ステンドグラスで有名なパリの「サント・シャペル」教会について、入場チケットの買い方、混雑回避の方法、行き方、見学の流れ、などをわかりやすく解説します。
サント・シャペル(Sainte chapelle)は、パリ中心部のシテ島にある美しいステンドグラスで有名な教会です。ステンドグラスで有名になっていますが、貴重なキリストの聖遺物が過去に収蔵されていた歴史にも重要な教会です。
ノートルダム大聖堂のすぐそばなので、アクセスも簡単です。パリ・ミュージアムパスがあれば無料で入場できるので、スキマ時間に行かれる方も多いと思います。
ただし、意外と言っては失礼ですが、かなり混んでいて入場まで30分待ちは当たり前です。そこで、本記事では、混雑を回避する方法も詳しくご紹介します。
なお、シャペルは「礼拝堂」の意味なので、「サント・シャペル教会」という呼び方は、不適切です。ですが、こう呼ばれることも多いので、ここでは「サント・シャペル教会」と書きます。
目次
新型コロナ営業再開後のサント・シャペル 最新情報(2022年7月更新)
新型コロナの影響でクローズしていたサント・シャペルですが、現在は通常通り営業しています。
入場者数が制限されているため、時間指定制のチケットを事前にオンライン予約することが強く推奨されています。
日本語で予約可能なツアー予約サイトでも時間指定制のチケットが予約可能です。
サント・シャペル教会 観光の攻略法
攻略法1:サント・シャペル教会とは?
美しいステンドグラスによる幻想的な風景が印象的なサント・シャペル教会(Sainte chapelle)は、ルイ9世の命令で1248年に建築されたゴシック様式の教会です。キリストが十字架に掛けられていたときにかぶせられた荊の冠など、キリストの受難に関する聖遺物を収める場所として建築されました。
不幸な火災でダメージを受けてしまったノートルダム大聖堂と同じ、パリの中心部、セーヌ川の中洲に浮かぶシテ島にあります。世界遺産「パリのセーヌ河岸」の一部としてノートルダム大聖堂などとともに登録されています。パレ・ド・ジュスティスと呼ばれる裁判所に囲まれているため、美しい教会の外観写真を撮るのが難しいです。
サント・シャペル教会の代名詞でもあるステンドグラスは、パリ最古のものと言われ、聖書の物語が創世記からキリストの復活までが描かれています。
サント・シャペル教会に関する日本語のパンフレットを公式ホームページからダウンロードできます。このパンフレットもサント・シャペル教会の理解に役立ちます。
上のリンクをアクセスし、ページをスクロールします。下記画面のBOOKLET GUIDEがあるので日本語を選択して、DOWNLOADをクリックしてください。
攻略法2:混みぐあい・行列の回避方法
サント・シャペル教会は、意外と混んでいます。30分前後待たされることはざらで1時間以上待たされることもあります。ノートルダム大聖堂が見学できなくなった影響で、観光客が以前より増えているようです。
混雑するのは、手荷物検査の行列とチケット購入の行列に2回並ぶためです。チケット購入の列は、チケットのオンライン購入やパリ・ミュージアムパスの利用でスキップできるので、待ち時間を短縮できます。
チケットを事前購入していない場合は、サント・シャペル教会のそばにあるコンシェルジュリー(Conciergerie)とのコンビチケットを購入するという方法があります。コンシェルジュリーは、かつての牢獄です。コンシェルジュリーのチケット窓口は空いているので、こちらでコンビチケットを購入します。
ただし最近は、スマホで当日、チケットをオンライン購入できます。送られてくる電子チケット(PDF)を、そのままスマホで見せて入場できるので印刷も不要です。したがって、コンシェルジュリーに興味がなければコンビチケットを買う必要もないと思います。
チケットについては記事中で詳しく紹介しますが、こちらから公式サイトと同じ価格でサント・シャペル教会のチケットをオンライン購入できます。
その他、朝一など午前中の空いている時間に見学するのも混雑回避に有効です。一般的に観光スポットは閉館に近い時間も空きます。しかし、サント・シャペル教会は、私が夕方に見学したときは混んでいて20分待ちでした(チケット購入の行列はミュージアム・パスでスキップ)。サント・シャペル教会はルーブル美術館など大物の見学が終わったあと、余り時間で見学する人が多いのかもしれません。
攻略法3:見学時間の目安
教会の見学はステンドグラスを見るだけなので30分もあれば十分です。ゆっくり見ても45分はかかりません。ただし、入場に30分くらいかかるので、合わせて1時間~1時間半くらいが目安です。パリ中心部のシテ島にあるので移動には時間はかかりません。ルーブ美術館からも歩いて20分くらいの距離です。
サント・シャペル教会の入場料・チケットの選び方
サント・シャペル教会&コンシェルジュリー共通入場券(大人):18.5 EUR
パリ随一と言われる美しいステンドグラスが見られるので11.5EURは妥当な金額だとは思いますが、小さい教会で見学もすぐ終わるため、高いという評判もあります。
すぐそばにあるマリー・アントワネットが投獄された牢獄跡として有名なコンシェルジュリーとの共通券も販売されています。
パリ・ミュージアムパスを持っていれば入場が無料です。実際、パスで入場する人も多いようでした。手荷物検査はスキップできませんが、チケット購入の列に並ばなくてすむので、時間も短縮できます。
パリ・ミュージアムパスの買い方や使い方、対象の美術館・博物館などは、こちらの記事で詳しく解説しています。
前述のようにチケットを現地購入するとチケット窓口に行列に並ぶことになります。ミュージアムパスを利用しない場合も、事前購入をオススメします。
サント・シャペル教会公式ホームページでも購入できますが、英語での手続きになります。
サント・シャペル教会のチケットを安く予約できるサイトを調査しました。
サント シャペル教会 | |||
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サント シャペル教会&コンシェルジュリー共通入場券 | |||
ツアーサイトでも公式サイトと同じ金額で時間指定チケットを予約できます。
チケットは当日でもスマホから購入できるようです。メールで届いたチケット(PDF)をスマホの画面で見せて優先入場(チケット売り場をスキップ)ができます。
下記のボタンから日本語でチケットを購入できます。
日本語でチケットを予約できるので、操作は簡単だと思います。不明点がある場合は、下記記事でGetYourGuideでのチケット予約方法を詳しく説明しているので参考にしてください。
コンシェルジュリー(Conciergerie)とのコンビチケット(COMBINED TICKET FOR CONCIERGERIE AND SAINTE-CHAPELLE)は17 EURです。こちらもツアーサイトで日本語予約できます。
現地購入の場合は、先にコンシェルジュリーへ行くと、待ち時間を減らせます※2021年7月現在、チケットはコンシェルジュリーのみで販売。
他の人気観光スポットの割引チケットも調査していますので参考にしてください。サント・シャペル教会 公式サイトでのチケット予約
サント・シャペル教会の公式サイトでチケットを予約する場合、下記URLになります。
パリ・ミュージアムパスを利用する場合も、公式サイトで事前に時間枠を予約しておきます。
予約の流れを簡単にご紹介します。
アクセスするとフランス語表示になるケースが多いです。画面の一番上でFR(フランス語)からEN(英語)に切り替えます。
チケットの枚数を選択します。一番上のSAINTE-CHAPELLE:ADULTが大人用の通常チケットです。パリ・ミュージアムパスを利用する場合は、I ALREADY HAVE A TICKETを選択します。枚数を選択したら、ADD TO BASKETをタップします。
ショッピングバスケットにチケットが追加されます。購入に進む場合は、VIEW YOUR BASKETをタップします。
大まかな流れの説明は以上です。
サント・シャペル教会の行き方
サント・シャペル教会(①)は、ノートルダム大聖堂(⑤)と同じセーヌ川の中洲シテ島にあります。
サント・シャペル教会は上の地図の①の位置にあります。教会はパレ・ド・ジュスティスというパリの主要司法機関が集まった建物群に囲まれています。そのため、大通りに面した②のあたりに入り口があります。
最寄り駅は、2つあります。どちらからも徒歩数分です。
メトロ4番線
④ Saint-Michel Notre-Dame駅
メトロ4番線、RER B、C線
Saint-Michel駅から行く場合は、途中、サン・ミッシェル橋を渡ってシテ島に渡ります。橋からはノートルダム大聖堂を見ることができます。早く元の姿を取り戻せるよう願っています(写真は火災前のものです)。
なお、ルーブル美術館からも近く徒歩20分です。
サント・シャペル教会の入場の流れ・見どころ
サント・シャペル教会の入場の流れ
大通りに面したサント・シャペル教会の入り口(上のマップの②)のあたりに行くと、長い行列ができています。下の写真ではるか先に見える赤い看板が入り口です。セキュリティチェックのための列ができています。閉館に近い16時すぎに行きましたが、セキュリティチェックが終わるまでに20分ほどかかりました。
セキュリティ・チェックの列は、通常の列(左側)と障害者の方などのための列(右側)に分かれています。この看板にも、しっかり「ミュージアム・パスを持ってても左側に並べ」と書いてありました。右側から行こうとする人が多いのかもしれません。
このあと、セキュリティ・チェックを受けて中に入ります。いかつい武装した人がチェックしていたので、ビビって写真を撮りそこねました。セキュリティチェックが終わり、敷地内に入ったあとは、教会の壁沿いに前方の入り口へ進みます。
教会の入り口です。チケットを現地購入する場合は、ここで購入します。入り口の左側がチケット購入者用の列で、ミュージアムパスや事前購入している人は左側から優先入場できます。写真の下に写っている人の列がチケット購入者の列です。20人くらい並んでいました。朝早めだったのでこれでも列は短い方のようです。帰りは長さが1.5倍くらいになっていました。私はミュージアムパスを利用したので、行列を横目に入場できました。
サント・シャペル教会の見どころ
下層礼拝堂
鮮やかな青い天井が美しいですが、期待していたステンドグラスがなく、内部に入った第一印象は「えっ?なんか写真と違う!」でした。サント・シャペル教会の礼拝堂は、下層と上層に分かれており最初は下層礼拝堂を見学します。大きなステンドグラスは上層礼拝堂にあります。
上層礼拝堂は王や貴族など専用で、それ以外の人は下層礼拝堂で礼拝をしました。身分によって、地味な下層礼拝堂ときらびやかな上層礼拝堂に分かれているのです。
下層礼拝堂の奥には、サント・シャペル教会の建設を命じたルイ9世の像があります。内戦で乱れていたフランスをまとめ上げ、長期に平和を保ったため、聖王と呼ばれました。
下層礼拝堂を見学したら階段で上層礼拝堂にあがります。階段は入口の両脇にあります。教会の奥に向かって左側が登りのための階段です。下の写真は右側にある下り階段です。
上層礼拝堂のステンドグラス
階段を上がるといよいよ美しいステンドグラスで飾られた上層礼拝堂です。
ステンドグラスは、聖書の物語を表しています。それぞれのステンドグラスがどの場面を表しているのか、パンフレットで説明されているので引用します。
2:ペテロ像
3:大聖遺物箱
4:西のバラ窓
天国に来たかのような美しく幻想的な空間ですので、ゆっくり楽しまれると良いと思います。
教会の後方には、カードケースに入った資料がおいてあり、内部の詳しい説明が書かれています。日本語もあります。
16枚のステンドグラスに、それぞれ聖書のどのようなシーンが描かれているかの説明がります。
例えば、下の写真は、左側の一番手前のステンドグラスで、創世記の出来事が描かれています。
下から上に向かって物語が進みますが、一番下の段には、神が天地創造をするシーン、二段目にはアダムとイヴらしき裸の男女が見られます。3段目には世界で初めて殺人を犯したカインとアベルの兄弟でしょうか。
大聖遺物箱
ルイ9世が収集したキリストの受難に関する聖遺物が奉納されていた場所です。中でも荊の冠は国家予算レベルの大金を費やして購入されたものです。聖遺物は後にノートルダム大聖堂に移され、保管されていました。ノートルダム大聖堂の火災では、荊の冠が無事救出されたことがニュースになりました。
聖遺物が収めれていた大聖遺物箱の本物は、フランス革命時に略奪されて溶かされてしまいました。
西のバラ窓
入り口側にある円形のステンドグラス「西のバラ窓」もみごとです。ヨハネの預言書である黙示録を表しています。バラ窓は教会が建てられて約200年後の15世紀に追加されました。
拡大したバラ窓です。複雑な枠組みに、みごとなステンドグラスがはめ込まれています。
見学が終わったら、反対側の階段から下層に降ります。行きに通った教会の脇を戻ります。出口は、パレ・ド・ジュスティスの方にあります。
サント・シャペル教会のグッズ
下層礼拝堂の入口付近には小さな売店がありグッズが販売されています。
ステンドグラスが美しいサント・シャペル教会だけあってお土産にステンドグラスのレプリカが販売されています。小さいものは€12.5、大きいものは€12です。
ステンドグラスのシールもあります。こちらは€5.9と手頃な値段です。
サント・シャペル教会の営業時間・休館日
■営業時間
・1月2日~3月31日: 9:00-17:00
・4月1日~9月30日: 9:00-19:00
・10月1日~12月31日: 9:00-17:00
※最終入場 閉館時間の30分前
■休館日
定期休館日はなし。
1月1日、5月1日、12月25日は休館
参考)サント・シャペル教会の公式サイト
以上、美しいステンドグラスで有名なサント・シャペル教会の入場チケット、混雑を回避する方法、見学の仕方などご紹介しました。オススメのスポットですが、思ったより混んでいて見学に時間がかかるので、しっかり計画して訪問してください。
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