パリ・シャルルドゴール空港からパリ市内へのアクセス手段には、空港バス(Roissy, Le Bus Direct)、鉄道(RER B線)、タクシー、空港送迎サービスがあります。それぞれの治安、料金などを比較し、最適な移動手段の選び方をご紹介します。
パリの玄関口「シャルル・ド・ゴール空港」(Aéroport de Paris-Charles-de-Gaulle/CDG)は、パリ市内の北東約23kmの位置にあります。市内から少し離れていて、どの手段でも約1時間以上かかります。
記事中では、空港バス、鉄道(RER B線)、タクシー、送迎サービスを比較し、ご自身にあったアクセス方法の選び方をガイドします。シャルル・ド・ゴール空港とパリ市内の間には治安が悪い地域もあります。そのため、選ぶときには治安も重要なポイントになります。
各移動手段を利用する場合に必要となる、切符の買い方、時刻表、乗車方法などの詳しい情報も掲載しています。それぞれの手段の詳細を一通り見ていただいて、選んでいただいても良いと思います。
目次
シャルル・ド・ゴール空港アクセスに関する新型コロナ関連情報(2022年8月)
空港送迎サービスですが、新型コロナの影響で貸し切りでの運用になっているため料金が高額になっています。現地語ドライバーで160€~になっています(それでも利用者は多いようです)。
シャルル・ド・ゴール空港からのアクセス方法の選び方
どのようなアクセス手段があるか?
シャルル・ド・ゴール空港とパリ市内の移動手段には、空港バス(3系統)、送迎サービス、タクシー、鉄道があります。以下が費用、所要時間などの比較表です。
交通手段 | 目的地 | 運賃 | |||
---|---|---|---|---|---|
空港バス | 13.7€ | ||||
18€ | 約70分 | ||||
18€ | 約70分 | ||||
送迎サービス | - | 30€ ~ | 約70分 | - | |
タクシー | - | 約70分 | - | ||
鉄道(RER B線) | 10.3€ |
シャルル・ド・ゴール空港-パリ市内間は、治安の悪い地域を通過するので、(1)安全性・治安、(2)料金、(3)行き先、が手段を選ぶ上でのポイントです。以下、タイプ別におすすめの移動手段をご紹介します。
タイプ1:安全、快適性をとにかく重視
安全、快適性を最重視するのであれば、タクシーや空港送迎サービスがおすすめです。料金は、送迎サービスが1人30€、タクシーは定額で50 or 55€です。2人以上いればタクシーの方が割安です。一方、送迎サービスは到着出口で名前が書かれたプレートを持って案内してくれるので安心です。
タイプ2:料金も安めにしたい
料金も安めにしたい場合は、空港バスがおすすめです。運賃はパリ市内まで12€~18€です。バスは2社運行しており、3つの系統があります。
(1)ロワシーバス:パリ中心の①オペラ座行き
(2-1)ル・ビュス・ディレクト LINE2:②エトワール(凱旋門)、③エッフェル塔行き
(2-2)ル・ビュス・ディレクト LINE4:⑤リヨン駅、⑥モンパルナス駅行き
上のマップのように①オペラ座を取り囲むように停留場があります。基本的には、ホテルなど目的地に近い空港バスの系統を選ぶと良いです。
ただし、ロワシーバスの運賃は13.7€、ル・ビュス・ディレクトは18€と差があります。また、運行間隔もロワシーバスが15~20分で、ル・ビュス・ディレクトは30分です。バス停からホテルまで徒歩圏内でない場合は、地下鉄などに乗り換えになります。最終的に地下鉄に乗るのであれば、安くて便も多いロワシーバスで中心部のオペラ座へ行き、そこから地下鉄で移動するのも効率的です。
タイプ3:料金を安くしたい、所要時間を減らしたい
シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へは近郊鉄道RER B線が運行しています。運賃も安く、所要時間も短いのですが、RER B線は治安が悪いことで有名です。タクシーやバスのように渋滞に合うこともなく計画を立てやすいので、私は気をつけながら利用してしまうのですが、一般的にはあまりおすすめできません。RER B線の治安については、記事の後半で解説しています。
航空会社の利用ターミナル
日本からの直行便が到着するターミナルは以下の通りです。どちらのターミナルからも、タクシー、送迎サービス、空港バス、RER B線を利用できます。
JAL:ターミナル1
①空港バス:ロワシーバス(Roissybus)でのアクセス
ロワシーバスは、オペラ座まで直行する空港バスです。パリ交通公団(RATP)が運行しているため運賃が13.7€と、ル・ビュス・ディレクトより4.3€ 安いです。また、パリ最強の交通系ICカード「ナヴィゴ・セメーナ」でも乗車できます。
ロワシーバスの運賃・所要時間・運行時間
・運賃:13.7€
※ナヴィゴ・セメーナ、パリ・ビジット利用可
※ナヴィゴ・イージー利用で12€
・所要時間:60~75分
・運行時間:
オペラ座方面 6:00 – 24:30
空港方面 5:15 – 24:30
・運行間隔:15~20分間隔
ロワシーバスの運行ルート
空港を出ると、オペラ座まで直通します。
ロワシーバスの停留所
■オペラ座:オペラ座(オペラ・ガルニエ)の西側入口の向かい側にあります。
※空港の乗り場は「空港バスの乗り方」にて説明します。
ロワシーバスの具体的な乗り方は、次の次の項目で解説します。
②空港バス:ル・ビュス・ディレクト(Le Bus Direct)でのアクセス
ル・ビュス・ディレクトの空港バスは、以下のマップのように、エトワール(凱旋門)経由でエッフェル塔まで行くライン2と、リヨン駅経由でモンパルナス駅まで行くライン4があります。なお、オルリー空港へ移動する場合は、ライン3を利用します。
※クリックすると拡大します
以下、ライン2とライン4に関して詳しく説明します。
②-1 ル・ビュス・ディレクト LINE2(エッフェル行き)
LINE2(エッフェル行き)の運賃・所要時間・運行時間
・運賃:片道18€ / 往復31€
・所要時間:
エトワールまで 45~60分
エッフェルまで 60~70分
LINE2(エッフェル行き)のルート
LINE2は、シャルル・ド・ゴール空港をターミナル2の2E,2F ⇒ 2A,2C,2D ⇒ ターミナル1の順にまわった後、ポルト・マイヨ駅(Porte Maillot)、エトワール駅・凱旋門(Étoile / Champs-Élysées)、エッフェル塔(Tour Eiffel / Suffren)の順に停まります。
LINE2(エッフェル行き)の停留所
工事の影響で、停留所の位置が変わる可能性があります。公式サイトで最新の情報を確認してください(⇒公式サイトLINE2)。
①ポルト・マイヨ駅
②エトワール駅(凱旋門)
③エッフェル塔
LINE2(エッフェル行き)の時刻表
30分に1本の運行です。
■エッフェル方面:
CDG ターミナル2(2E,2F):5:30 ⇒ 6:00 ⇒ 6:30 ⇒ ・・・ ⇒ 23:00 ⇒ 23:30
CDG ターミナル1:5:45 ⇒ 6:15 ⇒ 6:45 ⇒ ・・・ ⇒ 23:15 ⇒ 23:45
■空港方面:
エッフェル:5:00 ⇒ 5:30 ⇒ 6:00 ⇒ ・・・ ⇒ 21:30 ⇒ 22:00
エトワール:5:10 ⇒ 5:40 ⇒ 6:10 ⇒ ・・・ ⇒ 21:40 ⇒ 22:10
②-2 ル・ビュス・ディレクト LINE4(モンパルナス駅行き)
LINE4(モンパルナス駅行き)の運賃・所要時間・運行時間
・運賃:片道18€ / 往復31€
・所要時間:
リヨン駅 40~50分
モンパルナス駅まで 70~80分
LINE4(モンパルナス駅行き)のルート
LINE2は、シャルル・ド・ゴール空港をターミナル2の2E,2F ⇒ 2A,2C,2D ⇒ ターミナル1の順にまわった後、リヨン駅(Gare de Lyon)、モンパルナス駅(Gare Montparnasse)の順に停まります。
LINE4(モンパルナス駅行き)の停留所
工事の影響で、停留所の位置が変わる可能性があります。公式サイトで最新の情報を確認してください(⇒公式サイトLINE4)。
①リヨン駅
②モンパルナス
LINE4(モンパルナス駅行き)の時刻表
30分に1分の運行です。
■モンパルナス方面:
CDG ターミナル2(2E,2F):5:45 ⇒ 6:15 ⇒ 6:45 ⇒ ・・・ ⇒ 22:15 ⇒ 22:45
CDG ターミナル1:6:00 ⇒ 6:30 ⇒ 7:00 ⇒ ・・・ ⇒ 22:30 ⇒ 23:00
■空港方面:
モンパルナス駅:5:15 ⇒ 5:45 ⇒ 6:15 ⇒ ・・・ ⇒ 21:15 ⇒ 21:45
リヨン駅:5:30 ⇒ 6:00 ⇒ 6:30 ⇒ ・・・ ⇒ 21:30 ⇒ 22:00
空港バスの乗り方
ANAやエールフランスの直行便が到着するターミナル2Eを例に空港バスの乗り方を説明します。
バス乗り場への行き方、乗車の流れは基本的に同じです。JALでターミナル1に到着した場合は、以降に記載したターミナル1の乗り場の情報を参考にしてください。
荷物を受け取って到着出口にでると、下の写真のように目の前にバスのりばへの案内が出ています。マークス&スペンサーの前を進みます。ターミナル2Fと同じ方向です。
扉を出たところにバスのりばのマップがあります。ディズニーランド・パリ(Disneyland Paris)行きはA、C、F、ロワシーバス(RoissyBus)はB、ル・ビュス・ディレクト(Le Bus Direct)の凱旋門・エッフェル行き(LINE 2)はD、リヨン駅・モンパルナス駅行き(LINE 4)はE、の乗り場です。
※クリックで拡大します
乗り場(屋内)には、バスチケットの券売機(ロワシーバス、ル・ビュス・ディレクト)があります。切符はドライバーからも購入できますので、無理に券売機で購入しておく必要はありません。
ここでは、ロワシーバスの券売機の使い方をご紹介します。ロワシーバスは、RATP運行なので、パリの地下鉄などと同じ券売機になります。
取材時(2019年9月)は、料金が12€でしたが、2019年11月1日に13.7€へ値上がりしました。ただし、ICカード「ナヴィゴ・イージー」を利用すれば12€のままです。「ナヴィゴ・イージー」は鉄道駅窓口などで購入できますが、バスのりば付近では見つけられませんでした。ここからCDG第2 TGV空港駅にあるチケット窓口まで行くと往復30分くらいかかります。
※バスのりば付近のカード購入場所をご存知の方がいらしたら、ご教示いただけるとありがたいです。
「ナヴィゴ・イージー」については下記記事で詳しくご紹介しています。
右側のTouch here to buy tickets(チケットを購入する)をタッチします。ナヴィゴ・デクーヴェルトやナヴィゴ・イージーを持っていて、チャージする場合は、左をタッチしてください。ナヴィゴ・デクーヴェルトについて下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
購入するチケットの種類を選びます。Roissybus ticket(ロワシーバスチケット)をタッチします。Paris Visite(パリ・ビジット)は地下鉄・近郊電車・バスなどが乗り放題になる切符です。観光の優待が付いているため割高(Zone1-5 1日券が25.25€)で私はお得感が少ないチケットだと思っています。また、Mobilisは1日券ですが、ロワシーバスには乗れないはずです。一般バス350,351には乗車できます。
確認画面です。間違いがなければ、右下のValidateで支払いに進みます。
支払いは、カードまたは画面に表示されている種類のお札(5€、10€、20€)で料金を支払います。
ロワシーバスの場合、乗り場Bで待ちます。ル・ビュス・ディレクトの場合も、それぞれの乗り場で待ちます。今回は、ロワシーバスでオペラ座へ向かいました。
バスが到着しました。ロワシーバスにナヴィゴで乗車する場合は、車内の読み取り機にカードをタッチします。
ロワシーバスの車内は、一般のバスとほぼ同じです。バスの中程にスーツケース置き場があります。荷物を置いた場合は、空港を出るまでは盗難に注意してください。ターミナル2の次に、ターミナル1で乗客を乗せます。空港を出れば直通なので、途中で盗まれる可能性が低いです。乗客は旅行客が多く、危険な感じはありませんでした。
バス移動の欠点は、渋滞に巻き込まれると時間がかかることです。今回はパリ中心部で少し混んだだけでした。
なお、パリ市内からシャルル・ド・ゴール空港へ行くロワシーバスもここから乗車します。
バス停には空港と同じように、自動券売機があります。ドライバーから購入することもできます。
ターミナル1の空港バス乗り場
JALなどでターミナル1に到着した場合、到着出口のすぐわきの32番出口がバスのりばです。
ターミナル2の場合と同じように、バスのりばの案内が目の前に出ています。
③空港送迎サービス
空港送迎サービスは、名前が書かれたプレートを持った係員さんが到着口で待っていて、送迎車まで案内してもらえるのが安心です。送迎もホテルまでしてもらえます。出迎えの係員が、外国人(英語)か日本人(か日本語が話せる現地人)かで料金が変わります。
料金は送迎サービスよりタクシー(50~55€)の方が割安です。到着口で出迎えてもらえることと、ホテルが事前に伝わっていて確実に送り届けてもらえることが、送迎サービスを選ぶメリットです。
コスパが良さそうなシャルル・ド・ゴール空港からパリ市内の送迎サービスを探してみました。
下記エミ・トラベルのサービスは、2名以上だと、1人あたり30€~と料金が安めでした(1名の場合は60€)。出迎えは、外国人(英語)になりますが、名前がアルファベットで書かれたボードを持って待っているので。問題はなさそうです。混載バスでホテルまで送ってもらえます。
出迎えが日本語アシスタントで安いサービスは以下でした。1人あたり60€~と外国人による出迎えの倍の料金です。到着した先で日本語が通じるというのは安心できると思いますが、料金は高めです。
人数の多い場合(3人以上)は、車1台を専有する送迎の方がコスパが良いです(車1台あたりの料金になるので)。下記送迎サービスは3~4名乗車の場合、85 €です。4人だと、1人あたり約21€になります。
他の予約サイトも安いサービスがないか探してみましたが、どこも催行は同じエミ・トラベルで値段も同じでした。
料金だけで言えば、GetYourGuideのミニバン乗合移動サービスが見つけた中では18.5 €と最安でした。ただし、プレートを持った出迎えがないようなので、合流に苦労しそうです。下記ボタンで詳細を確認できます。
④タクシーでのアクセス
タクシーは安全かつ人数が多い場合は費用の面でもお得な移動手段です。
タクシーの運賃
シャルルドコール空港からパリ市内のタクシーは運賃が定額制になっています。
以下のマップのように、セーヌ川の北岸(シャンデリゼ通り、凱旋門、オペラ座、パリ北駅など)が50€、南岸(エッフェル塔、モンパルナス駅)が55€です。
タクシー乗り場
タクシー乗り場は基本的には、各ターミナルの到着エリアを出てすぐのところにあります。
・ターミナル2:
2E : 到着階10番出口
2A : 6番出口、2C : 14番出口、2D : 7番出口、2F : 到着階11番出口、2G : 青の出口
・ターミナル 3 : 到着ホール出口
エールフランス、ANAの直行便が到着する2Eの場合、到着口を出てすぐ右手がタクシー乗り場です。
Taxisの標識がSortie 10(10番出口)のところに出ています。フランス語で出口はSortie(ソルティ)です。
なお、到着エリアで公認タクシーを装った客引きがあるようです。公式ページでも下記のように、客引きについていかず正式なタクシー乗り場から乗ることや、屋根の上のタクシーのランプを確認すること、の注意があります。
⑤近郊鉄道(RER B線)でのアクセス
RER B線は治安が悪い、という評判です。安全を考えると私もおすすめしません。在フランス大使館に掲載されている下記の体験談が広く知られています。
フランス在住の方やご旅行で来る方の身の安全に役に立てればと思い私の経験を送らさせていただきます。
シャルル・ド・ゴール(CDG)空港で友人を出迎えて、RERのB線に乗った車内での出来事です。私たち2人は電車の真ん中に席をとり、スーツケースを間に挟み迎えあわせに座りました。私は奥の窓側に座りました。友人と話している所、大きな男の人が突然前に現れて(どうやらこの駅で乗り込こんできたようです)、あっというまに、私のバッグをひったくろうとしました。
しかし、バッグは肩から下がっていて簡単に取ることはできません。そのまま、その男はバッグではなく私を引きずりながら、電車から無理やり降ろし、プラットフォームに引きずりながら連れ去りました。友人が慌てて、電車から駆け下り私の体を引きずられないようにしました。そしたら、もう2人の男が現れてさらにバックと私を引きずりました。そのまま、バッグが引きちぎれ彼らは悠々と改札を通り抜け去っていきました。周りの人は見て見ぬふりでした。
運転手によると、その午後(私が事故にあったのは午後17時ごろ)で、もう2件ほど同じような事件が起きたそうです。同じRERのBで、5時間の間で3件です。警察はあまりの数の多さになにもせず、ただ放っておくだけのようです。
私は、電車で都合がよく、治安も悪いとは聞いていなかったので利用しました。しかし、RERのBは治安の悪い地域も通るので、出来るだけこれからは利用は避けようと思います。色々な所からバスが出ているので、そちらのほうが安全かと思います。バスでも後ろには乗らず、運転手の近くに座るとよい聞いています。パリの北側やCDG空港などは特に注意したほうがよいそうです。
ご参考になればと。
一方、RER B線はパリ北駅(Gare du Nord)やシャトレ・レアル駅(Châtelet – Les Halles)などのそばのホテルを利用するときは非常に便利です。また、渋滞に巻き込まれることがないので、パリ市内まで確実に一番早く移動できます。ですので、私は、普段以上に警戒した上で利用してしまっています(ですが、利用はおすすめしません)。
近郊鉄道(RER B線)の運賃・所要時間・運行時間
・運賃:10.3€
※ナヴィゴ・セメーナ、パリ・ビジット利用可
※Mobilis Zone1-5は利用できません
・所要時間:30~40分
・運行時間:5:00~23:00
・運行間隔:10~20分間隔
近郊鉄道(RER B線)の乗り方
RER B線には、ターミナルに応じて以下の駅から乗車します。
・ターミナル2(2Eなど)の場合:CDG空港第2 TGV駅(Gare Aéroport Charles-de-Gaulle 2 TGV)
ここでは、ターミナル2の2EからCDG空港第2 TGV駅(Gare Aéroport Charles-de-Gaulle 2 TGV)へ移動し、RER B線に乗車する方法を詳しくご紹介します。ターミナル1の場合の乗り方は、次の項目で説明します。
シャルル・ド・ゴール空港からは、フランスの地方都市やディズニーランド・パリ行きのTGVに乗車することもできます。TGVは、CDG第2 TGV駅しからしか乗車できないので、CDG空港第2 TGV駅という名称になっています。RER B線とTGVの駅は同じ場所にありますので、どちらを目指して進んでも大丈夫です。
ターミナル2Eには、このようなマップが設置されています。中央にある到着口から写真下側の駅まで、かなり距離があります。歩いて10分くらいです。
以下は2Eの到着出口の写真です。鉄道駅へは左側にある通路を進みます。上で説明したようにバスの場合は、まっすぐ正面へ進みます。送迎サービスの場合は、名前を書いたボードを持った人がここで待っています。
左側に曲がったら、通路をひたすらまっすぐ進みます。RER:Paris par train、Gare SNCFの表示が出ています。
途中、エスカレーターで上の階へあがります。その先には動く歩道があります。ここもひたすら真っすぐです。
しばらく進むと、下の写真のようにTGV・RER駅は右に進め、という表示があります。
曲がった先に下りエスカレーターがあります。エスカレーターを2つ降りると駅に到着です。このフロアにRERの自動券売機があります。また、有人のチケット窓口もあります。
自動券売機での切符の買い方は、下記記事で詳しく説明しています。パリ駅の自動券売機にはいろいろタイプがあります。ここにある券売機は、下記記事中の「RER・フランス鉄道(SNCF)の券売機(パリ郊外の駅)」というタイプです。
記事の説明にしたがって、切符を購入してください。なお、切符種類の選択では、一番上の「Ticket for Paris」を選択してください。運賃は10.3€です。この切符で、パリ市内の地下鉄にも乗り換えられます。
RER B線は、ナヴィゴ(Navigo)でも乗車できます。なお、1日乗車券 Mobilis Zone1-5は空港区間で使用できません。ナヴィゴのICカードは有人のチケット窓口で購入できます。ナヴィゴに関する詳しい説明は、こちらの記事を参照してください。
切符を購入したら、乗車する電車を確認します。下のvers Paris RER Bと書かれた便表示を確認します。Massy-Palaiseaum、St-Rémy-lès-Chevreuse、Denfert-Rochereauなどの複数の行き先がありますが、ほぼすべてパリ中心部まで行くことができます。間違ってTGVの便案内を確認しないようにしましょう。
RER Bは基本的に11番線、12番線から発車します。11、12番線の改札へ向かいます。
自動改札機があります。切符を手前の黄色い挿入口に入れます。少し待つと改札機上面から出てきます。忘れずに切符を受け取ってください。ナヴィゴを使う場合は、紫色のセンサー部にタッチします。
エスカレーターで11番線、12番線のプラットフォームへ降ります。CDG空港第2 TGV駅は始発駅なので、基本的には停まっている電車に乗れば大丈夫です。
車内は、このように日本にもよくあるボックス席です。通路は狭いですが、スーツケースを通路においている人が多かったです。混雑すると、スーツケースが邪魔で通路を通れなくなります。しかし、離れた場所に荷物を置くと、盗まれる危険があるので、自分の脇に置くしかありません。
B線の車内にも一応、荷物を置くスペースがあります。写真のようにおいている人もいます。しかし、荷物を離れた場所に置くことはやめた方が良いと思います。
RERは下車のときも切符を通す必要があるので、切符をなくさないように注意してください。
パリ市内でRER B線からメトロに乗り換える場合は、下の写真のような乗り換え用改札があります。ここに切符を通します。駅や路線によっては、メトロへの乗り換え改札がない場合もあります。その場合は、RERを出る改札で切符が戻ってきます。
ターミナル1からRER B線への行き方
ターミナル1はRER B線から離れているので、CDGVALという無料シャトルでTerminal 3/Roissypoleまで移動する必要があります。そこでRER B線にCDG空港第1駅(Gare Aéroport Charles-de-Gaulle 1)から乗車できます。
ターミナル1の到着口へ出たらTrainsやCDGVALの標識がでています。到着フロアの5階からCDGVAL乗り場のある2階へ移動します。
CDGVALは空港でよくあるシャトルです。切符なども不要なので、そのまま乗り込みます。
ターミナル1の2つ先がTerminal 3 – Roissypoleです。ここでCDGVAL降ります。
CDGVALを降りて上のフロアに上がると、すぐ目の前がRERの駅です。下の写真の右側がCDGVALターミナルで、左側の下方にRERの線路が見えます。
おまけ:RER B線はどのくらい危険なのか?
「RER B線の利用は安全上の理由でおすすめしない」というのが本記事の結論です。一方、私自身は今後も利用することがあるので、個人的な趣味として在フランス大使館サイトの公開情報をもう少し詳しく調べてみました。
在フランス大使館サイトでは、月別の邦人被害情報を公開しています。現在公開されている最新情報(2019年8月)の一部を引用します。
上記レポートは、大使館への被害届を集計したものです。このレポートから私が思ったことは以下です。
・RER B線での被害が8月は0だったが、他の月も見ると0~3件/月くらい。多いと5件という月もあった(週に約1件)。
・被害手口を見ると、スリと置き引きが圧倒的に多い。RER B線の被害もこれらが多いはず。スリと置き引きには特に注意。
・累計を元に計算するとRER B線で被害が発生している確率は1割強。B線乗客の母数はわからないが地下鉄全体の乗客よりは、悪評もあるのでかなり少ないはず。それなのに1割強というのは、被害に遭う確率が他路線よりかなり高いと言えそう。
・一方、8月は観光客がたくさん訪問するので、RER B線に乗った人も相当数いるはず。その状況で報告0件(仮に数人でも)というのは、私個人だと絶対に乗らないという危険レベルではない
ちなみに、B線と関係なくレポートを見て、以下を思いました(母数不明ですが)。
・シニアの方が狙われるイメージだが、20歳代の被害が一番多い。
このおまけを読んで、間違ってもB線は安全だと思わないでください。在フランス大使館サイトに掲載された体験談は、疑いようのない事実です。
以上、パリ・シャルルドゴール空港からパリ市内へのアクセス手段 空港バス(Roissy, Le Bus Direct)、鉄道(RER B線)、タクシー、空港送迎サービスについて詳しく解説しました。
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パリにはルーブル美術館、エッフェル塔、凱旋門、セーヌ川クルーズなど人気観光スポットがいっぱいです。