イタリア北部の人気都市ミラノ-ベネチア(ヴェネツィア)間を鉄道で移動する場合、所要時間は2時間10分~、運賃は最安で約1,600円~と信じられない安さです。ミラノ(Milano/Milan)には、ミラノ大聖堂(ドォーモ)やレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「最後の晩餐」、スフォルツェスコ城などの見どころがあり、ベネチア(Venezia/Venice)には、サン・マルコ寺院、サンマルコ広場、ドゥカーレ宮殿、また大運河のゴンドラ観光などの見どころがあります。どちらも必ず訪れたいこの2都市は、高速鉄道で2時間強なので、簡単に行き来できます。ミラノ-ヴェネツァ間は、旧国鉄トレニタリアの高速鉄道フレッチャロッサと私鉄のイタロが走っています。どちらで行くのがお得かなども解説します。
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ミラノ-ヴェネツィア間 列車移動の所要時間・運賃
前述のようにミラノ-ベネチアの所要時間は約2時間10分前後です。トレニタリアのフレッチャロッサもイタロもほぼ同じ所要時間です。
運賃ですが、1ヶ月先のフレッチャロッサとイタロの早割運賃の検索結果が以下の画面です。イタロはこの区間の割引率が非常に高く最安で€12(約1,600円)です。フレッチャロッサは最安で€23(約3,000円)です。2等席の通常料金は、イタロが€37.9、フレッチャロッサが€45です(便によって値段が変わります)。
運賃の比較は、イタロとトレニタリアの公式サイト、それぞれを調べる必要がありますが、GOEUROというサイトを使うと上記のように、両方を一度に検索することができます。下記のリンクをクリックすると、GOEUROでミラノ-ベネチア間の便を検索できます。
料金は、イタロのほうが安いですが、運行本数はトレニタリアのほうが多いため、利便性は高いです。なお、ミラノ-ベネチア間は、バスや飛行機でも移動は可能ですが、所要時間と料金を考えると電車がベストな移動手段といえます。
ミラノ-ベネチア間のチケットの事前購入
上記で説明したように、ミラノ-ベネチア間のチケットは早割購入でかなり安くなります。私は乗車1ヶ月ほど前にオンラインでイタロのチケットを事前購入しました。€12とは行きませんでしたが、軽食とドリンクの無料サービスがつくPrima(1等席)が€18.9と格安で予約できました。
トレニタリア、イタロ、それぞれのオンライン予約の方法について、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
なお、イタロ、トレニタリアとも公式サイトでチケットを購入する場合、手続きが英語になります。英語で切符を購入するのは不安という方は、日本語で購入できるレイルヨーロッパのサイトもあります。運賃自体は公式サイトで購入するのと大きく変わりませんが、手数料がかかるのと為替レートが高く、割高になるのが難点です。
レイルヨーロッパでは料金が割引になるキャンペーンを時々実施してクーポンコードを発行しています。購入金額に合わせて最大1万円の割引になるクーポンが配布されることもあります。クーポンの最新情報を以下の記事で詳細に解説しています。
レイルヨーロッパでのチケットの購入方法は下記の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
ミラノ-ベネチア間の電車移動レポート
実際に、イタロの高速鉄道でミラノ中央駅(Milano Centrale)からヴェネツィア・サンタルチア駅(Venezia S.Lucia)まで移動しましたので、その時の様子を詳しくレポートします。イタロで移動しましたが、フレッチャロッサで移動する場合もほぼ同じです。別の区間になりますが、下記の記事ではフレッチャロッサでフィレンツェからローマを移動した様子をレポートしていますので、参考にしてください。
また、下記の記事はヴェネツィア・サンタルチアからイタロに乗車したレポートになります。逆区間のベネチア発ミラノ着の便に乗車する場合は参考にしてください。
ミラノ中央駅
ミラノの主要駅ミラノ中央駅(Milano Centrale)から乗車します。ミラノ中央駅は、ドォーモやスフォルツェスコ城など中心部から少し離れているので、地下鉄などで移動します。
ご参考:ミラノ観光のお役立ち記事
ミラノ中央駅の構内には、至るところに出発時刻・プラットフォームの表示があるので、列車が出発するプラットフォームを確認しましょう。ただし、プラットフォームは出発ギリギリまで表示されない電車も多いです。特に、始発でない電車は発車まで10分をきってから表示されるケースもあります。
ミラノ中央駅のプラットフォームは2階になるので階段かエスカレーターで上がります。階段脇にも時刻表が表示されています。トレニタリアの窓口は、1階にあります。
ミラノ中央駅はヨーロッパ有数の美しい駅として知られています。プラットフォーム階(2階)には、トレニタリアとイタロと自動券売機がたくさん並んでいます。事前に切符をオンラインで予約していたので使いませんでしたが、当日購入する場合は、1Fの窓口かホーム階の自動券売機で切符を購入します。自動券売機の使い方を下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

ホーム階には、イタロのラウンジもあります。Club Executiveの座席を予約している場合は、ラウンジを利用できます。
プラットフォームに行くには、ゲートで切符を見せる必要があります。ゲートは何箇所かありますが、どこからでも入れます。優先入場(FAST TRACK)する場合は、トレニタリアとイタロで別のゲートになります(下の写真の右側がトレニタリアのFAST TRACK、左側がイタロのFAST TRACK)。それ以外はイタロとトレニタリアの区別はありません。ゲートを通るには、切符や印刷した電子チケット、アプリで予約した場合はスマホの画面を見せます。そんなに混雑はしていませんでした。
プラットフォームの中に入ると、トレニタリア、イタロ、それぞれのインフォメーションデスクがありました。なにかわからない事がある場合は、ここで確認すると良いと思います。
イタロへ乗車
プラットフォーム内にも大きな電光掲示板があるので、乗る便が到着するプラットフォームを確認できます。なかなかベネチア・サンタルチア駅(VENEZIA S.L.)行きのイタロの番号が表示されずヤキモキしましたが、ちょうど出発時間の10分前になって9番線と表示され、すぐに電車が到着しました。
2017年から投入された新型車両ETR675が到着しました。F1マシンを彷彿させる流線型でフェラーリ特急の愛称がぴったりです。
乗車する車両まで進みます。イタロは、号車番号が下の写真のように大きく書かれているのでわかりやすいです。
Primaクラスの車両の内部です。イタロは内部のデザインも高級感があります。
シート番号が表示されているので、チケットのSeat(シート番号)に記載された座席に座りましょう。
赤いシートが最上位クラスのClub Executiveです。
イタロの車内
ETR675には、通常の電源(C型プラグ)だけでなく、USBの電源もついていました。スマートフォンを充電するのに便利です。
イタロ車内では、無料でWifiに接続し、インターネットを利用することができます。Wifiにつなぐだけでなく、ユーザー登録をしなくてはいけないので、少し手続きが複雑です。以下のリンクをクリックすると、イタロでWifiを接続する細かい手順の解説にジャンプします。
列車は時刻通りに出発しました。出発して少しすると、Primaクラスでは飲み物と軽食のサービスが回ってきます。
ドリンクはコーヒー、ティー、ジュース、水などから選べます。軽食は、ビスケット、ナッツ、クラッカーから選べました。下の写真は、西洋ナシのチョコレートビスケットです。軽食の付かないConfortクラスとの料金差は数€でしたので、Primaクラスはお得だと思います。
車内には、LAVAZZAのコーヒーやスナックや水を買える自販機があります。
新型車両のETR675では、車内にディスプレイがついており、次の到着駅が表示されます。
ミラノ-ヴェネツィア間の車窓には、のどかな田園風景が広がります。
最後の見どころ、ヴェネツィア島と本土をむすぶリベルタ橋を渡ります。リベルタ橋は3850mあります(正確にはリベルタ橋は鉄道橋の隣を走る道路です)。海の上を走っている気分になれます。
ヴェネツィア島が近くに見えてくると、列車もゆっくりした速度になります。
ヴェネツィア・サンタルチア駅
終着駅のヴェネツィア・サンタルチア駅(Venezia S.Lucia)に到着しました。所要時間は定刻の2時間12分でした。
ヴェネツィア・サンタルチア駅はヴェネツィア島の北西の端にあります。南東にあるサンマルコ広場、サンマルコ寺院とは対角にありますが、距離は2kmも離れていません。
駅の構内にはヴァポレットの切符などが売っている公共交通のチケットの販売所もあります。ここでもチケットを購入できます。
ヴェネツィア・サンタルチア駅の眼の前には運河が広がっています。島の内部は、車の乗り入れが禁止されていて、バスなどが走っていないので、運河を走るヴァポレットという水上バスを利用します。サンタルチア駅にもヴァポレットの乗り場があり、混雑しています。島内は狭いのでどこへでも30分もかからないで歩くこともできます。
ご参考:ヴェネツィア観光のお役立ち記事
以上、イタリアの人気観光都市ミラノ-ベネチア間を電車で移動する方法について詳しく解説しました。