符を買うなど工夫すれば元が取れるケースも多いと思います。
証明写真の貼り付けが必要
購入したICカードに証明写真(3.0cm*2.5cm)を貼り付ける必要があります。現地で撮影することできますが、手間と時間がかかるので日本から指定サイズに切り取った証明写真を持っていくのがベストです。
ナヴィゴ・イージーとの違い
2019年に「ナヴィゴ・イージー」(Navigo Easy)が発売されました。イージーは、カード代2€を払えば証明写真などなくても利用できます。
ただし、お得な1週間乗り放題はチャージできません。同じナヴィゴという名前ですが、イージーは別物で、購入するメリットが少ないです。ナヴィゴ・イージーについては下記記事で詳しく解説しています。
ナヴィゴの種類
パリ在住者用のNavigo personnaliséeと、観光客用のNavigo Découverte(ナヴィゴ デクーヴェルト)があります。Navigo Découverteは5€の発行手数料がかかりますが、各駅で誰でも購入が可能です。ナヴィゴは、有効期間に応じて、以下の種類があります。
Navigo Semaine(ナヴィゴ セメーヌ):1週間
Navigo Mois(ナヴィゴ モワ):1ヶ月
Navigo Annuel(ナヴィゴ アニュエル):1年間
通常、観光客が利用するのは、1週間のナヴィゴ セメーヌです。1日のナヴィゴ ジュールも補完的に使えますが、料金が通常の1日乗り放題切符Mobilis(モビリス)と同じなので、ナヴィゴ ジュールを使う必然性はありません。
ナヴィゴの料金
Navigo Semaine(ナヴィゴ セメーヌ)の料金は有効なゾーンによって異なり、以下の通りです。
全ゾーン(1-5):22,80 EUR
2-3:20,85 EUR
3-4:20,20 EUR
4-5:19,85 EUR
パリの公共交通機関には、ゾーン(Zone)が設定されています。ルーヴル美術館、エッフェル塔、凱旋門など主要な観光スポットは、Zone1のパリ区内に含まれています。
Zone1:パリ区内。ルーヴル美術館、エッフェル塔、凱旋門やリヨン駅、パリ北駅、パリ東駅、モンパルナス駅
Zone4:ヴェルサイユ宮殿、オルリー空港
Zone5:シャルル・ド・ゴール空港、ディズニーランド・パリ
パリ観光で中心部が外れることはほぼないので、全ゾーン(1-5):22,80 EURを購入するのがお勧めです。
1日有効のNavigo Jour(ナヴィゴ ジュール)の料金もゾーンによって異なり、以下の通りです。1日乗り放題切符Mobilis(モビリス)と同じ値段です。
Zone:1-2 7.5 EUR
Zone:1-3 10.0 EUR
Zone:1-4 12.4 EUR
Zone:1-5 17.8 EUR
ナヴィゴ セメーヌの注意点
上でも説明したようにナヴィゴの有効期間は、購入日から7日間ではなく、月曜始まりの日曜終わりの1週間になります。購入できる期間は、使う前週の金曜から使う週の木曜日です。パリに金、土、日に到着する場合は、購入日から使えるナヴィゴを購入できません。到着日の曜日ごとにお得度を整理すると下記になります。
曜日 | 利用可能日数 | お得度 |
---|---|---|
月 | 7日間 | ◎ |
火 | 6日間 | ◎ |
水 | 5日間 | ○ |
木 | 4日間 | ○ |
金 | 購入不可 | × |
土 | 購入不可 | × |
日 | 購入不可 | × |
到着が日曜の場合、その後4,5日滞在するのであれば、購入して月曜から使うのもありだと思います。お得でない曜日に到着する場合のお勧め切符を下記の記事で解説していますので参考にしてください。
ナヴィゴはお得か?
到着するのが、金・土・日以外であれば、滞在日数にもよりますが4日間以上は使えるので、パリ郊外まで利用できる公共交通 乗り放題のパスが1日あたり900円以下で利用できることになります。他の切符と比べるとかなりお得です。特にパリ郊外にある観光スポットやシャルル・ド・ゴール空港へ行くとお得度がアップします。
シャルル・ド・ゴール空港:往復 20.60 EUR
ディズニーランド・パリ:往復 15.2 EUR
ヴェルサイユ宮殿:往復 7.3 EUR
私はディズニーランド・パリとヴェルサイユ宮殿を観光したので、これだけでほぼ元が取れています。
ナヴィゴの購入方法・購入場所
購入したナヴィゴのICカードに顔写真を貼る必要があるので、日本にいるうちに3.0cm*2.5cmの証明写真を用意しておきましょう。また、カードには名前の記入も必要です。私は、細めの油性ペン(マッキー)を持っていきました。名前を記入したカードはプラスチックのケースの中に入れるので、擦れて消えたりする心配はありません。カードの顔写真貼り付け位置には、シールが付いているので、糊は不要です。
ナヴィゴは、主要な地下鉄駅、鉄道駅の窓口で購入できます。シャルル・ド・ゴール空港でも鉄道駅の窓口で購入可能です。私は、パリ東駅(Gare de l’Est)のフランス国鉄SNCFの窓口で購入しました。
シャルル・ド・ゴール空港で購入する場合は、ターミナル2にあるCDG空港第2 TGV駅(Gare Aéroport Charles-de-Gaulle 2 TGV)のチケット窓口などで購入できます。
ナヴィゴは、カードを購入した上で、必要な有効期間をチャージするという形になります。普通、窓口でカード販売とチャージを同時にしてもらえます。ただ、窓口でチャージをしてもらえない場合もあるようで、その場合は自動券売機を使って自分でチャージします。私は、窓口で「ナヴィゴ ワンウィーク」と伝えたら1週間有効(=ナヴィゴ セメーヌ)を同時にチャージしてもらえました。
ナヴィゴの使い方
袋の中には、写真を貼って名前を記入する紙と、ICカードと、プラスチックのケースが入っています。以下のように写真を貼り、名前をローマ字で記入して、ICカードと一緒にプラスチックケースに入れれば使う準備は完了です。購入時点で上で説明したように利用期間が決まっているのでアクティベートなどをする必要はありません。
ナヴィゴの使い方は、日本のKitaca、Suica、TOICA、ICOCA、SUGOCAのような交通系ICカードと同じです。パリの地下鉄やRER(近郊鉄道)など自動改札には、ICカードをタッチする、紫の部分があるので、そこにタッチします。この写真は、パリ市内のレアル駅(RERはChâtelet – Les Halles駅)からディズニーランド・パリ行きのRER(近郊鉄道) A線に乗ったときの改札です。近郊鉄道では、日本と同じく改札からでるときもタッチが必要な場合もあるので、同様にタッチしてください。
下の写真は地下鉄の自動改札です(いくつかタイプがあります)。どのタイプでも基本的には紫の部分にカードをタッチすれば反応します。
下の写真は、ヴェルサイユ宮殿の最寄り駅の一つGare de Versailles Chantiers駅です。フランス国鉄SNCFが通っている路線です。ナヴィゴでパリ近郊のフランス国鉄SNCFの路線にも乗車できました。
ナヴィゴのメリットの一つは、シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へ移動するロワシーバスやRER B線にも利用できることです。ロワシーバスは片道13.7€、RER B線も片道10.3€なので、シャルル・ド・ゴール空港の往復だけでほぼ元がとれてしまいます。
シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へロワシーバスやRER B線でアクセスする方法を下記記事で詳しく解説しています。
ナヴィゴのチャージ
購入時にナヴィゴにチャージをしてもらえなかった場合は、自動券売機でチャージすることができます。地下鉄駅やRER(近郊鉄道)、フランス国鉄SNCFの駅にある自動券売機には、下の写真のようにnavigoと表示されています。券売機には、紫のnavigoを読み取りする装置が付いています。
ナヴィゴのチャージの手順を説明します。券売機の最初の画面はフランス語で表示されており、わかりにくいので、Englishを選択して英語の表示に切り替えます。
次に下の画面になります。ナヴィゴをチャージするときは、紫の読み取り装置にカードを置きます。
モンパルナス駅などフランス国鉄SNCFにある自動券売機では、下の写真の位置にナヴィゴを挿入する装置があります。
ナヴィゴのカードが正しくセットされると、Monthly transit pass(月間パス)、Weekly transit pass(1週間パス)、Daily transit pass(1日パス)、を選択する画面になります。通常は、Weeklyを選べば良いです。チケットの種類の下に、有効期間が表示されます。9月23日(月)にチャージした画面なので、Weeklyは23日(月)-29日(日)までが有効と表示されています。Monthlyは翌月の10月に有効になると表示されています。
次に利用するゾーンの範囲を選びます。ナヴィゴは、利用するZoneが広くなるほどお得感があります。私は、ディズニーランド・パリ(Zone4)、シャルルドゴール空港(Zone5)へ行く予定だったので1-5を選択しました。Validateをタッチして次に進みます。
確認画面が表示されます。確認したら、Validateをタッチします。
画面に、クレジットカード(bank card)を挿入しろと表示されます。
クレジットカードを右側の読み取り機に差し込みます。画面に、CHOIX LANGUE?(言語を選んでください)と出ています。フランス語のままでも操作できるので、fr(フランス語)のままで緑ボタンを押します。
SAISIR CODE(コードを入力)、と出ているので、暗証番号を入力して緑ボタンを押します。
画面に、クレジットカード(bank card)を取り出せと表示されるので、クレジットカードを抜きます。
チャージが成功すると「Navigoカードを取ってください」と表示されるので、カードを取ります。これでチャージが完了しました。
上記のように、クレジットカードを抜く ⇒ ナヴィゴをとる という順番なので間違わないように気をつけてください。
ナヴィゴを使って実際にメトロやRERなど公共交通機関に乗車する方法や、安全に公共交通機関に乗るためのポイントは下記記事で解説しています。
美術館・観光スポットの入場し放題パス パリ・ミュージアムパス
地下鉄など公共交通機関が乗り放題になるナヴィゴと、ルーヴル美術館、ヴェルサイユ宮殿、凱旋門など美術館・観光スポットが入場フリーパスになるパリ・ミュージアムパスを両方使いこなすと、便利でお得にパリ観光を楽しむことができます。パリ・ミュージアムパスをお得に購入する方法を下記の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
以上、パリの地下鉄など公共交通機関が乗り放題になる便利な交通ICカード「ナヴィゴ」の買い方・使い方をわかりやすく解説しました。
ナヴィゴを使ってディズニーランド・パリ、ヴェルサイユ宮殿、シャルル・ド・ゴール空港へ行く方法を以下の記事で具体的に解説しています。参考にしてください。
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有用な情報を提供していただき、ありがとうございます。
今週末から1週間、パリを訪問する予定です。直前でこのサイトを見つけ、いろいろと参考にさせていただいてます。ちょうど月曜日から土曜日まで滞在するため、「ナヴィゴ・デクーヴェルト」が最適だと考え、購入しようと思います。そこで、一つ質問をさせてください。
文中では、「シャルル・ド・ゴール空港で購入する場合は、ターミナル2にあるCDG空港第2 TGV駅(Gare Aéroport Charles-de-Gaulle 2 TGV)のチケット窓口などで購入できます。」とあります。到着はターミナル1なのですが、ナヴィゴ・デクーヴェルトを購入するにはCDG空港第2 TGV駅へ行く必要がありますでしょうか?
ご教示いただけると助かります。
KOBA様
ごめんなさい、ターミナル1は今年の1月に行ったのですがナヴィゴを買える場所があるかは確認できませんでした。
ターミナル1到着後はどのように移動されますでしょうか。
バスで市内に向かう以外はCDGVal(ターミナル間移動の無料電車)に乗ってターミナル2に移動してから電車に乗るケースが多いので、
SNCFの大きな窓口があるターミナル2まで移動してから購入しても良いかと思います。
返信をいただき、ありがとうございます。
ターミナル1到着後はCDGValを使ってCDG1駅へ移動してRER B線を使おうと考えていました。同じCDGValで移動するならターミナル2へ行った方が確実ですね。
ターミナル2へ移動してSNCFの窓口で購入したいと思います。