一度は行ってみたい世界遺産の代表格「モンサンミッシェル」を観光するのに絶対知っておきたい、見どころ、計画の立て方、行き方、ホテルの選び方などを分かりやすく解説しています。
海に浮かぶ要塞のような姿をしたモンサンミッシェル(Le Mont-Saint-Michel)は、1300年以上の歴史がある修道院です。その姿は「西洋の奇跡」とも言われ、行きたい世界遺産ランキングにかならず登場する超人気の観光地です。
ただし、パリとは300km弱(東京-名古屋くらい)離れているため、行くのも大変です。そこで本記事では、行き方やホテルの選び方など観光の計画段階から、現地で観光する際に役立つ見学ガイドなど、網羅的に情報を記載しています。
行き方の比較やモンサンミッシェル修道院の見学方法など、ボリュームのある情報は別記事に分けていますので、記事中のリンク先を参照してください。
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モンサンミッシェル観光のハイライト
まずはじめに、モンサンミッシェル観光で絶対に外せないハイライトをご紹介します。
ハイライト1:モンサンミッシェルを眺める
モンサンミッシェル観光のハイライトは、何と言っても「西洋の驚異」と称されるモンサンミッシェルの雄姿を眺めたり、写真撮影をしたりすることです。
海に浮かぶ要塞のような姿をしたモンサンミッシェルの迫力は、見た人に強い感動を与えます。
※海に浮かぶ姿を見られる日はかなり限られています(記事後半で詳しく解説)。
遠くから眺めると、のどかな田園風景とモン・サン・ミッシェルの荘厳な姿が対照的です。
夜はライトアップされるので、きらびやかなモンサンミッシェルを見ることができます。
このように、朝から夜まで異なった美しい姿を見せるのがモンサンミッシェルが観光客を引きつける理由の一つです。
ハイライト2:モンサンミッシェル修道院
モンサンミッシェルの島の中心には、1300年以上の歴史があるモンサンミッシェル修道院がそびえ立っています。モンサンミッシェルは、修道院の元となった岩山の小さな聖堂が1000年以上をかけて拡張されて、今の姿になりました。
修道院内には、岩山の上に建てられたとは創造できないくらい広い教会や、鮮やかな緑の中庭を囲む回廊など、見どころがたくさんあります。見学には1時間弱かかります。
てっぺんにある修道院からは島の周囲の風景を見下ろせます。修道院内にある西のテラスは、眺めの良い場所として有名です。
観光客のほとんどがモンサンミッシェル修道院を見学するため、チケット売り場には長い行列ができることもあります。特に、多くの観光客が到着する昼過ぎは入場に時間がかかります。
モンサンミッシェル修道院の入場料、見学の仕方、優先入場チケットで混雑を回避する方法を下記記事で詳しく紹介しています。
その他、モンサンミッシェルのハイライトには、有名なラ・メール・プラールのふわふわのオムライスなどがあります。
モンサンミッシェル観光の計画の立て方
大人気のモンサンミッシェルは、フランス旅行の起点パリと約300kmも離れており、費用もそれなりにかかります(1万円~3万円)。したがって、自力で行く or ツアーに参加する、また日帰りで行く or 宿泊する などをしっかり情報を収集して決めることが大切です。
行き方には、TGV+バス、現地ツアーなどの複数の選択肢があります。それぞれメリット・デメリットがあり、みんなに最適な方法というものはありません。
また、ハイライトで述べたように、夜景などモンサンミッシェルのいろいろな姿を見るには1泊する必要がありますが、旅行日程や費用の問題で日帰りという場合も十分に楽しむことことができます。
下記記事では、各交通手段の費用や所要時間、メリット・デメリットを詳しく解説しています。ご自分にあった行き方を選ぶのに、こちらの記事をお役立てください。
2023年現在、パリ発の現地ツアーもほぼ再開され料金もリーズナブルに戻っています。日本語アシスタント付きのツアーも催行日が増えてきました。現地ツアーの選び方、お得に予約する方法を下記記事で解説しています。
TGV+バスでの行き方・無料シャトルバスの乗り方
パリからTGV+バスでモンサンミッシェルへ行く場合、リヨン駅でのバス乗り換えなど、行程が少し複雑です。
私がTGV+バスを使ってモンサンミッシェルへ行ったときの様子を下記記事で詳しくご紹介しています。
なお、モンサンミッシェルへ行くには、対岸で無料シャトルバスに乗り換える必要があります。シャトルバスの乗り方も上の記事で解説しています。
モンサンミッシェルのホテルの選び方
モンサンミッシェルのホテルを選ぶ場合は、モンサンミッシェル①島内のホテルか、シャトルバス乗り場がある②対岸のホテルか、どちからを選ぶことになります。モンサンミッシェル観光を日帰りでなく、宿泊にする最大のメリットは、朝から夜までのモンサンミッシェルの様々な姿を見ることができることです。ホテルを選ぶ場合も、この点がポイントになります。
①島内ホテルのメリット・デメリット
モンサンミッシェル島内は狭く4、5件しかホテルがありません。どれも歴史あるホテルなので、新しいホテルのような快適性は望めません。また、部屋数も限られるので、設備の割に宿泊料が高くなります。宿泊料は15,000円~が相場です。
しかしながら、歴史あるモンサンミッシェルに宿泊するのは、非常に価値ある体験です。私は以前、島内のレ・テラス・プラール(Les Terrasses Poulard)に宿泊しました。ホテルが壁と一体化しており、歴史あるモンサンミッシェルに泊まっているという感動を得られました。
加えて写真撮影ポイントまで歩いてすぐ行けるのも大きな利点でした。ハイライトで紹介した夕焼け、夜景、明け方など、いろいろな姿のモンサンミッシェルを撮影できました。
②対岸ホテルのメリット・デメリット
対岸のシャトルバスの発着所周辺には、設備の整った近代的なホテルがあります。宿泊料の相場も安く8,000円~です。四つ星のホテルでも、島内のホテルより安い10,000円~で宿泊できます。
デメリットは、モンサンミッシェルまで距離があることです。シャトルバスで移動できますが、バスの待ち時間もあり、島内のホテルよりは時間がかかります。逆にモンサンミッシェルの遠景は、対岸のほうが見やすいですし、窓からいつでも遠景を見られる部屋もあります。島内に泊まることにこだわらなければ、対岸のほうがコスパは良いです。
以下、島内と対岸の人気ホテルをそれぞれ2つずつご紹介します。
島内人気ホテル1:レ・テラス・プラール
レ・テラス・プラール(Les Terrasses Poulard)は島内のホテルでは、一番宿泊料が安めです。部屋は狭いですが、改装されていてきれいになっているようです。
島内のホテルでは、一番評価が高く人気があります。コスパが良いのが理由だと思います。
島内人気ホテル2:ラ・メール・プラール
ふわふわオムレツで有名なラ・メール・プラールはホテルも運営しています。知名度も高く、ロケーションが抜群にいいので、人気があります。城壁外にもすぐ出られるので、夜景などの撮影にも便利です。
対岸人気ホテル1:メルキュール・モンサンミッシェル
メルキュール・モンサンミッシェル(Mercure Mont Saint Michel)は、4つ星ホテルですが、日程によっては1万円前後で宿泊できるコスパの良いホテルです。
シャトルバスの停留所が目の前にあるので、モンサンミッシェルへの往復が楽なのが人気のポイントです。
また、モンサンミッシェルで一番大きなストア Les Galeries Du Mont-Saint Michel が目の前にあり、お土産を買ったり、飲み物を買ったりするのにも便利です。
対岸人気ホテル2:ル・ルレ・サン・ミッシェル
ル・ルレ・サン・ミッシェル(Le Relais Saint Michel)は、対岸のホテルの中で一番モンサンミッシェルに近いホテルです。
人気のポイントは、なんと言っても部屋からモンサンミッシェルを眺められることです。夜景も部屋から見ることができます。ただし、モンサンミッシェルビューでない割安な部屋からは見られないので注意してください。
モンサンミッシェルの観光スポット
モンサンミッシェルの観光スポットをご紹介します。小さい島なので、数は多くありません。絶対に見逃せない観光スポットは、モンサンミッシェル修道院です。
①モンサンミッシェル修道院
ハイライトでも紹介した必見の観光スポット「モンサンミッシェル修道院」については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
②グランド・リュ(大通り)
グランド・リュ(大通り)の名前の通り、島内唯一のメインストリートです。ラ・メール・プラールなどレストランやお土産物屋も、この通り沿いにあります。グランド・リュを登りきって左手の階段を上がると、モンサンミッシェル修道院の入口です。
③干潟散策
モンサンミッシェルを囲んでいる干潟は、干潮時に散策することができます。干潟から眺めるモンサンミッシェルは、よく写真で見かけるのと違った姿を見せます。モンサンミッシェル付近は干満の差が激しく、潮の流れが早いことでも有名です。昔は潮にのまれて多くの巡礼者が命を落としたそうなので、散策の際は気をつけてください。
④北の塔
グランド・リュを突き当たりまで行ったあたりに、外周の壁に上がれる道があります。階段を降りると、見晴らし位の良い北の塔があります。
モンサンミッシェルの外周の壁沿いには、北の塔から続く通路があります。
⑤観光センター・ショッピングセンター(対岸)
シャトルバスの乗り場がある対岸(陸側)には観光センターがあります。
観光センターは比較的新しい建物で、観光情報を得ることができます。建物内にトイレもあります。
対岸側にはショッピングセンターもあり、お土産の品揃えも豊富です。シャトルバスの途中の停留場の前にあります。
⑥サン・ピエール教会
グランド・リュをのぼっていく途中の左側にサン・ピエール教会があります。入口にジャンヌ・ダルクの像があります。
小さめの教会の内部は無料で見学できます。祭壇に聖ペテロの絵画があります。銀のミカエル像も見どころの一つです。
モンサンミッシェルのレストラン・名物
モンサンミッシェルの名物は、何と言ってもラ・メール・プラールのふわふわオムレツです。オムレツ単品が38€~、コースだと55€~と結構なお値段ですが、多くの方が食べています。
オムレツはちょっと高いという場合、安くて美味しいと評判のガレット専門店「ラ・セメーヌ」がおすすめです。人気があり常時混んでいるので時間に余裕をもって行ってください。
ラ・メール・プラールやおすすめのガレット専門店「ラ・セメーヌ」など、モンサンミッシェルのレストランに関して下記記事で詳しく紹介しています。
モンサンミッシェルのお土産
モンサンミッシェルの人気のお土産は、レストランで有名なラ・メール・プラールのクッキーやモンサンミッシェル近くの塩田で作られるゲランドの塩です。
人気のお土産の値段やおすすめのショップなどを下記記事で詳しくご紹介しています。
海に浮かぶモンサンミッシェルを見るには?(モンサンミッシェル 潮位の調べ方)
テレビや写真では海に浮かぶモンサンミッシェルをよく見ますが、実際にこの光景を見られるのは大潮の日近辺だけです。年間を通して20日間もありません。
なかなか、このタイミングを合わせてモンサンミッシェルを訪問するのは難しいと思いますが、訪問日近辺の潮位・満潮の時間を調べておくと良いと思います。
大潮の日や、満潮の時刻はモンサンミッシェルのツーリスト・オフィスの公式ページで公開されています。
このページに、THE 2023 TIDAL FORECASTというボタンがあり、ここから年間の潮位スケジュール(PDF)をダウンロードできます。
下記に潮位スケジュールの一部を引用します。潮位が高くなる日がピンクで示されています。2023年は3月下旬を過ぎると次の大潮は8月になるようです。
参考)モンサンミッシェル観光局の公式サイト
以上、モンサンミッシェル観光に役立つ見どころ、行き方・ホテルの選び方など情報をご紹介しました。
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