ドイツ鉄道DBが乗り放題になる鉄道パス「ジャーマンレイルパス(German Rail Pass)」の購入方法、料金、キャンペーン情報などを解説します。
ジャーマンレイルパスを購入したほうがよいのか、個別にチケットを購入したほうが安いのかも比較します。私が実際にドイツ旅行したときは、ジャーマンレイルパスと個別購入を比較した結果、個別のチケット購入にしました。この理由なども解説します。
目次
ジャーマンレイルパスの基本情報
ジャーマンレイルパスを購入する上での基本情報をまとめます。
・連続した日に使用できる「通用日連続タイプ」と、1ヶ月内の自由な日に使用できる「フレキシータイプ」があります。
・適用日は、3日、4日、5日、7日、10日、15日から選べます。※以前あった2日はなくなりました。
・1等車(1st class)用と2等車(2nd class)用のチケットがあります。
・2名で一緒に旅行する場合は、ツインパス(セーバー)という2人目の料金が50%オフになるパスが購入できます。
・ドイツ国内の鉄道に加え、ドイツとイタリア、オーストリア、ベルギー、スイス、ポーランド間の指定路線にも乗車することができます。詳細は記事の後半を参照してください。
・12歳から27歳はユース割引のチケットになります。
ジャーマンレイルパスとドイツ鉄道DBの個別チケット購入の比較
ドイツを鉄道で移動して旅行する際、ジャーマンレイルパスの購入と、チケットの個別購入とどちらがいいのか、どちらがお得なのか悩みます。
ジャーマンレイスパスの値段は、4日連続通用タイプで23,200円です。1日あたりで換算すると約5,800円(€48)です。
IC(特急)で2時間のハンブルク-ベルリン間が正規料金だと9,100円(74.6€)なので、ジャーマンレイルパスのほうがお得に感じます。しかし、ドイツ鉄道DBは早割でチケットを予約すると同じハンブルク-ベルリン間が2,700円(€19.9)と爆安で買えてしまいます。
一方、早割チケットは、指定した列車にしか乗れないので、乗り損ねると切符を買いなおしになるというデメリットがあります。
したがって、以下のような場合はジャーマンレイルパスの購入をお勧めします。
・ドイツ旅行のプランが流動的で早割切符の購入が難しい
・旅行のスケジュールがタイトで、電車に乗り損ねる可能性がある
私は冒頭で書いたようにチケットを個別購入しました。4日間の滞在して、ハンブルク、ベルリン、ドレスデンの3都市の移動だったので距離が短かったのと、事前にプランが決まっていたので、安く早割チケットを購入できたからです。
ドイツ鉄道DBでチケットを予約・購入する方法は下の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
ジャーマンレイルパスの値段
ジャーマンレールパスの料金(レイルヨーロッパ)は下記の通りです。同行者がいる場合は、50%OFFになるツイン(セイバー)チケットが購入できます。また12~27歳は「ユース」、60歳以上は「シニア」料金が適用されます。
有効期間 | 2 等車 | 1 等車 | ||
---|---|---|---|---|
パスタイプ | 連続通用 | フレキシー | 連続通用 | フレキシー |
3 日 | 197 USD | 207 USD | 269 USD | 279 USD |
4 日 | 217 USD | 222 USD | 290 USD | 300 USD |
5 日 | 228 USD | 238 USD | 311 USD | 321 USD |
7 日 | 279 USD | 209 USD | 377 USD | 393 USD |
10 日 | 331 USD | 373 USD | 450 USD | 507 USD |
15 日 | 466 USD | 518 USD | 630 USD | 713 USD |
ジャーマンレイルパスの購入方法
ジャーマンレイルパスは以前、ドイツ鉄道DBの公式サイトで販売されていました。現在は、Germanrailpasses.comという名称で公式サイトをユーレールが運営しています。
下記のリンクをクリックしてください。
下記の画面が表示されます。Youth(ユース:12-27歳)、Adult(大人:28歳以上)、Twin(大人の二人組)、Child(子供:4-11歳)ごとに購入する枚数を選びます。その下で、1st class(1等)、2nd class(2等)を選びます。1ヶ月間に指定日数乗車できるフレキシータイプは、with in 1 monthと表示されています。x dayと表示されているのは、連続使用タイプです。
ジャーマンレイルパス購入時の事前の座席予約
ジャーマンレイルパス利用者は、ICEなどの座席指定がある列車にも追加料金なしで乗車することができます。ただし、事前の座席を確実に確保しておきたい場合は、事前の座席指定が有料で行えます。座席指定の料金は列車の種類によって異なります。
ジャーマンレイルパスの公式サイトには、ラッシュ時間、祝日や繁忙期は予約をお勧めする、と記載されています。
■座席指定料金
ICE:2等席(2nd class) € 4.50 / 1等席(1st class) € 5.90
ユーロシティ(EuroCity)・インターシティ(InterCity) 国内線:€ 3.50~
レイルジェット(Railjet): € 3.50~
なお、RegionalExpress (RE)、Regionalbahn (RB)、S-Bahnは予約が不要です(予約できません)。
ジャーマンレイルパスの座席指定についてはジャーマンレイルパス公式サイトで詳しく解説してあります。
ジャーマンレイルパスの現地購入
ジャーマンレイルパスは、ドイツ現地でも購入可能です。駅にあるドイツ鉄道DBの窓口で購入できます。購入時には、パスポートを提示する必要があります。これは、ジャーマンレイルパスを使用できる対象者が「ヨーロッパ圏外に居住する旅行者」に限られるからです。利用日が決まっている場合は、購入と一緒にバリデーション(利用開始手続き)を行ってもらいましょう。
ジャーマンレイルパスのバリデーション
ジャーマンレイルパスは、利用開始時にバリデーション(利用開始手続き)をする必要があります。バリデーションはドイツ鉄道の駅の窓口で行います。窓口で、利用開始日を記入してもらいましょう。利用日前日など、利用開始前にバリデーションをすることも可能です。
ドイツ鉄道DBの乗車レポート
私は、デンマークのコペンハーゲン ⇔ ハンブルク ⇔ ベルリン ⇔ ドレスデン ⇔ チェコのプラハ をドイツ鉄道DBに乗車して移動しました。上で説明したようにジャーマンレイルパスは使いませんでしたが、下記記事で乗車の様子をレポートしていますので参考にしてください。
ジャーマンレイルパスを国際列車に使う
ジャーマンレイルパスはドイツ国内の鉄道に加え、ドイツとイタリア、オーストリア、ベルギー、スイス、ポーランド間の指定路線に使うことができます。
ドイツ-イタリア間
EC利用 ミュンヘン(München)-イタリア ヴェネツィア(Venezia)、ヴェローナ(Verona)、ボローニャ(Bologna)
※直通EC利用時、有料座席指定が必要
ドイツ-オーストリア間
EC利用 ミュンヘン(München)-オーストリア インスブルック(Innsbruck)、クフシュタイン(Kufstein)、ザルツブルク(Salzburg)
※直通EC利用時のみ
ドイツ-ベルギー間
ICE利用 ケルン(Köln)-ベルギー ブリュッセル(Bruxelles)
※ICE乗車のみ有効
ブリュッセル観光については下記の記事を参考にしてください。
ドイツ-スイス間
ミュンヘン(München)-スイス バーゼル(Basel)
スイス観光については下記の記事を参考にしてください。
ドイツ-ポーランド間
ICバス(IC BUS)利用 ベルリン(Berlin)-ポーランド クラクフ(Kraków)線
※有料座席指定が必要
クラクフ観光については下記の記事を参考にしてください。
ドイツ-チェコ間
ICバス(IC BUS)利用 ミュンヘン(München)/ニュルンベルク(Nürnberg)-チェコ プラハ(Praha)線
※有料座席指定が必要
以上、ドイツを鉄道で旅行するときに便利なジャーマンレイルパスの料金や購入方法を解説しました。なお、ドイツの鉄道の乗り方などは下の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
質問ですが,よろしいですか
ジャーマンレイルパスは,ザルツブルクまで適用範囲とありますが,ザルツブルク発の
RJX 260 railjet xpressはオーストリア鉄道なので適用外なのでしょうか
m.nakada様
コメントありがとうございます。
こちらの情報が公式に近いと思うのですが、表現上はDBの列車が対象と記載されているようです。
https://www.bahn.com/en/view/offers/passes/german-rail-pass.shtml
海外の旅行掲示板を見ると、railjetはダメという情報が多いようですが、対象という回答をしているケースもあったので、DBに問い合わせてみるのが確実かと思います。