ヴェルサイユ宮殿へ電車に乗って自力で行く方法をわかりやすく説明します。
人気観光地ヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)は、パリ中心部から鉄道で1時間ほどでアクセスできます。パリの電車(RER,トランシリアン)の乗り方さえマスターしてしまえば、自力で十分行くことができます。
ただし、ヴェルサイユ宮殿には最寄り駅が複数あり、電車の種類も異なるのでGoogle Mapで検索しても「どのルートが最適なのかわからない」という状況になります。そこで本記事では、ヴェルサイユ宮殿へ自分に最適な経路を選ぶためのポイントを詳しく解説します。
なお、ヴェルサイユ宮殿の入場チケットの購入方法や、優先入場のしかた、見どころ、はこちらの記事で解説しています。
目次
ヴェルサイユ宮殿への経路を選ぶポイント
宮殿への行き方を選ぶときのポイントを解説します。これを把握しておけば、自分に適した行き方を選ぶのに役立ちます。
ポイント1:C線、N線、L線 3つの路線がある
パリ市内からヴェルサイユ宮殿へ行く鉄道には、RER C線とトランシリアン(Transilien)のN線とL線があります。運行会社によってRERやトランシリアンと呼び名が変わりますが、まずはC線、N線、L線があることを覚えてください。運行本数に、大きな差はなく15~20分に1本は運行しています。
ポイント2:ヴェルサイユ宮殿最寄り駅は3つの路線で異なる
3つの路線でヴェルサイユ宮殿の最寄り駅が異なります。下のマップの④がヴェルサイユ宮殿です。①がC線、②がN線、③がL線、に乗車した場合の最寄り駅です。①C線が宮殿まで徒歩10分で最も近く、②N線と③L線は両方とも徒歩18分です。
Gare de Versailles Château Rive Gauche
徒歩:10分
②N線:ヴェルサイユ・シャンティエ駅
Versailles – Chantiers
徒歩:18分
③L線:ヴェルサイユ・リヴ・ドルワット
Versailles – Rive Droite
徒歩:18分
C線の駅が一番近いのでオススメですが、パリ市内の乗車駅との関係もあり、一概にC線がベストと言えません。ただし、夏は炎天下を歩くので周り道になっても最寄りのC線が良いかもしれません。なお、C線とL線は始発/終着駅になるので乗降車時にわかりやすいというメリットがあります。
ポイント3:パリ市内の乗車駅も3つの路線で異なる
3つの路線はパリ市内の乗車駅が、それぞれ離れています。宿泊するホテルなどパリ市内の出発地点によって便利な路線が異なります。①がC線の始発駅Javel、②がN線のGare Montparnasse(モンパルナス駅)、③がL線:Gare Saint-Lazare(サン・ラザール駅)です。
なお、L線は途中のラ・デファンス駅(Gare de La Défense)から乗車したほうが近い場合があります。上記で説明した基本路線の以外にもU線というラ・デファンス駅からヴェルサイユ・シャンティエ駅(N線と同じ)を経路の列車もあります。
それぞれの乗車駅で、どの方面行きの電車に乗るのかを以下にまとめます。
⇒C線 Gare de Versailles Château行きの電車に乗車
②N線:Gare Montparnasse(モンパルナス駅)
※N線と同じ経路のTERも乗車可能
⇒N線、TER:Gare de Dreux、Gare de Chartres、Rambouillet行きに乗車
③L線:Gare Saint-Lazare(サン・ラザール駅)
⇒L線:Gare de Versailles Rive Droite行きに乗車
Google Mapで検索してみる
上記のポイントを把握すると、複雑だったGoogle Mapでの経路検索の結果が理解しやすくなります。
例として、ルーブル美術館からヴェルサイユ宮殿への行き方を検索してみます。以下のように沢山経路が表示されます。上で説明したL線のLのアイコンもあります。TERというアイコンがありますが、これはN線と同じ経路を通る電車です。N線と同じと考えてください。
バスを使った経路も検索されますが、バスの利用は若干ハードルが高いです。オプションで「利用する交通手段」からバスを外しておくと電車のみのルートになります。
検索候補の1番目を見てみます。Lのアイコンが表示されているように、これはL線を利用するルートです。
始発のサン・ラザール駅でなく途中のラ・デファンス駅からL線に乗車します。ルーブル駅から乗車するラ・デファンス駅まではメトロ(M)の1番線で移動します。
L線の終点ヴェルサイユ・リヴ・ドルワット駅で下車して、宮殿まで18分ほど歩きます(21分は宮殿内部までの時間)。
ポイントで説明したメインの線を理解すると、検索されたルートの概要を理解しやすくなります。この他、N線始発のモンパルナス駅まで行き、N線やTERでヴェルサイユ・シャンティエ駅まで行くルートも検索されます。
なお、パリでは路線工事やストなどで路線を利用できなくなることが頻繁にあります。実際に私がヴェルサイユ宮殿に行ったときもストでRER C線が運休していました。経路に問題がある場合は、日本と同じように以下のように表示されます。このような場合は、他の路線を利用しましょう。
ヴェルサイユ宮殿行きの切符
ヴェルサイユ宮殿行きの切符について以下ポイントを解説します。
・ヴェルサイユ宮殿はZone4にあります。
・メトロ+RERのC線で行く場合は、Zone4のチケットを購入します(片道 3,65 EUR)。ただし、乗り換えの際に改札外に出てしまうと乗り継ぎができないので注意してください。
・トランシリアン(Transilien)N線、L線で行く場合は、メトロとの乗り継ぎができないので、モンパルナス駅、サン・ラザール駅で、それぞれベルサイユ宮殿最寄り駅までの切符を購入してください。下の写真のようにPARIS ILE-DE-FRANCEと書かれた券売機があり、これで購入できます。
・いちいち切符を購入するのが面倒な場合は、乗り放題切符Mobilis(モビリス)がオススメです。Zone1-4までのMobilisは12,40 EURです。ゾーン内のメトロ、RER、トランシリアン、すべてに利用できます。ヴェルサイユ宮殿との往復以外にも使えますし、チケット購入の手間を考えるとコスパは悪くありません。
・パリ最強の切符はSUICA,ICOCAのようなパリの交通系ICカードNavigo(ナヴィゴ)です。購入に顔写真が必要など手間がかかり、2,3日の観光には不向きですが、タッチするだけで電車に乗れるので非常に便利です。Navigoの買い方、使い方について下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
パリのメトロ、RERの切符の種類については、こちらの記事でわかりやすく説明しています。こちらを参照してください
自動券売機の使い方もこちらの記事で詳しく説明しています。
ヴェルサイユ宮殿への行き方
実際にパリ市内からヴェルサイユ宮殿へ行ったときの様子をご紹介します。ちょうどストライキが実施された日でしたので、その状況も簡単に報告します。
私はモンパルナス駅そばのホテルに宿泊したので、徒歩でモンパルナス駅まで移動しました。モンパルナス地区のホテルは、パリ中心部へのアクセスが良く、治安もよく、宿泊料も安めなので人気があります。パリのホテルについて、こちらの記事で詳しく解説しています。
モンパルナス駅からN線に乗車
ヴェルサイユ宮殿の開園が9時からだったので開園前には入場列に並べるように行きました。通常だと8時ころモンパルナス駅につけば間に合いますが、ちょうどストがあるとの情報だったので、少し早めに着きました。ストライキの情報は、事前にパリ交通公団(RATP)のサイトなどに掲載されます。この日のストの計画はGoogle Mapのルート検索結果からリンクが貼られていました。
PARIS ILE-DE-FRANCEと書かれた自動券売機があるのでVersailles Chantiersまでの切符を購入します。SNCFと大きく書かれた水色の自動券売機もありますが、TGVなど長距離切符の自販機です。
ストの看板があちこちに置かれていました。ストというとデモ行進のようなものを日本人は想像しがちですが、ストが日常茶飯事のフランスでは計画的かつ整然と行われます。N線のヴェルサイユ行きの便は平時は1時間4本ほど走っていますが、この日は1時間に1本ほどに減便されていました(RER C線は運休)。
ヴェルサイユへは、Dreux、Chartres、Rambouillet行きの列車で行くことができます。掲示板に行き先が表示されているので、確認して乗車します。一番発車の早いRambouillet行きの列車を待ちます。
列車は2階建てです。ストライキによる減便の影響で多少は混んでいましたが、すし詰めというほどではありませんでした。
30分弱でVersailles – Chantiers(ヴェルサイユ・シャンティエ駅)に到着しました。
出口(SORTIE)に向かいます。出口には改札があるので切符を通して出場します。
ヴェルサイユ=シャンティエ駅からヴェルサイユ宮殿までのルート
シャンティエ駅からヴェルサイユ宮殿までは徒歩18~20分ほどです。RER C線の最寄り駅 ヴェルサイユ=シャトー駅よりは遠いですが、歩けない距離ではありません。
下のマップのように駅を出てまっすぐ進めば、ヴェルサイユ宮殿につながる大通りに出るので、迷うことはありません。
100mほど進むと車通りのある道に出ます。道沿いに進みます。途中、歩道が狭い箇所もありますが通行に問題はありません。
ヴェルサイユ宮殿につながる大通りにでました。ここまでくれば、残り10分もかかりません。
ヴェルサイユ宮殿を建設したルイ14世の騎馬像です。ここまで来たら、すぐ目の前がヴェルサイユ宮殿の入場ゲートです。
ホテルがモンパルナス駅に近かったこともあり、ストライキの影響を除けば1時間かからずにヴェルサイユ宮殿に到着しました。
到着後の入場までの流れや見どころは下記記事で詳しく解説しています。続きはこちらで御覧ください。
RER C線 ヴェルサイユ=シャトー駅からのルート
RER C線の最寄り駅ヴェルサイユ=シャトー駅(Gare de Versailles Château Rive Gauche)からヴェルサイユ宮殿までの徒歩ルートも確認してきましたので、簡単にレポートします。
徒歩10分ほどと一番近く、一回曲がるだけなので、非常に簡単なルートです。
RER C線は終点がヴェルサイユ=シャトー駅(Gare de Versailles Château Rive Gauche)なので、乗り過ごす心配もありません。駅も小さめです。到着したら自動改札に切符を通して出ます。この日はストで運休していたので閑散としていました。
駅を出たら右手にある横断歩道を渡り、そのまま道を右側へ進みます。
3分くらい歩くと、ヴェルサイユ宮殿につながる大通りとの交差点に出ます。ここを左側に曲がります。ヴェルサイユ宮殿の入り口が近くに見えます。
参考:ヴェルサイユ宮殿公式サイトのアクセス情報
ヴェルサイユ宮殿の公式サイトのアクセス情報を下記URLから参照できます。
以上、ヴェルサイユ宮殿へのアクセス方法を詳しくご紹介しました。
ルーブル美術館はヴェルサイユ宮殿と同じように大混雑します。こちらの記事で混雑回避方法を詳しく解説しています。
[PR]パリの人気現地ツアー パリにはルーブル美術館、エッフェル塔、凱旋門、セーヌ川クルーズなど人気観光スポットがいっぱいです。