絶景で大人気のイタリアの世界遺産「チンクエ・テッレ」にフィレンツェやミラノから鉄道やツアーで行く方法をどこよりも詳しく解説します。
イタリア北西部にあるチンクエ・テッレ(Cinque Terre)は、大都市から少し離れているため、知る人ぞ知る世界遺産でした。最近、絶景が見られる観光スポットとして紹介されることが増え人気が高まっています。
チンクエ・テッレに近いイタリアの主要都市は、フィレンツェ、ミラノです。鉄道を使えば意外と行きやすく、フィレンツェからは片道2時間半、ミラノからは片道3時間の距離にあり、日帰り観光もできます。
本記事では、フィレンツェ、ミラノから電車でアクセスする方法を詳しくご紹介します。また、フィレンツェ発、ミラノ発のチンクエ・テッレ現地ツアーと個人で行く場合を比較します。
日帰りでも観光できますが、チンクエ・テッレの美しい港町に一泊してゆっくりするのも人気です。記事後半ではチンクエ・テッレのホテルの選び方も詳しく解説しています。
目次
チンクエ・テッレとは?
「チンクエ・テッレ」は地中海沿いの美しい村が見られるスポットとして人気が高まっている観光地です。世界遺産にも「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群」として登録されています。
冒頭に掲載したヴェルナッツァの絶景以外にも、多くの絶景を見ることができます。
チンクエ・テッレは、「5つ(チンクエ)の土地(テッレ)」の名前の通り、モンテロッソ・アル・マーレ、ヴェルナッツァ、コルニリア、マナローラ、リオマッジョーレの5つの村で構成されています。それぞれの村で、独特の美しい景色を堪能することができます。
5つの村は10km圏内にあり、チンクエ・テッレ・エクスプレスという鉄道で移動できるので、1日あればすべての村を周ることができます。
チンクエ・テッレへのアクセス
チンクエ・テッレは、イタリアの主要都市フィレンツェ、ミラノから日帰りで観光することができます。
フィレンツェから行く場合は斜塔で有名な都市ピサが、ミラノから行く場合はイタリア最大の港湾都市ジェノバが経由地になります。
それぞれの都市からの片道所要時間は以下の通りです。
ミラノから 3時間
ジェノバから 1時間20分
ピサから 1時間10分
ローマからもチンクエ・テッレの玄関口「ラ・スペツィア」まで直通の特急で4時間弱です。ただし、日帰りは難しいかもしれません。
以降では、(1)フィレンツェ、(2)ミラノからチンクエ・テッレへの行き方や、ツアーとどちらが良いのかの比較などを詳しく解説します。
(1)フィレンツェからチンクエ・テッレへのアクセス
フィレンツェは、チンクエ・テッレに最もアクセスしやすい大都市です。
フィレンツェの主要駅サンタ・マリア・ノヴェッラ(SMN)駅から列車でピサ中央駅まで行き、そこで、チンクエ・テッレの玄関口「ラ・スペツィア中央駅」行きの列車に乗り換えます。所要時間はおおよそ以下の通りです。
⇒(電車:50~60分)⇒
②ピサ中央駅
⇒(電車:60~70分)⇒
③ラ・スペツィア中央駅
以下は、イタリア国鉄トリニタリアの公式サイトでフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からラ・スペツィア中央駅の便を検索した結果です。
簡単に解説します。
フィレンツェSMN駅⇔ピサ中央駅は普通列車Regionale(REG)または快速列車Regionale Veloce(RV)が運行しています。
ピサ中央駅⇔ラ・スペツィア中央駅は、普通列車Regionale(REG)、特急Intercity、高速特急Frecciabiancaが運行しています。
料金は全区間で普通/快速列車だと一番安く14€です。特急Intercity、高速特急Frecciabiancaを利用する場合、特急料金がかかり高くなります。特急は座席指定が必要です。
数時間に1本 ピサでの乗換なしの直行列車があります。乗り換えがないのは便利ですが、各駅停車なので2時間半かかります。乗り換え便のほうが早く着きます。
チンクエ・テッレの5つの村をすべて観光すると、最低でも5時間くらいかかります。いそがずに観光するにはラ・スペツィアへ11時に到着しておきたいので、フィレンツェ発は7~8時台が良いと思います。
直通便で行きたい場合は、SMN駅06:08発、ラ・スペツィア08:51着の便があります。滞在時間をゆっくり取りたい場合は、この便が良いでしょう。その後の9:53発だとチンクエ・テッレ到着が13時くらいなり、滞在時間が短くなります。
フィレンツェ発チンクエ・テッレのツアー
フィレンツェ発のチンクエ・テッレ日帰り観光ツアーも催行されています。
個人でも十分にチンクエ・テッレまでいけますが、とにかく電車の乗車、乗り換えが多いので、ツアーだと、電車の時刻を気にしないで済むのは楽だと思います。
この記事と、次のチンクエ・テッレの村の観光を詳しく紹介した記事を読んでいただくと、かなりハードな行程になることをご理解いただけると思います。
この行程を自分で周るのは大変と思われた方は、ツアーへ参加されるのも良いと思います。
なお、費用は個人で行けば70~80€くらいに収まりますが、ツアーだと100€を超えます。ツアーの口コミなどもしっかり確認されて選んでください。
以下は、日本語アシスタントが選択できるツアーです。コルネリアを除く4つ村を観光でき、4~10月は遊覧船にも乗車できます。
以下のツアーは、チンクエ・テッレの4つの村、または3つの村と世界遺産に登録されるポルトヴェーネレの観光が付いたツアーです。基本は英語ガイドです。木曜のみ日本語サポート付きを選択できるようです。
ピサからチンクエ・テッレへのアクセス
フィレンツェ起点の場合、途中、ピサの斜塔を観光してからチンクエ・テッレへ行くことも可能です。私は、両方観光しました。
ただし、日帰りだとスケジュールがタイトになるので、ピサもしくはチンクエ・テッレでの1泊をお勧めします。私はヴェネツィアから移動したのでピサに宿泊しましたが、チンクエ・テッレに1泊するのも良いと思います。チンクエ・テッレのホテルについて記事の後半で解説しています。
日帰りでも、チンクエ・テッレで5つの村をすべてを観光せずに3つくらいに絞れば、ゆったり周れるようになります。
ピサの斜塔の観光について、下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
フィレンツェからチンクエ・テッレへの移動レポート
フィレンツェからチンクエ・テッレに移動した時の様子を詳しくレポートします。なお、途中ピサで一泊し、ピサの斜塔を観光しました。ピサについては上記記事で解説しているので省略します。
①フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅で切符を購入
チンクエ・テッレ方面へ行く電車は、フィレンツェの主要駅フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(Firenze SMN)から発車します。フィレンツェ中心部ドォーモから徒歩10分くらいです。
ラ・スペツィア中央駅から先、チンクエ・テッレの区間は、鉄道が乗り放題になるチンクエ・テッレ・トレイン・カードを利用できます。カードはラ・スペツィア中央駅で購入できます。
ですので、フィレンツェでは、ラ・スペツィア中央駅までの切符を購入すると良いです。切符は駅構内にあるイタリア国鉄トレニタリア(Trenitalia)の自動券売機か、窓口で購入できます。
フィレンツェSMN駅⇔ピサ中央駅⇔ラ・スペツィア中央駅の全区間を普通列車Regionale(REG)または快速列車Regionale Veloce(RV)で移動する場合は、座席指定や早割がないので、駅で切符を購入すれば良いです。
ピサ中央駅⇔ラ・スペツィア中央駅で、特急Intercity、高速特急Frecciabiancaに乗車する場合は、座席指定が必要です。駅の窓口で切符を購入しても良いですが、イタリア国鉄トリニタリア(Trenitalia)のサイトで事前予約しても良いと思います。トレニタリアの切符の事前予約の方法は以下の記事を参考にしてください。
フィレンツェSMN駅中央部には、窓口と大きめの待合所があります。切符の購入は窓口が便利ですが、以下のように行列ができていることが多いです。窓口で購入する場合は、時間に余裕をもって駅に行くほうがよいです。
自動券売機もこの近辺にたくさん設置されています。自動券売機の使い方は下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
私鉄イタロ(Italo)の券売機や窓口では購入できないので気をつけてください。
②ピサ中央駅行き列車へ乗車
フィレンツェからローマやヴェネツィア行きの列車は、中央にあるプラットフォームから出発しますが、ピサ行きは左端(西側)にある1番、2番線から発車することが多いので、電光掲示板で確認してください。この例でもPISA C.LE(ピサ中央駅)やLIVORNO C.LE(リボルノ中央駅)行きが1、2番線になっています。
1番、2番線は他のプラットフォームと別の入り口になっています。駅の左端へ行くと、専用の改札があります。この先にゲートがあるので切符を見せます。私は、Omioで電子チケットを買っていたのでスマホの画面で見せました。
ピサ方面の列車はPISA C.LE(ピサ中央駅)、LIVORNO C.LE(リボルノ中央駅)などが行き先になります。直通の場合は、LA SPEZIA C.LE(ラ・スペツィア中央駅)行きになります。
ピサ行きの列車の車内です。夕方に移動したので、乗客が多かったです。
ピサ中央駅までは停車駅の少ないRV(Regionale Veloce)だと50~60分、各駅停車のREG(Regionale)だと1時間20分です。ディスプレイに次の停車駅が表示される列車が多いので、確認してください。
③ピサ中央駅でラ・スペツィア中央駅行きに乗り換え
プラットフォームにも電光掲示板があるので、乗り換える電車が出発するプラットフォームの番号を確認します。ラ・スペツィア中央駅(La Spezia C.le)行きは、5番ホーム発と表示されています。
各駅停車Regionaleに乗車する場合は、ホームの適当な場所で待っていて良いです。特急Intercity(IC)、高速特急Frecciabianca(FB)は座席が決まっているので、指定号車の乗車位置で待っていてください。特急の乗り方は下記記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
5番ホームで普通列車を待っていたら、なにやらアナウンスがあり、みんな一斉に反対の4番ホーム側へ移動しました。出発ホームが変更になったようです。イタリアの鉄道ではよくあることなので、他の乗客が動いた場合は注意が必要です。ホーム電光掲示板の表示も切り替わるので確認してください。
普通列車の場合、基本的にはラ・スペツィア中央駅が終点になります。所要時間は70~80分です。
途中、地中海沿いのリゾート地のビアレッジョ(Viareggio)などを通過します。ビアレッジョのカーニバルで有名です。
終点のラ・スペツィア中央駅に到着しました。チンクエ・テッレへ向かう観光客が大量に電車から降りました。
ラ・スペツィア中央駅に到着したら、窓口でチンクエ・テッレ・トレイン・カードを購入します。チンクエ・テッレ・トレイン・カードの購入など、ラ・スペツィア中央駅到着後の詳しい流れや、チンクエ・テッレの5つの村の見どころは、以下の記事で詳しく解説しています。
(2)ミラノ(ジェノバ)からチンクエ・テッレへのアクセス
ミラノからもチンクエ・テッレを日帰り観光することができます。
特急Intercity(IC)の直行便だと3時間で、一番ミラノ寄りの村モンテロッソ(Monterosso)に着きます。
ただし、便を選ばないと4、5時間かかるので注意してください。
ミラノ中央駅⇒モンテロッソの直行便の時刻表は以下の通りです(日程によって異なるのでGoogle Map等で訪問日を調べてください)。
日帰りの場合は、ミラノ中央駅6:10発か8:10発が候補です。
モンテロッソ⇒ミラノ中央駅の帰りの便は、以下の通りです。モンテロッソ16:58発か19:00発が候補です。
往路:ミラノ中央駅8:10発⇒モンテロッソ駅11:05着、復路:モンテロッソ駅16:58発⇒ミラノ中央駅19:57着、を利用した場合、現地滞在は6時間です。
駆け足にはなりますが、5つの村すべてを観光できると思います。
ジェノバが起点だと、ジェノバ プリンシペ広場駅から特急Intercity(IC)に乗車し、1時間20分前後でモンテロッソ駅かラ・スペツィア中央駅に着きます。ミラノ発より便も多いので、楽に日帰りできます。
モンテロッソ駅またはラ・スペツィア中央駅到着後の詳しい流れは、以下の記事を参考にしてください。この記事では、ラ・スペツィア中央駅を起点に5つの村を周る説明になっていますが、モンテロッソ駅を起点に逆ルートで観光することも可能です。
ミラノ発チンクエ・テッレのツアー
ミラノ発のチンクエ・テッレの日帰りツアーも催行されています。ただし、観光シーズンの4月~10月のみの催行です。
以下のツアーは上で紹介した8:10発の特急を使うプランのようです。日本語アシスタントが同行するので人気がありますが、225€と料金は高めです。マナローナ、ヴェルナッツァ、モンテロッソ・アル・マーレの3つの村を散策できます。
以下のツアーは、英語ガイドなので129€と安めです。ただし、マナローラとモンテロッソ以外は遊覧船からの見学なのが、ちょっと残念です。遊覧船からポルトヴェーネレを見られるのは嬉しいところです。
チンクエ・テッレのホテル
以上で説明したとおり、フィレンツェ、ミラノからチンクエ・テッレを日帰りでも観光できます。
ただし、朝早く出発し、夜遅くに戻ってくることになります。5つの村をまわるとかなり慌ただしくなります。
ですので、チンクエ・テッレで一泊して翌日の朝戻るという計画も良いと思います。ミラノやフィレンツェなどの大都市を離れ、美しい海岸の景色が見られる小さな村で一泊するのも楽しいはずです。
また、美しい夜景(夕景)を見られるのも1泊するメリットです。ヴェルナッツァではこのような景色を見られます。
5つの村でどこに宿泊するのがお勧めか、3つのポイントで解説します。
ポイント1 ホテル数:5つの町にも大小があり、小さなコルニリアやマナローラはホテルも少なめです。ホテル数の多いリオマッジョーレ、ヴェルナッツァのほうが良い条件のホテルを選べます。
ポイント2 景観:せっかくチンクエ・テッレに宿泊するのですが、景観の良い村に泊まることをお勧めします。上で述べたように美しい夜景を見られるのも宿泊のメリットですので、ヴェルナッツァやマナローラなど、チンクエ・テッレの雰囲気を味わえる村がお勧めです。
ポイント3 コスパ:村によって宿泊料の相場が異なります。安めのホテルが一番多いのは、数も多いリオマッジョーレです。マナローナは数が少ないこともあり高めのホテルが多いです。
以上、3つのポイントを整理すると以下の表になります。
エリア | 件数 | 景観 | コスパ | |
---|---|---|---|---|
★★ | ★ | ★ | △ | |
★★★ | ★★★ | ★★ | ◎ | |
★ | ★ | ★★ | △ | |
★ | ★★★ | ★ | ○ | |
★★★ | ★★ | ★★★ | ◎ |
お勧めは、景観の重視ならヴェルナッツァ、コスパ重視ならリオマッジョーレです。移動の利便性を考えると特急が停車するモンテロッソも良いのですが、チンクエ・テッレぽさが一番少ない都市なのがデメリットです。
ヴェルナッツァ、リオマッジョーレ、2つの村のお勧めホテルをご紹介します。
ヴェルナッツァのお勧めホテル
ヴェルナッツァはコンパクトで、チンクエ・テッレの絶景を十分に楽しめる人気の村です。スーパー(COOP)もあるので滞在中も便利です。
ただし、大きなホテルはなく、アパートメントタイプのホテルがほとんどです。
アパートメントタイプのホテルは、民泊に似ていて鍵の受け渡しなどの手間がかかります。そのため、オーナーさんとのやり取りがスムースに行きそうか、が選ぶポイントです。
口コミを確認すると、gardeniaはオーナーの評価もよく、スムースに行きそうです。立地もヴェルナッツァ駅のすぐそばで最高です。
アパートメントホテルについては以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
リオマッジョーレのお勧めホテル
一番、フィレンツェに近い村がリオマッジョーレです。リオマッジョーレのホテルは件数が多いですが、ほとんどがアパートメントタイプです。
レビューなどを調べた結果、Sofia Holidayが良さそうでした。シービューの部屋はオシャレで眺めもよくて評価が高いです。コスパが良いリオマッジョーレとしては高めの宿泊料なのは難点です。
マウンテンビューのタイプは宿泊料が安めですが、海は見えなそうなのでご注意ください。
以上、人気の世界遺産チンクエ・テッレにフィレンツェやミラノから行く方法を詳しくご紹介しました。チンクエ・テッレの見どころや現地での移動方法などは、以下の記事を参考にしてください。
-
観光スポット
まとめて紹介 - ドゥオーモ
チケット予約 -
ドゥオーモ
大聖堂・洗礼堂 -
クーポラ
ジョットの鐘楼 -
ドゥオーモ
付属美術館 -
ウフィツィ美術館
予約ガイド -
ウフィツィ美術館
必見作品 -
アカデミア
美術館 -
ヴェッキオ宮殿
アルノルフォの塔 -
ピッティ宮殿
パラティーナ美術館
ボーボリ庭園 -
ミケランジェロ
広場への行き方 -
フィレンツェ
・カード -
ピサの斜塔
予約ガイド - ピサの行き方
-
チンクエテッレ
見どころ -
チンクエテッレ
行き方
-
フィレン Transferツェ 移動 - イタリア鉄道 解説
-
ローマへ
鉄道で移動 -
ヴェネツァへ
鉄道で移動
-
観光 Spotsスポット -
定番スポット
ベスト10 -
「最後の晩餐」
チケット攻略法 - ドゥオーモ
- スフォルツァ城
- ブレラ絵画館
-
チンクエテッレ
見どころ -
チンクエテッレ
行き方
-
お役立ち Utility情報 -
地下鉄/
トラム/バス -
マルペンサ空港
アクセス -
ホテルの
選び方 - ミラノカード
- プリペイドSIM
-
ツーリスト ミュー
ジアムカード -
ミラノ中央駅
コインロッカー -
マルペンサ空港
おみやげ -
マルペンサ空港
お勧めカフェ
-
ミラノから Transfer移動 - ローマへ
- ベネチアへ
-
ジェノバ、
ニース、パリへ - スイスへ