フィレンツェのシンボルで一番人気の観光スポット「ドゥオーモ」(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)について、クーポラ、ジョットの鐘楼など施設や、最新のチケット予約方法(2020年6月現在)を解説します。
ドゥオーモ(duomo di Firenze)は大聖堂本体、洗礼堂、鐘楼など見学スポットがたくさんあります。したがって、「ドゥオーモは、どこを見学できるのか」を、まず理解する必要があります。
以前は、人気のクーポラだけが事前予約必須でしたが、新型コロナによる閉鎖以後、入場無料の大聖堂内部含め、すべての施設で事前予約が必須になりました(2020年6月現在)。
ドゥオーモの予約システムが変更されましたので、最新の予約手順もご紹介します。
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ドゥオーモ関連施設の紹介
ひとくちにドゥオーモと言っても、見学する施設は本体の大聖堂をはじめ、6ヶ所に分かれています。
入場無料の大聖堂を除いた5施設は、これまでドゥオーモ共有券というチケットを購入するとすべて入場できました。
新型コロナの影響による観光再開後は、施設ごとにオンラインでの事前予約が必須になっています。一時的かもしれませんが、共通券もなくなっています。
最初に、見学できる6つの施設の概要をご紹介します。
(1)大聖堂(内部)
ドゥオーモの正式名称はサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria del Fiore)です。日本語で「花の聖母マリア大聖堂」という意味です。「フィレンツェ歴史地区」の構成要素として世界遺産にも登録されています。
アルノルフォ・ディ・カンビオの設計で1296年に建設が始まりました。アルノルフォ死後、ジョットが跡を継ぎました。ジョットは鐘楼建設に一生懸命になっている間に亡くなってしまい、その後も多くの建築家の手に委ねらました。
クーポラを除いた大聖堂の建物が完成したのは、1418年のことでした。
大聖堂の内部は、非常にシンプルな装飾になっています。金ピカでローマ教皇の権力がにじみでているヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂と比べると、教会独特の静謐さを感じられる空間です。
大聖堂内で一番華やかなのが、ジョットがクーポラの内側に描いた『最後の審判』です。
大聖堂内部は入場無料ですが、時間指定制の事前予約が必須になっています。入場無料で人気があり、予約制になる前は、数時間待ちの行列ができることもありました。
(2)サンタ・レパラータ教会跡
大聖堂は、古いサンタ・レパラータ教会跡地の上に建設されました。そのため、大聖堂内部から地下に降りて、美しいモザイクの床などサンタ・レパラータ教会の遺構を見学できます。
大聖堂は無料で入場できますが、サンタ・レパラータ教会跡の見学にはチケットが必要です。
※2020年6月現在、新型コロナの影響でサンタ・レパラータ教会跡はクローズしています
(3)クーポラ
ドゥオーモのシンボルが半球形の天井「クーポラ」です。工事の難易度が高く、なかなか完成しませんでした。この難題に挑戦のがブルネレスキです。革新的な手法を用い、1434年にようやく完成しました。
クーポラ頭頂部にあるランターン(明り取り窓)のテラスから360度の眺望を楽しむことができます。テラスの高さは92mで、463段の階段を上ります。
上る途中、クーポラ内部のバルコニーを通ります。ジョット『最後の審判』を間近に見ることができます。
テラスからは美しいフィレンツェの町並みを楽しむことができます。唯一の難点は、クーポラ自身を見られないことです。
ドゥオーモの象徴であるクーポラは非常に人気があり、以前からオンラインか現地の専用端末で事前予約しないと上れませんでした。
予約システムの変更後も人気で予約が取りにくいことが予想されます。
(4)ジョットの鐘楼
クーポラと並んで、フィレンツェの展望スポットして人気なのがジョットの鐘楼です。
高さ82mの屋上回廊からフィレンツェの町並みを見渡せます。屋上までの階段は414段です
アルノルフォの跡を継いだジョット・ディ・ボンドーネは、鐘楼の建設に注力しました。しかし、土台部分を完成させたところで亡くなりました。弟子のピサーノが引き継ぎ、最終的にはタレンティが完成させました。
その結果、塔の下1/3をジョットが、真ん中1/3をピサーノが、上1/3をタレンティが建てたことになります。
ジョットの鐘楼の最大のセールスポイントは、クーポラを目の前に望めることです。
ジョットの鐘楼は、予約なしでも上れるのがメリットでしたが、クーポラと同じ事前予約制になりました。
(5)サン・ジョヴァンニ洗礼堂
ドゥオーモの向かいにある八角形の建物がサン・ジョヴァンニ洗礼堂です。ドゥオーモ関連の建築物としては最古のもので11世紀に竣工されました。
ミケランジェロが「天国の門」と呼んで褒め称えた、ギベルティ作の東側の扉が有名です。ただし、現在取り付けられている扉はレプリカで、オリジナルはドゥオーモ付属美術館に展示されています。
洗礼堂は見学が短時間で終わり、以前は入場しやすい施設でした。現在は事前予約が必要です。
(6)ドゥオーモ付属美術館
ドゥオーモ付属美術館は、ドゥオーモの東側にある建物内にあります。彫刻やレリーフなど、ドゥオーモで利用されてきた美術品のオリジナルが展示されています。
必見なのは、上で紹介したサン・ジョヴァンニ洗礼堂の「天国の門」のオリジナルと、ミケランジェロの傑作『バンディーニのピエタ』です。
ドゥオーモのチケット予約
以前は、大聖堂以外の5つの施設には共通チケット「ドゥオーモ共通券」が販売されていました。
クーポラだけが事前予約するシステムでしたが、2020年6月の再オープン時に、施設ごとに事前予約する形式に変わりました。共通チケットも2020年6月現在なくなっています。
したがって、見学したい全施設に対し、個別にチケットの購入と時間指定制の予約が必要です。
ドゥオーモ各施設のチケット料金
各施設のチケット料金
(1)大聖堂:無料※要予約
(2)サンタ・レパラータ教会跡:閉鎖中(2020年6月現在)
(3)クーポラ:大人15€、子供7€
(4)ジョットの鐘楼:大人15€、子供7€
(5)サン・ジョヴァンニ洗礼堂:大人5€、子供3€
(6)ドゥオーモ付属美術館:大人10€、子供5€
※テラス:大人25€、子供10€
閉鎖中のサンタ・レパラータ教会跡を除く4施設の入場料合計は45€です。以前の共通券の価格18€の2.5倍です。
ここまでの値上げは見たことがなく、びっくりです。
さすがに高すぎるので、個人的には、新型コロナの影響が落ち着く(=日本人が観光へ行ける)ころには、割安な共通チケットが登場するのでないかと予想します。
なお、施設案内では紹介しませんでしたが、大聖堂側面30mの高さにあるテラスの見学コースもあります。25€とかなり高額です。
フィレンツェ・カードは利用できるか?
2020年6月時点では、フィレンツェ・カードはドゥオーモ関連施設の入場に利用できないようです。
観光再開後のフィレンツェ・カードの利用ルールに関しては、現在調整中のようです。
ドゥオーモの予約システムでもフィレンツェ・カードを使って予約する手段がありません。
所要時間の目安
各施設の入場時間を事前に予約するため、どの順番で見学するかなどを考えておく必要があります。
その際、各施設の所要時間も考慮しなくてはいけません。参考までに、所要時間の目安を以下に示します。
各施設の見学所要時間の目安
(1)大聖堂:30分
(2)サンタ・レパラータ教会跡:15分※閉鎖中
(3)クーポラ:1時間
(4)ジョットの鐘楼:45分
(5)サン・ジョヴァンニ洗礼堂:15分
(6)ドゥオーモ付属美術館:1時間
上記は自分が実際に見学にかけた時間からの目安です。あくまで参考としてお考えください。
なお、チケットは原則として予約時間5分前から入場が可能になります。終了時刻から5分超過すると予約が無効になりますので注意してください。
ぎちぎちに計画を立てて、慌てて見学するのも勿体ないです。時間があまったらカフェでまったりしたり、ジェラートを食べて一息ついたり、もできるので余裕を持った計画をおすすめします。
営業時間
全施設予約が必須になっているので、以下で説明する予約システムで時間を指定することになります。
再開直後は、営業時間が大きく変更されることが予想されるので、下記の公式サイトの営業時間を確認してください。
ドゥオーモ各施設のチケット予約方法
ドゥオーモ公式サイトでの時間指定制のチケットの予約方法を説明します。
予約対象は、以下の6施設です(2020年6月時点)。大聖堂は入場無料ですが、どの施設も事前予約が必要です。
まず、公式サイトの予約ページにアクセスします。
アクセスすると以下の画面が表示されます。TICKETS FROM ・・・(支払い)をタッチします。
(2)予約する訪問施設の選択
続いて、施設の一覧が表示されるので、予約する施設のBuyボタンをタッチします。
予約対象施設は上の説明を参考にしてください。
(3)入場日時を選択
最初に入場日を選択します。
入場日を選択するとチケット枚数の入力欄が表示されます。チケット枚数をAdult(大人:15歳-)、Reduced Price 7-14 years old(子供:7-14歳)、Child 0-6 years old(6歳以下)に分けて入力します。子供は入場無料ですが、予約が必要です。
続いて、入場する時間帯を選択します。右側の数字でが、残り予約可能数です。0の場合は、満員で予約できません。時間帯を選択したら、Add to Card(カートに追加)をタッチします。
他の施設を続けて予約する場合は、Continue Shopping!(予約を続ける)をタッチします。支払いに進む場合は、Go to Cart(カートに進む)をタッチします。10分以上放置してしまうと、予約が無効になるので注意してください。
続いて、カートの内容が表示されるので、予約に誤りがなければGo to checkout(支払いに進む)をタッチします。
(4)ユーザー登録
チケット予約にはユーザー登録が必要です。新規登録する場合は、Create accountをタッチします。
以下の通り、E-mail(電子メール)、Password(パスワード)、Retype Password(パスワード:再入力)を入力し、Create account(新規登録)をタッチします。電子チケットは、このメールアドレスに送られるので、間違えがないか十分確認してください。
次の画面で、First Name(名前:ローマ字)、Last name(名字:ローマ字)を入力し、Save(保存)をタッチします。
(5)予約内容の確認
ユーザー登録が終わると購入手続きに戻ります。予約内容に誤りがなければSave and Continue(保存して続ける)をタッチします。
再度、最終の確認画面が表示されます。画面の下の方のPay Nowをタッチすると支払いに進みます。
(6)クレジットカード情報の入力
次に、支払いに使うクレジットカードの情報を入力します。まず、支払い方法選択の画面でUSE PAYMENT CARD(クレジットカードを使う)ボタンを押します。
続いて、以下の通り、Card Number(カード番号)、Card Expiry date(有効期限:月/年の順)、CVV(裏面3桁数字)、Name、Surname(カード記載の名 姓)、Email(電子メール)を入力します。入力したら、CONTINUEボタン(続ける)ボタンをタッチします。
(7)購入完了
支払いが完了すると、購入完了画面が表示されます。登録した電子メールアドレス宛に電子チケットが送付されるので確認してください。
電子チケットはマイページからもダウンロードできます。
ドゥオーモ各施設の見学の流れ・見どころ
各施設の見学の流れや見どころを「大聖堂&洗礼堂(&地下教会跡)」、「クーポラ&ジョットの鐘楼」、「付属美術館」の3記事に分けて詳しくご紹介しています。下記のボタンで参照してください。
参考)ドゥオーモの公式サイト
以上、フィレンツェで一番の人気観光スポット「ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)」の見学できる施設の紹介、チケットの予約方法を詳しくご紹介しました。