イギリス鉄道(National Rail)のチケット予約を詳しく解説【最新版】

イギリス ロンドン

イギリス鉄道チケット安く予約する方法National Rail公式サイトの使い方公式サイトとtrainlineの比較など、イギリス鉄道のチケット予約に役立つ情報を詳しく解説します。

イギリス鉄道(National Rail)は、イギリス国鉄の民営化後、20以上の会社に分かて運行しているれたため、他の国と比べて鉄道のシステムがわかりにくくなっています。

そこで本記事では、イギリス鉄道の基礎知識、National Rail公式サイトの使い方や、公式サイトより使いやすいと評判のtrainlineでの予約方法などをわかりやすくご紹介します。

また、イギリス鉄道の早割Advanceを活用して安く予約する方法や、周遊パス「ブリットレイル・パス」を使うと安くなるか、なども解説しています。

イギリス鉄道の基礎知識

ポイント1:運行会社が複数に分かれている

イギリスの鉄道は、1994年にイギリス国鉄が民営化され、20以上の運行会社に分割されました。

ロンドン近郊を運行している会社だけでも、Great Western Railway(GWR)、South Western Railway、London Overground、London Northwestern Railway、Chiltern Railwaysなど10社近くあります。

Google Mapで経路検索したときに表示されるGWR(Great Western Railway)などが運行会社名です。

運行会社が多くて混乱しますが、チケットの予約などはNational Railという統一ブランドになっています。駅の表示もNational Railのロゴになっています。

チケットの検索は、National Railの共通サイトで簡単に行なえます。ただし、実際のチケット予約は各運行会社のサイトで行う必要があるので、個別にユーザ登録が必要だったりして手間がかかります。

ポイント2:チケットの種類

イギリスの鉄道チケットを購入する場合に、おぼえておきたいのが、AdvanceOff-PeakAnytimeというチケット種別です。

Advance(アドバンス):いわゆる早割です。予約した便のみ乗車できます。運賃は最安になります。

Off-Peak(オフピーク):平日の通勤時間帯(午前6:30-9:30くらい、午後17:00-19:00くらい)以外のオフピークの便に乗車できるチケットです。通常チケットから2~3割安くなります。

Anytime(エニータイム):どの便でも乗車できます。いわゆる正規料金です。

なお、オフピークの時間帯は、運行会社によって変わります。検索してOff-Peak料金が表示される便は、基本的にオフピーク時間の運行です。

ポイント3:安く予約する方法

売り切れる前にAdvanceで予約するのが一番安くなります。ただし、乗車便が固定されるので自由度が減ります。

早く予約すると、どの程度安くなるのか、ロンドン-エジンバラの料金を調査しました。

Off-Peak時間帯の5便に関して当日(朝)、1ヶ月先、2ヶ月先の料金を調査しました。左から当日(朝)、1ヶ月先、2ヶ月先です。

調査結果を見てもわかるように、基本的には早い時期に予約すれば安くなります。

2ヶ月先(=2ヶ月前の予約)だと最安値が£27です。ロンドン-エジンバラ間の正規料金(Anytime料金)は£166なので、83%OFFということです。

Advance料金は、出発日が近づくと徐々に値上がりしていますし、Advanceでの予約枠が完売することもあるので、やはり早めの予約が安くする秘訣のようです。

料金は、Peak/Off-Peakなどの時間帯でも変わりますし、曜日でもかなり変わります(月曜より、火曜日が安い)。

日程に自由度が有る場合は、Off-Peak時間の出発を選んだり、曜日も調整するのが運賃を安くするポイントです。特に、直前でAdvanceが予約出来ない場合は、Off-Peakの時間帯の便にすると正規運賃より2~3割安く乗車できます。

Advanceが売り切れた、予定に柔軟性をもたせたい、などの場合は、記事後半で紹介する周遊パス「ブリットレイルパス」を利用すると、正規料金よりかなり安くなります。

また、イギリス鉄道では、往復(return)チケットを購入すると、かなり割引されます。特に同一日に往復する場合は、片道切符と往復切符で値段がほぼ同じです。往路日と復路日が異なっても割引されるので、同一区間を往復する場合は、極力、往復切符を購入しましょう。

イギリス鉄道のオンライン予約

上で説明したように、早めにオンライン予約するのが運賃を安くするポイントです。

イギリス鉄道には、大きく2つの予約方法があります。

①National Rail公式サイト(英語)

②trainline(英語)

それぞれのメリット、デメリットを簡単にまとめます。

①National Rail公式サイト
余計な手数料がかからないので安い
✕予約手続きや問い合わせが英語
✕各運行会社のサイトでの予約手順が異なる
✕モバイルチケットの使い方が運行会社で異なる
②trainline
○公式サイトと同じ料金で予約できる(手数料除く)
どの運行会社のチケットも手軽に予約できる
約5%の手数料がかかる
✕予約手続きや問い合わせが英語

英語の予約で問題ないという方は、ちょっと手間はかかりますが、余計な手数料がかからないNational Rail公式サイトがおすすめです。

英語はちょっと不安だけど、手数料を抑えたいという方は、比較的予約が簡単な②trainlineがおすすめです。

以下、順に予約方法を解説します。trainlineの説明に下記ボタンでジャンプできます。

②trainlineの説明へ

①National Rail公式サイトでの予約方法

National Rail公式サイトでは、20以上ある各運行会社の列車を統合して検索できます。

ただし、上記で説明したように、検索のあとの予約手続きは各運行会社のサイトへジャンプします。運行会社の数が多くて説明しきれないので、予約方法は簡単に流れを説明します。

まず、下記リンクからNational Rail公式サイトにアクセスします。

National Rail公式サイト(英語)

便の検索(運行会社共通)

便の検索画面が表示されます。Fromに出発駅(例:London)、Toに到着駅(例:Oxford)を入力します。続いて、Whenに出発時刻を選び、その下でチケット枚数を選択します。入力したらGoをタップします。

条件に該当する便が表示されます。この例では、Advance料金が最安チケットとして表示されています。Advance料金なので、画面下にはTickets valid for this service only(この便にしか利用できません)と表示されています。

Off-Peakなど他の料金を確認したい場合は、More fareをタップします。チケットを購入する場合は、Buy nowをタップします。

チケット予約の流れ

Buy nowタップ後は、運行会社のサイトにジャンプします。

この先の流れは、運行会社によって異なります。一例として、Chiltern Railwaysの場合の流れを簡単にご紹介します。

手順の説明が長くなるので、②trainlineでの予約方法を確認したい方は、以下のボタンで説明をスキップしてください。

②trainlineの説明へジャンプ

最初にチケット配送方法を選択します。E-Ticket(eチケット)や、駅券売機での印刷などが選べます。Chiltern Railwaysの場合、E-Ticketはアプリをインストールして読み込む必要があります。

続いてユーザ登録になります。運行会社ごとにユーザ登録する必要があるようです(trainlineはユーザ登録なしで購入可能)。

ユーザ登録をしていない場合、Register(新規登録)をタップします。氏名、メールアドレス、パスワードを入力します。入力したら画面下のRegister nowをタップします。

「登録アドレス宛に送付したメールを確認してください」とのメッセージが表示されます。

メールが届くので、Validate account(アカウントを有効にする)をタップします。

ブラウザが立ち上がり、「アカウント有効化に成功」と表示されます。ここでBuy Ticketsをタップすると、最初からやり直しになるので、ログイン画面が表示されているタブに戻ります。メールアドレスとパスワードを入力してログインします。

ログインすると、購入するチケットの詳細が表示されます。間違いがないか確認します。

続いて、トラブル時の保険を付けるかを選択します。

続いて、カード情報を入力します。

カード請求のための、住所を入力します。

最後に、Pay nowのボタンをタップします。

以上、ご紹介したように公式サイトのチケット予約の手順は煩雑です。複数の運行会社の便を予約する場合は、かなりの手間になります。

②trainlineでの予約方法

trainline(トレインライン)は、National Railと同じように複数の運行会社の路線を検索できます。どの運行会社のチケットも簡単に予約できる便利なサービスです。

約5%の手数料がかかるのが最大の難点ですが、National Rail公式サイトと比べると、手数料もやむを得ないと思うほど、予約は簡単です。

それでは以下で、trainlineでの予約方法を説明します。まずは、下記リンクからtrainlineにアクセスしてください。

trainlineにアクセス

①便の検索

National Railと同じように、fromに出発駅(例:London)、 toに到着駅(例:Oxford)を入力します。ロンドンには複数の主要駅がありますが、Londonと入力すれば大丈夫です。Outに往路の日付・出発時刻を入力します。往復で検索する場合は、Add returnを選択します。チケット枚数を入力したら、Find times and prices(時刻と運賃の検索)をタップします。

条件に該当する便が表示されます。最安の便には、Cheapestと表示されます。Advanceのチケットには、Limited tickets left at this price(この価格の席は限られています)と表示されます。予約するチケットの金額>をタップします。

②便の予約

便の詳細情報が表示されます。以下のようにチケット種類にAdvanceと表示されています。Specified train only(指定列車のみ)と表示されています。

Seat requestedでは希望する座席の位置などを指定できます。ただし、イギリスの列車は座席指定なしの列車も多いので、指定が可能な場合のみ有効になるようです。

座席指定の画面では、座席の位置と向きを指定することができます。

次に、受け取り方法を選択します。基本的には、etickets(eチケット)を選択すれば良いです。eチケットの送り先のメールアドレスを、Your confirmation will be sent to…に入力します。間違えると、電子チケットが届かないので良く確認してください。

最後に支払い方法を選択します。クレジットカードで支払う場合は、Pay by cardをタップします。Paypalでも支払いが可能です。

③クレジットカード決済

支払いに利用するクレジットカードの情報を入力します。私は日本発行のVISAカードを利用しましたが、問題なく決済できました。

最後に、クレジットカード裏面の3桁数字を入力します。Pay now by cardをタップすると購入が完了します。

④eチケット受信

下記の画面がでれば、チケット予約が完了です。National railに比べると、かなり簡単です。

eチケットがメールで送られてきます。PDF形式の電子チケットが添付されています。

PDFを開くと、下記のような電子チケットになっています。これを画面で表示して、自動改札などでQRコードを読み取れば、そのまま乗車できます。

周遊パス「ブリットレイル・パス」

イギリスの鉄道旅行に、周遊パス「ブリットレイル・パス」(BritRail Pass)を利用する方も多いです。

利用期間中は乗り放題になるので、事前に切符を予約することなく、自由に鉄道旅行を楽しむことができます。期間は、2日間から最大22日間まであります。また、期間中の連続した日で利用しなくてはいけないパス(連続使用タイプ)と、1ヶ月中の好きな日に使えるタイプがあります。

例えば、ブリットレイル・パスの2日間パス(2等、連続使用)は、約12,000円です。

ロンドン-エディンバラの正規運賃は£166(約23,600円)なので、片道だけでも、かなり割安になります。

ただし、上で解説したように早めに予約できる場合は、Advance料金を使ってパスより割安にできます。

したがって、予定を完全に決めずに旅行したい場合や、Advanceで予約できない場合に、ブリットレイル・パスはお得になります。

ブリットレイル・パスは、有効エリアによって複数の種類があります。例えば、イングランド、ウェールズ、スコットランドすべてのエリアの列車に乗れるのが、ブリットレイル・パスです。イングランド・エリア限定で良い場合、ブリットレイル・イングランド・パスになります。

パスの詳細は、下記Eurail.comのサイトで確認できます。

ブリットレイル・パスの詳細(Eurail.com)

駅での切符購入・自動券売機の使い方

チケットは駅の窓口や自動券売機でも購入できます。

駅の窓口や自動券売機でチケットを購入する方法や、自動券売機で予約したチケットを発券する方法、イギリス鉄道に乗車する流れは、下記の別記事で詳しく解説しています。オンライン予約したeチケットで乗車する方法も解説しています。

イギリス鉄道の路線図

イギリスの島内を網羅する鉄道ネットワークが構築されています。

<出所>www.projectmapping.co.uk @2019 Andrew Smithers

ロンドン(London)、バーミンガム(Birmingham)、マンチェスター(Manchester)、リバプール(Liverpool)、グラスゴー(Glasgow)、ニューキャッスル(Newcastele)、エジンバラ(Edinburgh)などの主要都市の駅がハブになっています。

Google Mapでルート検索ができるので、路線図でルートを確認する必要はありませんが、大雑把にでも主要駅の場所を把握しておくと便利だと思います。

詳しい路線図は、National Rail公式サイトからダウンロードできます。

イギリス鉄道 路線図・マップ(公式サイト)

参考:鉄道を使って人気観光スポットへ行く方法

本サイトでは、鉄道を使って観光スポットへ行く方法を解説しています(ロンドン起点)。鉄道乗車の具体例としてご紹介します。

ハリー・ポッター スタジオツアー(London・Euston-Wartford Junction)

ロンドン郊外のワーナー・ブラザーズ・スタジオでは、映画「ハリー・ポッター」の撮影につかったセットなどを見学できます。

ワーナー・ブラザーズ・スタジオの最寄り駅は、Wartford Junction(ワトフォードジャンクション駅)です。ロンドン中心部にあるLondon Euston駅からWest Midlands TrainsやLondon North Eastern Railwayで行くことができます。

なお、Wartford Junction駅などロンドン近郊のNational railの駅は、オイスター・カードというロンドンで使える交通系ICカードでも乗車ができます。

詳細はこちらの記事を参照してください。

ウィンザー城(London Paddington-Windsor & Eton Central)

エリザベス2世が週末滞在することでも有名なウィンザー城は、ロンドンから西に30kmほど離れた場所にあります。

最寄り駅は、城の目の前にあるWindsor & Eton Central駅かWindsor & Eton Riverside駅です。

Windsor & Eton Central駅には、London Paddington(ロンドン・パディントン)駅からGreat Western Railway(GWR)で行くことができます。

Windsor & Eton Riverside駅に行く場合は、South Western Railwayを使います。

ロンドン・パスを購入すると、ウィンザー城までの鉄道に、無料で乗車することができます。
※スラウ経由(GWR利用)のみ

こちらの記事では、ロンドン・パスを使ってウィンザー城まで移動した様子をレポートしています。

ストーン・ヘンジ(London Waterloo-Salisbury)

イギリスを代表する世界遺産 ストーンヘンジ(Stonehenge)にもロンドンから鉄道で行くことができます。

ストーン・ヘンジの最寄り駅は、ソールズベリー(Salisbury)駅です。ロンドン市内のWaterloo(ウォータールー)駅からSouth Western Railwayに乗車します。

<出所>© Peter Skuce / public domain.

詳細はこちらの記事を参照してください。

パリ・ブリュッセル(Eurostar)

National Railではありませんが、イギリスには、海底トンネルを通ってロンドンとフランス・パリ、ベルギー・ブリュッセルを結ぶユーロスター(Eurostar)が運行しています。

ユーロスターは、ロンドンのセントパンクラス駅(St.Pancras)に発着します。パリからセントパンクラス駅に到着後、イギリスの鉄道に乗り換えて、スコットランドやウェールズに移動することもできます。

ユーロスターについては、こちらの記事を参照してください。

以上、イギリスの鉄道(National Rail)について、チケットの予約方法を詳しく解説しました。

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