マドリードのシンボル「マドリード王宮」について、見どころ、入場チケットの予約方法、混みぐあいなど、見学に役立つ情報をわかりやすく解説します。
歴代のスペイン王家が住居としてきた「マドリード王宮」(Palacio Real de Madrid)は、ヨーロッパ最大の床面積を誇る豪華な宮殿です。ベルサイユ宮殿やバッキンガム宮殿の2倍の広さがあります。
国王フェリペ6世をはじめロイヤルファミリーは現在、マドリード郊外の宮殿に住んでいるため、巨大で豪華な宮殿を余すところなく見学できます。
非常に人気がありマドリードで一番混雑する観光スポットでし。入場1時間待ちもざらにあります。ただし、公式サイトで事前予約しておけば専用の列から優先入場ができます。
本記事では、行列回避のための公式サイトでの事前予約の方法などを詳しく解説します。
目次
マドリード王宮の攻略ポイント
マドリード王宮見学の計画をたてる上で、知っておきたい攻略ポイントをまず解説します。
攻略1:マドリード王宮とは?
マドリード王宮(Palacio Real de Madrid)は、長いあいだ、スペイン王の住まいになってきた宮殿です。部屋数3478、床面積199,000平方メートルと、ヨーロッパを代表する巨大な王宮の一つです。
現在の王宮がある場所は、古くはムーア人の要塞があった場所です。その後、カスティーリャ王が建設した王城(アルカサル)がありましたが、1734年のクリスマスに火災で全焼しました。
焼失後、フェリペ5世が新しい宮殿の建設を、当時ヨーロッパ随一だったイタリア人建築家フィリッポ・ユヴァッラに依頼しました。しかし着工前に亡くなったため、弟子のジョヴァンニ・バッティスタ・サンチェッティが引き継ぎました。
後期バロック様式の宮殿は1764年に完成し、カルロス3世の時代から王宮として利用されてきました。現在、国王フェリペ6世やレティシア王妃はマドリード王宮でなく、サルスエラ宮殿で暮らしています。
攻略2:マドリード王宮の見どころ
王宮の見学では、それぞれ特徴の異なる20以上の絢爛豪華な部屋を見学できます。ハイライトをいくつかご紹介します。
大階段
王宮に多くの来賓を迎えた大階段です。ワールドカップでスペイン代表が優勝したときも、この階段を通って国王に謁見したそうです。
列柱の間
列柱の間は、スペインのEU加盟の調印や、ファン・カルロス1世が息子のフェリペ6世に王位を譲ったときにサインをした部屋です。
王座の間
王宮見学のハイライトが建設当時の装飾が保たれている王座の間です。スペイン王室のさまざまな重要行事が執り行われました。
その他の見どころは本文中でご紹介します。
攻略3:マドリード王宮の混みぐあい・おすすめ入場チケットは?
マドリード王宮は、マドリードで一番混雑する観光スポットです。
先が見えないほど列が続いていて、入場に1時間以上かかることも多いです。
ただし、公式サイトで時間指定制のチケット予約をしておけば、専用の列から優先入場できます。
繁忙期でなければ、訪問前日にスマホで予約すれば大丈夫です。メールで送られてくるPDFをスマホで見せれば入場できます。
ただし、繁忙期は事前予約も早々と満員になります。ですので、予約サイトで埋まり具合を確認し、早めに予約しておくことをオススメします。
公式サイトでの予約手順は、本文中で詳しく説明します。
攻略4:マドリード王宮での写真撮影は?
宮殿内は、写真撮影が禁止されています。
大階段、列柱の間など、数部屋のみ撮影が許可されています。撮影できる部屋、できない部屋はのちほど詳しくご紹介します。
攻略5:見学時間の目安
宮殿の見学は、標準コースで1時間、詳しく見学すると1時間40分です。
その他、王立武器博物館なども見学できるので、入場の待ち時間を除いて急いで1時間半、通常で2時間くらいを計画すれば良いと思います。
マドリード王宮の入場料・チケットの選び方
マドリード王宮の入場料
入場料は以下の通りです。夏期(ハイシーズン)と冬期(ローシーズン)で料金が変わります。
チケット料金
・冬期(10月〜3月):
一般料金(Basic Admission) 12€
割引料金(Reduced Admission) 6€
・夏期(4月〜9月):
一般料金(Basic Admission) 13€
割引料金(Reduced Admission) 7€
5-16歳、学生、65歳以上のシニアは割引料金が適用されます。
なお、王宮内の通常の見学に加え、「王室の台所」(Palace’s Royal Kitchen)の見学ツアーに参加できるチケットもあります(夏期:17€、冬期:16€)。「王室の台所」は団体で見学し、王宮は各自の見学になります。
「王室の台所」はツアーに参加しないと見学できません。予約などは以下のURLを参考にしてください。
「王室の台所」見学ツアー
安くチケットを予約できる日本語サイトは?
マドリード王宮のチケットは、公式サイトでのみ予約が可能なようです。日本語での予約サイトはありませんでした。
公式サイトは英語での予約になりますが、以下で予約手順を詳しく解説しています。参考にしてください。
マドリード王宮 公式サイトのチケット予約手順
マドリード王宮 公式サイトでのチケット予約方法を解説します。
(1)チケット予約ページにアクセス
まず、マドリード王宮のチケット予約ページにアクセスします。
(2)予約タイプを選択
アクセスすると以下の画面が表示されます。General Public(一般)のBuy tickets(チケット購入)ボタンを押します。
(3)入場日時を選択
入場する月を選択します。閉館、臨時閉館日は、赤やオレンジで表示されています。
続いて入場する時間帯(Slots)を選択します。時間帯を選択すると、15分単位で入場時刻が表示されます。赤くSold outとなっている時刻は満員です。予約可能な時間帯には、** avaliableと残りの予約可能人数が表示されんます。
(4)チケット枚数を選択
予約するチケット枚数をBasica(一般)、5-16 años(5-16歳)、Mayor(シニア:65歳以上)、Estudiante(学生)に分けて入力します。オーディオガイドを借りる場合は、Audioguíaで個数を選びます。チケット枚数を選んだら、Add to card(カート追加)ボタンを押します。
オーディオガイドを借りるかの再確認があります。不要な場合は、Continuar(続ける)ボタンを押します。
(5)メールアドレスを入力
予約内容の確認画面が表示されます。間違いがなければ、Pay visit(支払い)ボタンを押します。
個人情報の入力画面です。入力必須はメールアドレスだけです。登録したメールアドレス宛に電子チケットが送信されるので間違えないようにしてください。下の3つチェックボックスは順にユーザ登録、DMを受け取らない、利用規約への同意です。入力したらInitiate payment(支払いへ進む)ボタンを押します。
個人情報取り扱いの確認画面が出たら、I’ve read and agree(規約を呼んで同意しました)ボタンを押します。
(6)クレジットカード情報の入力
再度、確認画面が表示されるます。間違いがなければ、Pay(支払い)ボタンを押します。
続いて支払いに使うクレジットカードの情報を入力します。Card Number(カード番号)、Expiry date(有効期限:月/年の順)、Security Code(カード裏面3桁数字)を入力します。入力したら、Accept(支払い)ボタンをタッチします。
(7)購入完了
予約完了画面が表示されます。電子チケット(PDF)はメールに添付されて届きますが、念の為、下のDownload ticketsボタンでダウンロードしておくと安心です。
(8)電子チケットがメールで届く
電子チケット(PDF)が添付されたメールが届きます。メールには電子チケット(PDF)と見学ガイド(PDF)が添付されます。
私は入場時にスマホでこのバーコードを提示して入館しました。
マドリード王宮の開館時間・休館日
開館時間
・冬期(10月〜3月):10:00-18:00
・夏期(4月〜9月):10:00-20:00
※最終入館 閉館1時間前まで
休館日
・1/1・6、5/1・15、10/12、11/9、12/24・25・31
この他、公式行事での休館もあるので、公式サイトの営業時間もチェックしてください。チケットを事前予約してあれば問題ありませんが。
営業時間(公式サイト)
マドリード王宮 公式ガイドアプリ
マドリード王宮観光で便利なのが、公式ガイドアプリです。オーディオガイドのアプリ版です。
有料で1.99€ですが私は便利に利用できました。以下からダウンロードができます。
ガイドする見学コースを選択できます。王宮の見学は、1時間の推奨コースと、1時間40分の詳細見学コースが選べます。
見学の流れや、各部屋の詳しい紹介を音声で聞くことができます。ヘッドフォンがあると便利です。
現地以外でも利用でき、お土産のガイドブック代わりになるのがメリットです。
ただし、アプリに加えてデータをダウンロードする必要があります。データサイズが大きく、時間がかかるので、前日にホテルのWifiなどでダウンロードしておくことをオススメします。日本でダウンロードしておくのがベストです。
マドリード王宮への行き方
マドリード王宮の地下鉄の最寄駅はÓpera(オペラ)駅です。地下鉄2、5号線とR線が通っています。
マドリードの地下鉄の乗り方はこちらの記事を参考にしてください。移動元によってはバスのほうが便利な場合もあります。バスの乗車方法も解説しています。
地下鉄の出口からイザベル2世広場(通称オペラ広場)に出ます。広場に面して建つテアトロ・レアル(王立劇場)の建物の裏に回り込むように進みます。
テアトロ・レアルの裏は、もうオリエンテ広場です。オリエンテ広場は、マドリード王宮の東のファサードに面しており、フェリペ4世の騎馬像が建っています。
マドリード王宮の入場の流れ
王宮見学の入口は、アルムデナ大聖堂と接する王宮南側にあります。オリエンテ広場から行く場合は、建物にそって左側へ進みます。
アルムデナ大聖堂とともに、先が見えなくくらいの行列があらわれました。ハイシーズンが終わった10月前半でしたが、週末の昼間だと、かなり混んでいるようです。1時間くらいは並びそうです。
事前にチケットを予約している場合は、左にあるチケット所有者(VISTORS WITH TICKETS)の列から入場できます。このように列はほとんどありませんでした。
夏に訪問する場合は、炎天下に並ぶ必要があるので、予約しておくことを強くオススメします。
当日チケットを購入する場合は、セキュリティチェックを受けて入場した後、建物内のチケット窓口で購入できます。
マドリード王宮の見どころ、見学コース
マドリード王宮のマップ
入場したビジターセンターから一度、中央にあるアルメリア広場に出ます。正面に見えるファサードが王宮見学コースの入口です。
王宮内には他にも、王立武器博物館やモーロ庭園を見渡せるビューポイント、などの見学スポットがあります。
アルメリア広場
ビジターセンターからアルメリア広場にでます。第一水曜日の午後には、衛兵の交代式が行われます。正面ファサードの屋上にある鐘は、アルカサルの時代から使われているものです。
宮殿の見学
玄関ホール
王宮の中に入るときに、再度チケットを提示します。宮殿内に入ると玄関ホールがあります。
大階段
玄関ホールから大階段を上がります。冒頭から、絢爛豪華な装飾に圧倒されます。踊り場まで上がると左右にライオンの大理石の彫刻があります。一頭は穏やさを、一頭は激しさを表しています。
丸天井画はイタリア人画家コッラード・ジアキントの作です。キリスト教によるスペイン王家の勝利をテーマに描かれました。
階段を上ったところには、宮殿建設を指示したフェリペ5世とエリザベッタ・ファルネーゼ王妃の彫像があります。
衛兵の間
最初に入る衛兵の間は、衛兵が王の警備のために待機していた間です。
天井画はイタリア人画家ティエポロによる『アイネイアスの勝利』です。アイネイアスは、カルロス3世を象徴しています。
この部屋にある一見写真のような絵画は、スペインの巨匠アントニオ・ロペスが前国王ファン・カルロス1世の家族を描いたものです。右の長身の男性が現国王のフェリペ6世です。
列柱の間
列柱の間は、公式の行事などで現在も使われている部屋です。前国王ファン・カルロス1世が息子のフェリペ6世に譲位するときにサインを行ったのも、この部屋です。
この部屋ではスペインのEU加盟の調印も行われました。部屋にあるカール5世の像の台座にはEU加盟の記念碑が彫られています。像のオリジナルは、プラド美術館にあります。
タペストリーは、ラファエロの原画を元にフランドルの工房で制作されました。
以降はハイライトとなる部屋を見学コースの順にご紹介します。
磁器の間
床から天井まで磁器のプレートで覆われた部屋です。磁器のプレートは取り外しができるように作られています。
カルロス3世の私室(ガスパリーニの間)
マドリード王宮で最も美しい部屋の一つとされています。カルロス3世の私室だったこの部屋は、イタリア人建築家マティアス・ガスパリーニが設計したため、ガスパリーニの間と呼ばれています。花や植物をモチーフとした中華風の装飾がなされています。
中央回廊と皇太子の中庭
中央回廊からは、建物に囲まれた皇太子の中庭を見ることができます。
王宮礼拝堂
王宮礼拝堂は王宮でもっとも高さがある部屋です。丸天井のフレスコ画も大階段と同じジアキントの作品です。黒大理石の柱が特徴的です。スペイン王室の宗教儀式のためにも利用されます。
ストラディバリウスの間
スペイン王室がコレクションしたバイオリンの名器ストラディバリウスが展示されています。
バイオリンだけでなく、ストラディバリのビオラ、チェロも展示されています。
王家の間
スペイン王家の宝物が展示されている間です。カルロス3世の時代に作られた王笏と王冠は、実際の儀式でも用いられています。フェリペ6世に王位が譲位されたときの書類も展示されています。
大階段のバルコニー
最初にあがった大階段の上部にあるバルコニーを通ります。このスペースは賓客を迎えるときに、楽団が音楽を演奏する場所にもなります。バルコニーには、ローマ皇帝の格好をしたカルロス4世の像があります。
玉座の間
王座の間は、王宮を代表する部屋で、見学の最後のハイライトです。この部屋の装飾は1772年の完成時より、オリジナルな状態が唯一保たれています。巨大な天井画は、ティエポロの作品です。現在でも、様々な公式行事に利用されています。2つの玉座は、カルロス3世時代のレプリカです。
最後に、大貴族の間を見学したら、アルメリア広場に戻ります。
ビュー・ポイント
アルメリア広場の中央西側には、王宮の西側にあるカンポ・デル・モーロ(モーロ庭園)を見渡せるビューポイントがあります。
モーロとはムーア人のことです。1109年に、マドリードを征服しようとしたムーア人の軍隊が、この場所に陣を張ったことに由来しています。
王立武器博物館
アルメリア広場の南西端に王立武器博物館の入口があります。王宮見学のチケットで入館できます。
武器コレクターだったカール5世のコレクションが元になっている博物館です。多くの甲冑、武器などが展示されており、ヨーロッパでも有数のコレクションを誇ります。
マドリード王宮のショップ・お土産
マドリード王宮のショップは、入場したビジターセンターの中にあります。
スペイン王室のシンボルの王冠がデザインされた小物入れ、ポシェットなどが並んでいます。
レジ前には、ステーショナリー、マグネットなどの小物系のお土産が並んでいました。
マドリード王宮の周辺の観光スポット
王宮の入場口の近くにアルムデナ大聖堂があります。建設は1883年に始まりましたが、完成したのは1993年と約30年前です。
記事中で、王宮の東にあるオリエンテ広場、西にあるカンポ・デル・モーロをご紹介しました。北には、1930年代に造成されたサバティーニ庭園があります。もともとは王室用の厩舎があった場所です。
王宮からは、マヨール広場へも徒歩で10分弱です。
参考)マドリード王宮の公式サイト
以上、「マドリード王宮」の見どころ、混み具合、公式サイトでの予約方法などを詳しくご紹介しました。
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