海外「アパートメント・ホテル」の予約ガイド – コスパ最高のホテル探し

ホテル 旅行ノウハウ

便利で・キレイて・広いホテルに、安く宿泊したときの切り札がアパートメントホテル(アパートホテル)です。

海外は日本より物価が高い国も多く、特にヨーロッパでは、びっくりするくらいホテルの宿泊費が高額です。パリ、ロンドン、ローマ、ミラノなど歴史がある都市は大きなホテルを中心部に新しく作れないので、その結果、宿泊費も高くなります。

そのような場合の救世主がアパートメントホテルです。いわゆる民泊と言われているものと近く、マンションの一室を宿泊用に貸し出しています。Booking.comなどの普通のホテル予約サイトでも簡単に予約することができます。

日本で民泊が多くなりすぎてニュースになったように、アパートメントホテルもオーナー間の競争が激しく、オシャレで立地の良いホテルでも、かなり格安に予約することができます。

上の写真は、ポーランドのワルシャワで私が泊まったアパートメント・ホテルです。デザイナーズマンションのような広くてきれいな部屋に6千円弱で泊まれました。

一方、アパートメントホテルは鍵の受け渡しなどが必要なので、オーナーさんと事前にきちっとやり取りしておかないと、部屋に入れなかった、というトラブルもおきえます。

本記事では、アパートメント・ホテル宿泊で失敗しないためのポイントなどを詳しく解説します。また、私が宿泊したアパートメント・ホテルについて宿泊レビューも掲載したので、参考にしてください。

アパートメントホテルとは

アパートメントホテルにもタイプがありますが、ホテルのようなフロントがなく、マンションの1室をそのまま宿泊に貸し出すタイプの宿泊施設です。

マンション1棟が全てアパートメントホテルになっているようなところはフロントがあったり、普通の居住マンションの1室だけを提供しているものなどさまざまです。

パリ、ロンドン、ローマ、バルセロナなどヨーロッパの主要観光地は、歴史ある都市なので、街の景観を守るためにも新しいホテルを建設することが難しくなっています。

そのため、ホテルの宿泊料が高額な都市がほとんどです。そこで増えているのが、古いビルの一室をリノベーションしてホテルにしたアパートメント・ホテルです。

例えば、イタリアのミラノでホテルの数とアパートメント・ホテルの数を比較すると、以下のようにアパートメント・ホテルの件数がホテルの3倍です(1ホテルあたりの部屋数が違いますが)。

ホテル予約サイトの中で、アパートメントホテルの登録が多いのがBooking.comです。

検索結果に、アパートメントと表示されるのが、アパートメントホテルです。

アパートメントホテルに宿泊するメリット

アパートメントホテルに宿泊する大きなメリットは以下の3つです。

ホテルと比べて宿泊費が安い

アパートに泊まる最大のメリットは宿泊費が安いことです。フロントなどの人件費がかからないことや企業でなく個人が経営していることなどが理由で安くなっています。

立地がよく部屋も広い

アパートメントホテルも競争が激しく、立地が良いホテルが多いです。ホテルと違って送迎もないので都市の中心部にある場合が大半です。

また居住用の部屋を貸し出しているため寝室とリビングが別だったり、部屋はかなり広い場合が多いです。部屋も寝室とリビングで別れていることが多く、ホテルで言えば、スイートくらいのサイズがあります。

キッチンなど設備が充実

長期滞在できるように食器や調理道具はもちろん、格安ホテルにはない電子レンジや電子ケトルがあって便利です。洗濯機がついているところもありました。

アパートメントホテルに宿泊するデメリット

上記のメリットがある反面、デメリットも多いので十分注意してください。

オーナーと英語でやり取りが必要

鍵のやり取りなど、オーナーさんとのやり取りが必ず発生します。やり取りは基本的に英語になります。

英語を話す必要はありませんが、翻訳アプリを活用して英語でメールのやり取りができないと、トラブルの元になります。

荷物預かりなどホテルのようなサービスがない

フロントがないところが多く、観光の相談や困ったときに相談する窓口がありません。

特に考慮する必要があるのが、荷物をどうするかです。ホテルであれば、チェックイン前・チェックイン後に荷物を預けられるのが普通です。多くのアパートメントホテルでは、預かってもらう相手がいません。駅のコインロッカーなど別のところで保管する必要があります。

管理人が常駐しているタイプのアパートメントホテルでは預かってもらえる場合もあるので、事前に予約サイトでよく調べておきましょう。

場所がわかりにくい

アパートメントホテルでは、ホテルのような看板が出ておらず、場所がわからないことが多いです。

マンションの入口に表示がないだけならまだしも、部屋のドアにも書いていないので「本当にここでいいのか?」と迷うことも度々です。

ちょっとした、ロールプレイングゲーム気分が味わえます。これも事前にオーナーさんに確認しておけば、場所に関する情報を詳しく教えてくれます。

Google Mapで検索すればなんとかなるだろう、という考えは禁物です。

アパートメントホテルは民泊とは違うの?

最近は日本でも民泊という言葉を良く聞きます。

アパートメントホテルと民泊に正式な定義はないので、同じとも違うとも言えます。

実際、同じ物件を民泊サイトの最大手AirbnbとBooking.com、両方に登録しているオーナーも多いようです。

傾向としては、Booking.comに登録されるアパートメント・ホテルのほうが、民泊よりホテル予約に近いイメージです。

Airbnbでの予約はオーナーとのやり取りになります。場合によっては予約を拒否されることもあります。

Booking.comでのアパートメントの予約は、他のホテルと同じです。空きがあれば、基本的に予約が成立します。

アパートメントホテルを利用する場合の注意点

海外のアパートメントホテルに10回以上宿泊し、いろいろな失敗もしました。

その経験から学んだ、アパートメントホテル利用時の注意点を以下にまとめます。

まずはBooking.comなどホテル予約サイトでの評価を確認

アパートメントホテルは個人オーナーも多いので、対応の良し悪しに大きな差があります。

評価の良いホテルのオーナーさんはたいてい親切に対応してくれます。ですので、評価の高いところを選びましょう。私はBooking.comの評価8.0以上を目安にホテルを選んでいます。

また、宿泊者レビューは、できる限りチェックしましょう。特にチェックイン時の手続きがスムースだったかは要チェックです。

鍵の受け渡しなど、宿泊難易度を確認

私が勝手に宿泊難易度と呼んでいますが、アパートメントホテルには、チェックインがホテルくらい楽なところもありますし、こちらからオーナーに詳しく聞かないと情報が出てこないハードなところもあります。

一番難易度低いケースは、ホテルと同じように24時間対応のフロントがあります。または、そばに提携しているホテルなどがあり、そこでチェックインして鍵を受け取ります。

次に難易度が低いのが鍵の受け渡し情報などが予約サイトにしっかり記載されているホテルです。

下記はミラノのグラマー アパートメンツというアパートメント・ホテルのページです。

Booking.comの場合、下記の「事前に確認!」に書かれた情報が重要です。

このホテルの場合、鍵は事前に伝えた時間に現地の部屋でスタッフが渡す、といったことが書かれています。ですので、到着時間さえ、しっかり伝えておけば、スムースに行きそうです。

また、このホテルは、フロントサービスに「荷物預かり」が記載されています。近くにオフィスがあってそこで預かってもらえるようです。

一番難易度が高いのは、上記のような情報が一切ないところです。情報が少ない=ゲストに親切でない、ということなので私は極力避けています。

正確な所在地の確認

ホテルの場所はBooking.comで確認できます。

しかし、同じオーナーが所有するアパートの代表的な部屋の所在地が表示され、実際の部屋がそこから離れているケースがあります。

予約後、管理人さんと連絡を取り正確な場所を教えてもらいましょう。アクセス方法を細かく聞くのも良いと思います。

表示される場所と実際の場所が離れていることもあります。その場合は、キャンセルもやむ終えません。

鍵の受け渡し・チェックイン方法の確認

ホテルのようなフロントがないアパートでは管理人さんから鍵を受け取る必要があります。

事前に到着する手段、時間をメールでやり取りして決めておきましょう。

当日、アパートについてから電話が必要になるケースや、飛行機などの場合、到着遅れの可能性がある場合は、空港についた時点で連絡を要求されるケースもあります。

鍵の開け方の確認

いざ鍵を受け取ってもヨーロッパのドアは開け方が特殊で開けられずに中に入れないケースもあります。

鍵を受け取るだけでなく、開け方も一緒に確認してもらうほうが無難です。

ヨーロッパでよくあるのは、鍵を回した後、最後押し込みながらまわして開けるタイプです。開かなかったら、この方法を試してみてください。

オーナーに現地での連絡手段をしっかり伝えておく

待ち合わせの時間にオーナーが遅れてくることも残念ながらあります。

評価の高いオーナーは、遅れる場合、連絡をくれます。そのため、現地で連絡を受けられる手段をオーナーに伝えておきましょう。

オーナーは、予約時に登録した電話番号に連絡をくれますが、海外で電話を受けられないこともあります。その場合は、事前に電話を受けられないので、このメールまで連絡をしてください、といった事を伝えておくと安心です。

逆にオーナーの電話番号やメールアドレスはしっかりメモしておきましょう。

アパートメントホテルの探し方

アパートホテルの登録が多いのは、Booking.comです。

冒頭で説明したように、ホテルを検索して「アパートメント」と表示されるのがアパートメント・ホテルです。

検索条件の「宿泊施設タイプ」で「アパートメント」をチェックすると絞り込みもできます。逆にアパートメントを外したい場合は、「ホテル」のみをチェックしてください。

以下のリンクからアパートメント・ホテルの検索ページにアクセスできます。
アパートメントホテルを検索(Booking.com)

このような画面が表示されます。

アパートメント・ホテルの宿泊レビュー

以下では、私が実際にアパートメント・ホテルに宿泊したときの様子をレビューします。特にチェックインのスムースさは詳しくご紹介します。

宿泊して成功だったホテルもありますし、失敗だったホテルもあります。成功、失敗は、ほぼチェックインのスムースさで決まっています。下記レビューではスムースさを○✕で評価しています。

部屋自体や立地はどれも素晴らしいところが多かったです。不衛生だった、ということもありません。

(1)ミラノ Casa Rebecca in Duomo:○

ミラノ中心部は観光に便利なスポットですが、ホテルの数が限られるので宿泊料金も高くなります。

冒頭で説明したようにアパートメントホテルが、通常ホテルの3倍あるので、アパートメントホテルを加えると選択肢が広がります。

私が宿泊したのは、カーサ レベッカ イン ドゥオーモ(Casa Rebecca in Duomo)というホテルです。

ミラノ観光ハイライトのドゥオーモ、スフォルツァ城がどちらも徒歩8分の好立地です。また、マルペンサエクスプレスの発着駅の一つノルド・カルドナ駅からも徒歩圏内です。通常ホテルだと1泊3万円を超える条件ですが、1万8千円で宿泊できました。

鍵の受け渡しは現地でした。部屋があるはずのマンションの入口には、鉄の柵がありました。待ち合わせ場所を細かく決めていなかったので、とりあえず中に入って待ちました。

マンションに入ると、守衛室がありました。約束の時間になってもオーナーさんが見当たらなかったので、守衛さんに「カーサ レベッカ イン ドゥオーモ」の宿泊者であることを伝えて、連絡をとってもらいました。オーナーさんが15分遅れるとのことだったので、ここで待ちました。遅れる件を電話しようとされたのですが、予約時の連絡先が日本の電話番号だったので、現地で受けられませんでした。

無事オーナーさんと合流でき、部屋まで案内してもらいました。マンションの棟が複数あり、部屋はC棟でした。

部屋はかなり広く、キッチンとリビングとベッドルームがつながっていました。室内は、オーナーさんのセンスでオシャレに飾られていました。

バスルームも新しくて快適でした。

(2)ワルシャワ Giełdowa erApartments(クローズ):◎

ワルシャワも普通のホテルの数が少なく、アパートメントホテルの数の1/6しかありません。

ワルシャワでは中心部にあるGiełdowa erApartmentsというアパートメント・ホテルに宿泊しました。6,000円と言う格安の宿泊費で、「イケアのショールーム?」というような広くてオシャレな部屋に滞在できました。

鍵の受け渡しは、事前に連絡した時間に、建物の前で担当者の人が待っていていてくれました。建物の前にいるとは思わず、途中、スーパーに寄っていて少し遅れましたが待っていてくれました。

設備も新しく、モノトーンで統一されたオシャレで広い部屋でした。調理器具なども一通り、揃っていたので便利でした。

格安の宿泊費、スムースな鍵の受け渡し、部屋、どれも良かったので文句なしに◎のアパートメントホテルでした。

残念ながらGiełdowa erApartmentsはクローズしてしまいましたが、ワルシャワには他にも素敵なアパートメント・ホテルがたくさんあります。

(3)リスボンCasa Lisboa:○

リスボンはヨーロッパの主要都市では比較的宿泊料は安めです。

リスボンでは、Casa Lisboaに宿泊しました。

1泊7,500円程度です。立地を考えるとリスボンでも安めの方です。今は、3泊以上でないと予約できないようです。

夜遅くの到着でしたが、連絡した時間に部屋でオーナーさんが待っていてくれました。ここもマンションにCasa Lisboaの表示はありません。Booking.comの住所がTravessa das Parreiras 45 -3ºとなっていたので、到着後、3ºと書いてあるインターフォンを押しました。

部屋は1LDKで十分なスペースがありました。パンやヨーグルトなどをオーナーさんが買って冷蔵庫に入れてくれていたので朝食として食べられました。調理器具も一式揃っていたので料理もできます。洗濯機もあったので洗濯できました。

ベッドルームもキレイに清掃してありました。

当時は、エアコンがなく扇風機のみだったのでちょっと寝苦しかったのですが、今はエアコンも付いているようです。エレベーターがありませんでした。

鍵の開け方が難しかったので、オーナーさんと一緒に練習しました。

(4)ヘルシンキ:✕

物価が高いヘルシンキですが、アパートメントホテルであれば1万円くらいから宿泊できます。

私が最初にアパートメント・ホテルに宿泊したのがヘルシンキでした。私の経験値もまだ少なかったので、上で解説した注意点をまったく実行できておらず、大変な経験をしました。評価が✕なので具体的なホテル名は伏せておきます(写真を掲載しているので調べればわかりますが)。

Booking.comに登録されている住所へ向かったところ、以下のビルがあるだけでした。到着時間は連絡しておいたのですが、細かい場所などを聞いておかなかったので、どうして良いか途方にくれました。オーナーさんにその場で電話をして確認しました。その電話で、ビルの1階にあるイタリアンレストランで鍵を受け取れば良い、ということがわかりました。早速、レストランで鍵を受け取りましたが、部屋がどこなのかも、どうやって建物内に入ったらよいか分かりません。鍵を渡してくれたレストランの人に相談しました。オーナーから詳しくは聞いてないがなんとなくわかる、ということだったので、協力してもらい、なんとかビルの中に入れました。

ビルの中にはいったものの部屋番号がわからず、またオーナーさんに電話しました。部屋番号を教えてもらい、部屋の前までたどり着きましたがが、今度は鍵の開け方がわかりません。写真のように鍵が2個付いていましたが、鍵は1つ。両方試してみましたが開く気配がありません。途方にくれて、またオーナーさんに電話して鍵の開け方を聞きましたが、オーナーさんもちゃんと覚えておらず、どうにも開きません。

最終手段でオーナーさんに来てくれるようお願いしたら、なんとイギリスに旅行中でした。結局、オーナーの知人に頼んで来てもらうことになりましたが、1時間かかるので待っていてくれとのこと。ドアの前で1時間待っているのは辛いので、ヘルシンキ市内を軽く観光して戻ることにしました。

1時間して戻ったら、知人が来てくれていて、無事入ることができました。部屋自体は、ヘルシンキにしてはかなり広く、中心部へのアクセスも良かったのですが、とにかく部屋に入るまで苦労しました。

海外にいたとは言え、オーナーさんはできることはしてくれたので、しょうがなかったと思います。ただし、Booking.comでの評価は低いようです。

以上、海外で安く宿泊するための秘密兵器アパートメント・ホテルについて詳しく紹介しました。

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