パリ観光に便利な乗り放題の交通ICカード「ナヴィゴ(navigo)」の1週間パスや地下鉄、RER、バス、トラムなどパリ公共交通機関のチケットTicket T+をスマホアプリ(Bonjour RATPアプリ)で購入・利用する方法をご紹介します。
Navigo1週間パスやT+ Ticket(通常切符)を実際に購入したときのスマホ画面で購入の流れを説明しています。
2024年(オリンピック前)に現地で確認した最新情報です。
ルーブル美術館、ヴェルサイユ宮殿、オルセー美術館などパリ観光名所の入場料がお得になるパリ・ミュージアムパスを最安で購入する方法をこちらの記事で解説しています
RATPスマホアプリ(Bonjour RATPアプリ)とはなにか?
Navigo(ナヴィゴ)はRAPT(パリ交通公団/Régie Autonome des Transports Parisiens)が運行する地下鉄、バスやRER(近郊鉄道)に乗車できる交通系ICカードです。
日本でもSUICA等交通系ICカードがモバイルSUICA等のスマホアプリになりました。同じようにNavigoもスマホアプリ(Bonjour RATPアプリ)で利用できます。
細かく言うと、通常の切符はNavigo Easyという簡単に買える交通系ICカードに登録できます。一方、期間パス(1週間パス等)の登録にはNavigo Découverte(ナヴィゴ デクーヴェルト)というICカードを購入して顔写真を貼り付ける必要があります。RATPアプリを使えば通常の切符も期間パスもどちらも登録できます。
スマホアプリになったことで日本人でもNavigoのパスを利用しやすくなりました。
私もICカード(ナヴィゴ デクーヴェルト)を持っていますが最近はスマホアプリを利用しています。
なお、1週間パスNavigo Weekly Pass(Navigo Semaine/ナヴィゴ セメーヌ)はお得なパスですが、有効期間が「月曜始まりの日曜終わりの1週間」など購入前に知っておくべき注意点があります。
Navigo Weekly Passの注意点や料金はこちらの記事でまとめています。注意点などをご存知でない方は先にこちらの記事をごらんください。
Navigo Weekly PassをBonjour RATPアプリで利用するメリットを簡単にご紹介します。
ICカードの購入・デポジットが不要
ICカードは€5(約850円)のデポジットが必要ですが、スマホアプリだと不要です。
また駅の窓口に並んで時間を浪費する必要もありません。
証明写真が不要
ナヴィゴ デクーヴェルトの購入で一番面倒だったのがICカードに貼り付ける証明写真を日本から持っていくことでした。
アプリではスマホで自撮りした写真を登録できるので便利になりました。
RATPスマホアプリのデメリット
物理的なNavigoのカードと比較してデメリットもあります。
自動改札で読み取りに苦労することがある
スマホの機種に依存すると思いますが、自動改札でスマホをタッチしても反応が悪いことがありました。
日本の自動改札と比べてしまうとパリの交通機関の自動改札は性能が悪いです(特に古い改札ゲート)。
複数人で回数券をシェアできない
通常切符(T+ Ticket)の10回回数券などを購入する場合、紙の切符なら複数人で分けて利用できます。
しかしアプリは1人1台のスマホを持つことが前提なのでシェアできません。
初期設定の手順が多く、ちょっと面倒
スマホアプリのインストールからパスを購入するまで、操作が少し長く手間がかかります。モバイルSUICAの最初の登録が面倒なのと同じです。
ただし、この記事で手順をくわしく説明しているので難しくありません。
NFC対応スマホが必要
日本の交通系スマホアプリと同じようにNFC対応スマホが必要です
RATP公式サイトにはアプリの対応機種について以下の説明があります。ただし、フランス向けの説明なので日本のみ発売のスマホについては検証されていないと思われます。
対応機種について
iOS 17.5 または Android バージョン 8 以降のほとんどの NFC 対応携帯電話で利用できます。互換性のない携帯電話は、Google Pixel Slate、Nocturne、Pixel、Pixel 2、Pixel 2XL、Pixel 3、Pixel 3XL、Pixel 3a、Pixel 3a xl、Pixel 4、Pixel C、Pixel Slate、Nexus 5X、Nexus 6P です
なお、RATPアプリには事前にチャージしておいて乗車時に運賃を引落す機能はありません。
事前に切符や期間パスの購入(登録)が必要なのは、これまでのNavigoやNavigo Easyと同じです。
RATPアプリのインストール・初期設定
公式アプリ「Bonjour RATP」は下記ボタンからインストールできます。
Bonjour RATPアプリを立ち上げます。通知の許可が表示されます。必要に応じて通知を許可してください
Accet and start(同意して始める)を押します
個人情報の利用についての確認です。許可する場合はAccept allを、拒否する場合はReject allを押します
登録したEメールアドレス宛にメールが届くのでActivate my account(アカウントを有効にする)を押します
ジオロケーション(位置情報を使った情報提供)を有効にするか選択します。不要な場合はRemind me later(あとで通知)を押します
スマホのタッチで自動改札を通過するための設定をします。Discover the serviceを押します
Nextを押します
電話と発信の管理を許可します。
タッチ乗車の利用には追加アプリ(Mes Tickets Navigo)のインストールが必要です。Installを押します
ふたたびInstallを押します
アプリストアのMes Tickets Navigoのページが表示されるのでインストールします。
Mes Tickets Navigoアプリが起動します。
必要に応じて通知を許可します。
Continueを押します
Finishを押します。
以上で追加アプリの設定が完了し、アプリで切符(チケット)を購入・乗車するための設定が終わりました。
RATPアプリでの切符(T+ Ticket)の買い方
続いて普通の切符(チケット)T+ Ticketの買い方を説明します。
Navigo Weekのような期間パスは別途設定(ユーザー登録)が必要なので、この次で説明します。
2024年7月現在、下記説明と画面のデザインが少し変わっています。最初に一般の切符か期間パスか選択する画面があります。パリオリンピック期間中はParis 2024 Passも選択できます。
種類を選択するとチケットの一覧画面になります。
画面のデザインは変わっていますが、操作の流れは同じです
アプリの下のメニューからTicketsを選び、購入するチケットを選びます。T+ Ticketはパリ市内の地下鉄、バス、RER(Zone 1のみ)に乗車できる基本的な切符です。10枚回数券もあります。
購入枚数を入力します。まとめて何枚か購入してアプリ内にストックしておくことができます。Buyを押します
レシート(領収書)が必要な場合はEメールを入力すると、Eメール宛にレシートが届きます。販売規約(terms of sale)への同意をチェックしてBuyを押します
少し待つとクレジットカード情報の登録画面になります。支払いに利用するクレジットカード情報を入力します。この画面は日本語で表示されました。前の画面では€2と表示されていましたが、実際は請求額が€2.15でした。カード情報を入力して確定を押します
クレジットカードの認証画面になります(クレジットカードごとに異なる)。私は海外旅行の支払いにWISEデビットカードを利用しているので、このような認証画面になりました。WISEデビットカードはRATPアプリで問題なく決済できました。
クレジットカードでの外貨支払いは為替手数料が高額になるので私はWISEカードを利用しています。パリ現地の支払いもWISEカードでした。WISEカードの詳細は別記事で紹介しています。
クレジットカードの決済が問題なく終わるとチケットの購入が完了します。この画面のようにRemaining(残数)が表示されます。
RATPアプリでのNavigo 1週間パスの買い方
続いて1週間パスNagigo Weekly Passなど期間パスを購入する手順を説明します。
1週間パス等を利用する場合は、ユーザー登録および顔写真の登録が必要です。
チケットの一覧からNagigo Weekly Pass(1週間パス)
利用開始日(Starting at **)が表示されます。1週間パスは月曜始まりの日曜終わりの1週間です。金・土・日に購入すると翌週の月曜からの1週間になります。間違えがないか確認してください。Buyを押します
通常の切符はアカウント登録が不要でしたが、パスはアカウントおよび顔写真の登録が必要です。初回の購入時にこの画面になります。Continueを押します
ユーザー登録画面がフランス語で表示されます。左上のfrançais(フランス語)をEnglishに切り替えます。
ログイン画面を下にスクロールします。
画面の下にあるCreate a new account(新規登録)を押します
名字、名前、誕生日、Eメールを入力します。入力したらNextを押します。
パスワードを入力します。パスワードは12~20字で、アルファベット大文字・アルファベット小文字・数字・記号の中から最低3種類を使う必要があります。入力したらNextを押します。
利用規約の同意にチェックします。その下のSecurity verificationはセキュリティチェックです(人間によるアクセスかを確認)。英語で質問が表示されるので回答を入力してValidate(確認)を押します
この例の場合、pineapple(パイナップル)にaはいくつ含まれるか?という質問なので答えに1を入力します。
確認のためのEメールが送信されます。
登録したメールアドレス宛に下記のメールが届くのでActivate my account(アカウントを有効にする)を押します
メールをクリックするとこの画面が表示されます。「アプリを利用するために名前や誕生日の情報が利用されます」という説明が表示されます。Accept(同意)を押します
Continueを押します
「このチケットの購入には写真登録が必要です」とのメッセージが表示されます。Continueを押します
登録写真の条件として「明るいところ、ニュートラルな背景、顔が正面からはっきり見えること」が記載されています。Take a photo(写真を撮影)を押します
カメラで撮影する(From the camera)かギャラリーから選択する(From the photo gallery)かを選択します
カメラ撮影する場合は、アプリに撮影の権限を許可します。許可するとカメラが起動するので写真を撮影します。
登録した顔写真が表示されます。問題なければConfirm(確認)を押します
アカウントと顔写真の登録が終わるとNavigo Weekly Passの購入画面に戻ります。クレジットカードでの支払い手順は上で説明したT+ Ticketと同じなので省略します。
支払いが完了するとForfait Navigo Semaine(Navigo Weekly Pass)が登録されます。有効期限(Until)が表示されるので確認してください。
RATPアプリでの地下鉄・RER・バスの乗り方
上記手順でチケットやNavigoのパスを購入しておけば、地下鉄の自動改札やバスの装置にスマホをタッチするだけです。
日本の鉄道の自動改札と同じです。
チケットの残数はアプリで確認できます。利用するとRemainingが減ります。すべて使うと0になります。
スマホは基本的にはロック画面のままでも改札を通れるはずです。ただ、改札で読み取りに失敗することが多かったので、私は結局のところ、画面ロックを直前に解除してからタッチしていました。
地下鉄・RER(近郊鉄道)の場合
自動改札のセンサー部分にスマホをタッチします。RERは出場時(降車駅)も自動改札にスマホをタッチします。
センサーは近くで見ると、このような感じです。中心部付近にスマホをかざします。日本の自動改札より反応が悪いです。センサーに反応しやすいスマホ(NFC)の位置は日本と同じです(iPhoneなら上部)。
センサーが水色の自動改札のほうがスムーズに反応しました。
スマホがどうしても反応しない場合は、RATPアプリのチケットの画面を見せて駅員さんに相談してみてください。
バスの場合
乗車口のところに機械があります。乗車したらスマホを機械のセンサーの部分にタッチします。
以上、パリの地下鉄・バスなど公共交通機関のチケットやNavigoパスを利用する場合に便利なRATPアプリについて説明しました。