ミケランジェロの『ダビデ像』が見られるフィレンツェのアカデミア美術館の行列を回避して入場する方法や、公式サイトでの入場チケット予約の手順、お得に入場できるチケット、など見学に必ず役立つ情報をわかりやすく解説します。
フィレンツェのシンボルとも言えるのがミケランジェロ作の『ダビデ像』です。シニョーリア広場とミケランジェロ広場にコピーがありますが、本物はアカデミア美術館(Galleria dell’Accademia)に展示されています。
本記事では、アカデミア美術館にスムースに入場するための事前の予約方法や、お得なチケットの調査結果など解説しています。また当日、チケットを引き換える方法なども詳しく紹介しています。
当面は、開館時間が火曜~金曜は09:00-14:00、土・日は09:00-18:00に短縮されています。最新情報は記事中に記載する公式サイトで確認してください。
現時点(2020/06/06)では、日本-イタリア間の出入国は、事実上、禁止されている状況です。一日も早く全世界で新型コロナウィルスが収束し、花の都フィレンツェへ訪問できる日が来ることを祈るのみです。
下記記事でイタリアなどへの入国制限の最新情報を整理しています。こちらも参考にしてください。目次
アカデミア美術館の行列を回避する方法
ダヴィデ像で人気のアカデミア美術館は、混雑時、チケット購入までに1時間以上並ぶこともあります。
効率的に観光するためには、閑散期を除いて、オンラインでの事前予約をおすすめします。
予約システムはウフィッツィ美術館と同じなので、ウフィッツィ美術館を予約していれば、手順も同じです。
事前予約の難点は手数料4€がかかることです。入館料8€に対して、4€の手数料は割高に感じます。それでも、繁忙期に訪問する場合は予約必須だと思います。
ただし、ウフィッツィ美術館と比べると待ち時間は短く、訪問時間を選べば、当日購入でも長時間待たずに入場できる可能性があります。
アカデミア美術館の入場チケットの選び方
アカデミア美術館の入場チケットの選択肢
アカデミア美術館の入場チケットには、2つの選択肢があります。
(2)フィレンツェ・カード(Frinzecard) 85€
(2)フィレンツェ・カードがお得な場合
アカデミア美術館以外にも、ドゥオモやウフィッツィ美術館、ヴェッキオ宮殿、ピッティ宮殿、ボーボリ庭園など、フィレンツェの観光スポットをたくさん見学する場合は、(2)フィレンツェ・カードがお得です。
フィレンツェ・カードを利用すると、基本的に現地での事前予約になりますが、アカデミア美術館への優先入場が可能です。
ただし、フィレンツェ・カードには、ドゥオモのクーポラ入場の予約が取れない可能性や、アカデミア美術館の予約が国際電話か現地の窓口でしかできない、などの注意点があり、確定した観光計画を立てたい方には不向きです。
なお、フィレンツェ・カードを購入するかどうかの判断は、ドゥオモやウフィッツィ美術館の計画を優先して決めたほうが良いかもしれません。
フィレンツェ・カードの注意点について下記記事で詳しく解説しています。ご自身の観光プランとフィレンツェ・カードがあっているかを記事でご確認ください。
(1)通常チケットの料金
フィレンツェ・カードが割高になる場合、通常チケットを予約することになります。
チケット料金は8€です。事前予約する場合、プラスで手数料4€がかかります。
なお、18歳未満は入場無料です。ただし、事前予約の手数料は必要です。
入場チケット料金が一番安いサイトを比較
アカデミア美術館公式サイトでは英語の予約になるので、日本語で安く買えるサイトを調べてまとめました。
日本語で予約できるツアー会社は、どこも手数料がかかっています。英語の予約で問題なければ公式サイトでの予約が最安です。公式サイトでの詳しい予約手順を次で説明します。
日本語予約ができるサイトでは、VELTRAが最安でした。
VELTRAでは、細かい時間指定はできませんが、8:30~、10:30~、のように希望時間帯を大まかに指定できます。
VELTRAなどツアー予約サイトで予約する詳しい手順や、評判・口コミ、クーポンを使って安く予約する攻略法を下記で解説しています。参考にしてください。以下、公式サイトでの予約手順を詳しく説明します。説明が長いので続きの情報を参照したい場合は、ボタンで予約方法の説明をスキップできます。
アカデミア美術館 公式サイトのチケット予約手順
アカデミア美術館 公式サイトでのチケット予約方法を解説します。ウフィツィ美術館と同じ予約システムですので、先に予約された方は同じ手順です。ユーザ登録も共通です。
(1)チケット予約ページにアクセス
まず、アカデミア美術館のチケット予約ページにアクセスします。
エラーメッセージが表示されることがありますが、画面を更新すればアクセスできるようです。
(2)英語表示に切り替え
アクセスすると以下の画面が表示されます。ウフィツィ美術館など他の美術館も同じ予約ページなので、以下のようにGalleria Accademia(アカデミア美術館)で絞り込まれているか、念の為、確認してください。
最初は、イタリア語で表示されるので、画面の一番下までスクロールして、Inglese(英語)に表示を切り替えます。
(3)訪問日・時間帯・チケット枚数を選択
以下のように日付順にチケット購入ボタンが並びます。表示は、曜日.日.月.年の順番です。訪問日のTicketsボタンを選択してください。
次に入場時間帯を選択します。開館時間から15分単位で入場時間が表示されますので、購入するチケットの枚数を入力します。予約が満員の場合は、Sold Out(売り切れ)と表示されます。Intro/Fullが通常チケットです。子供用の無料チケットを選択する場合は、Reduced and comboを押します。
18歳以下の子供用の無料チケットGratuito/Freeなどを選択できます。無料チケットでも予約料金の4€は必要です。
※割引チケットRidotto/ReducedはEU圏の学生用です。
チケット枚数を選択したら、画面下のInto the shopping cart(カートに入れる)ボタンを押します。
確認画面が表示されるので、入場日・時間帯を確認します。チケットの受け取りは、Pick up on site(現地で受け取り)しか選択できません。利用規約に同意したら、Continueボタンを押します。
(4)ユーザー登録
チケット予約にはユーザー登録が必須です。Register(新規登録)ボタンを押します。ユーザーIDは、ウフィツィ美術館など共通なので登録済の場合は、ログインしてください。
ユーザー情報の入力画面になります。項目は多いですが、以下の通り、必須入力項目のみを入力すれば良いです。
まず、First Name(名前:ローマ字)、Last name/Surname(名字:ローマ字)、を入力します。
続いて、Country(国:Japanを選択)、E-mail(電子メール)、Password(パスワード)を入力します。パスワードは、8文字以上、かつ、大文字小文字混在、数字、記号のいづれかを使用する必要があります。
最後にデータ取り扱いの規約についてチェックし、Registration(登録)ボタンを押します。
(5)クレジットカード情報の入力
選択したら、予約内容を再度確認し、Buy now(購入に進む)ボタンをクリックします。
再度、支払い方法の選択になるので、通常はクレジットカード(上)を選択します。
最後に以下の通り、Card Number(カード番号)、Cardholder’s Name(カード記載の名 姓)、Expiration date(有効期限:月/年の順)、CVV2/CVC2(裏面3桁数字)、E-mail Address(電子メール)を入力します。入力したら規約同意にチェックをして、Pay(支払い)ボタンを押します。
(6)購入完了
以上でチケットの予約が完了です。後ほど予約メールが登録した電子メール宛に送付されてきます。
メールが届かないなどトラブルに備えて、Order Number(予約番号)が表示されている予約完了画面をスクショしておくと安心です。
(7)予約メールが届く
以下のようなOrder Number(予約番号)が記載された予約メールが届きます。電子チケットは添付されておらず、メールがそのまま予約証(バウチャー)になります。
このメールをアカデミア美術館の窓口で提示してチケットを受け取ります。引き換え用の窓口は美術館の向かいにあります。
指定入場時刻の15分前にはチケット窓口に行くように指示されているので注意してください。チケット交換手順は、以下で詳しく解説します。
アカデミア美術館 見学のポイント
アカデミア美術館見学の計画をたてる上で、事前に知っておきたいポイントを解説します。
(1)アカデミア美術館とは?
アカデミア美術館と言うと、ダヴィデ像が展示されている美術館というイメージです。しかし、シニョーリア広場にあったダヴィデ像がアカデミア美術館へ移設されたのは1873年で、美術館設立の約90年後です。
神聖ローマ皇帝のレオポルド2世の遺言によって、美術学生の学習のために1784年に設立されました。そのため、「アカデミア」の名前が付いています。現在も美術館の隣には、フィレンツェ美術学校があります。
サン・マッテオ病院とサン・ニコロ・ディ・カファッジョ修道院だった建物を改築して美術館にしました。
イタリア(ヴァチカンも含む)の美術館の入場者数ランキングでは、ウフィツィ美術館、ヴァチカン美術館に次ぐ第3位を誇っています。
(2)アカデミア美術館の見どころダイジェスト
アカデミア美術館の見どころは、なんと言ってもミケランジェロの『ダヴィデ像』です。
『ダヴィデ像』のために、ドゥオモのファサードも担当したエミリオ・デ・ファブリスが設計した展示ルームにそびえ立っています。
シニョーリア広場やミケランジェロ広場のダヴィデ像のコピーも素敵なのですが、ミケランジェロの息遣いが感じられるオリジナルはぜひ見ておきたい傑作です。
アカデミア美術館には、ミケランジェロの作品が他にも展示されています。
ミケランジェロの4つのピエタの1つ『パレストリーナのピエタ』(真作でないとの説あり)も見どころです。
教皇ユリウス二世の霊廟に飾られる予定だった『奴隷』シリーズも4体が展示されています。
ジャンボローニャ作の『サビニの女たちの略奪』(原型)も人気がある作品です。完成品は、シニョーリア広場にあるロッジア・ディ・ランツィに展示されています。
彫刻以外にも、フィリッピーノ・リッピ、ペルジーノ、ボッティチェリなど、ルネサンスの巨匠の絵画も展示されています。
その他の見どころは本文中でご紹介します。
(3)アカデミア美術館での写真撮影は?
アカデミア美術館は、写真撮影が可能です。
(4)見学時間の目安
アカデミア美術館の見学時間は1時間程度です。ゆっくり見学すると2時間くらいです。
(5)アカデミア美術館のクローク
アカデミア美術館には、クロークがありません。大きい荷物を持っていると入場できないので注意してください。
また、0.5L以上のボトルも持ち込みが禁止されています。
アカデミア美術館の営業時間・休館日
開館時間
・火曜-日曜 08:15 – 18:50
※最終入場:閉館30分前
新型コロナ対策期間
・火曜-金曜:09:00 – 14:00
・土曜・日曜:09:00 – 18:00
※最終入場:閉館30分前
休館日
・毎週月曜日
・1月1日、5月5日、12月25日
営業時間の変更などもありますので、公式サイトの営業時間もチェックしてください。
営業時間(アカデミア美術館公式サイト)
アカデミア美術館へのアクセス
アカデミア美術館は、ドゥオモから北東に500m弱のところにあります。徒歩で5分くらいです。
イタリア鉄道のサンタ・マリア・ノヴェッラ(SMN)駅から直接歩いた場合は、徒歩15分弱です。
アカデミア美術館の前のリカーソリ通り(Via Ricasoli)は、大きな通りではありません。ドゥオモの方からアクセスすると、美術館のある右手に入場の行列ができているのが見えると思います。
アカデミア美術館の入場方法・当日チケットの購入
(A)チケットを事前予約した場合、(B)当日券を購入する場合、に分けて入場の流れを説明します。
入場列は、チケット事前予約者用(RED POINT)、当日券購入者用(BLUE POINT)、団体客用(GREEN POINT)の3つに別れています。
(A)チケットを事前予約した場合
事前予約した場合は、アカデミア美術館の入場口の向かいにある窓口で、チケットを受け取る必要があります。通りの右にある列には、並ばずに先に進みます。
チケット引き換えの窓口は、美術館入口の向かいの51番地と書かれたところにあります。窓口で、予約メールを見せてチケットを受け取ります。
チケットのデザインは当然、ミケランジェロの『ダヴィデ像』でした。裏面には入場時刻などが書かれています。
チケットを受け取ったら、向かい側の美術館入り口にあるRED POINTというチケット事前予約者用(WITH RESERVATION)の列から入場します。
通りの奥には、団体客用のGREEN POINTがあるので間違えないようにしてください。
(B)当日券を購入する場合
当日、チケットを購入する場合は、通りの右側にあるBLUE POINT / Ticket Office(チケット窓口)と書かれた列に並びます。
混雑時は、入場口のかなり手前から通りの右側に列ができていると思います。
アカデミア美術館の見学コース・マップ
アカデミア美術館には地上階(Piano terra)と、1階(Primo Piano)があります。1階は日本で言う2階です。
ダヴィデ像やミケランジェロの他の彫刻は、地上階にあります。2階(イタリアでは1階)は、ゴシック期の宗教画が展示されています。1階の右側エリアには、メディチ家のために作られたストラディバリなどの古楽器が展示されている楽器博物館があります。
最初に、ハイライトのダヴィデ像など地上階のを見学し、時間に余裕があれば2階の宗教画が地上階右側の楽器博物館を見学すれば良いでしょう。
地上階の見どころ
まず、地上階の必見作品をご紹介します。
コロッソの間
ジャンボローニャ『サビニの女たちの略奪』(1582)
最初に入場するコロッソの間(SALA DEL COLOSSO)の真ん中には、『サビニの女たちの略奪』(RAPE OF THE SABINES)が展示されています。マニエリスムの彫刻家ジャンボローニャの作品です。
女性が少なかった建国初期のローマ人が近隣のサビニ族の若い女性を拉致したという物語を表現しています。
シニョーリア広場にあるロッジア・ディ・ランツィにある『サビニの女たちの略奪』の原型として彫られたものです。
フィリッピーノ、ペルジーノ『十字架降架』(1503-1507)
コロッソの間には、フィリッピーノ・リッピ、ボッティチェリ、ペルジーノなどルネサンスの巨匠による絵画も展示されています。
フィリッピーノ・リッピは、フィリッポ・リッピの息子で、ボッティチェリに師事しました。
『十字架降架』は、フィリッピーノ死後、ペルジーノによって完成されました。
ペルジーノ『バロンブローザの祭壇画』(1500)
ペルジーノはペルージャ近郊に生まれたため、こう呼ばれましたが、本名はピエトロ・ヴァンヌッチと言います。
『バロンブローザの祭壇画』は、フィレンツェ近郊のバロンブローザ修道院の祭壇画として描かれました。一時期、ナポレオン軍によりパリへ奪われましたが、1817年に取り戻されました。
奴隷のギャラリー
続いて、奴隷のギャラリーへ移動します。目の前に、ハイライトのダヴィデ像が見えて、そちらへ行きたくなりますが、奴隷のギャラリーにも有名なミケランジェロの奴隷シリーズなどが展示されています。
『パレストリーナのピエタ』(1550-1560)
ミケランジェロが彫ったピエタは、有名なサン・ピエトロ大聖堂のピエタを含め4点が現存しています。
フィレンツェには、ドゥオモ付属美術館の『ドゥオモのピエタ』とこの『パレストリーナのピエタ』があります。しかし、『パレストリーナのピエタ』は長い間、パレストリーナの聖堂内に放置されていたため、贋作であるという説も有力です。
なお、残りの1つは、ミラノのスフォルツェスコ城にある「ロンダニーニのピエタ」です。
『ヒゲの奴隷』(1530)
ユリウス二世の霊廟に展示するための「奴隷(囚人)」シリーズとして掘られた彫刻4点が並んでいます。
ユリウス二世は霊廟の彫刻を制作させるためミケランジェロをローマへ呼び出しました。それなのに、システィーナ礼拝堂の天井画を優先して描かせることになり、奴隷シリーズの制作は頓挫しました。ミケランジェロは、本業である彫刻を制作したかったようですが、結果として世紀の傑作とされる「システィーナ礼拝堂天井画」を残したのは皮肉なものです。
ルーブル美術館にある有名な『抵抗する奴隷』も『瀕死の奴隷』も、同じ奴隷シリーズです。
『若い奴隷』(1530)
『目覚める奴隷』(1530)
『奴隷アトラス』(1530)
『使徒マタイ(サンマテオ)』(1505-1506)
ダヴィデ像が完成する間近の時期に、ドゥオモを飾るため12使徒の像を制作する計画が建てられました。
ミケランジェロがローマに出発する前の時期に、作成しはじめたのが、この使徒マタイの像です。ローマへ旅立ってしまったため、未完のまま、残されました。
ダヴィデのトリブーナ
アカデミア美術館の最大のハイライト作品がミケランジェロの『ダヴィデ像』(1501-1504)です。
旧約聖書に登場するダヴィデ王が青年時代に、ペリシテ軍の巨人ゴリアテを倒した物語を表現しています。
巨人ゴリアテとの戦いに臨み、ダヴィデは自信に満ち溢れた顔をしているようにも見えます。
ミケランジェロの彫刻はどれも、大理石から彫り出したとは思えない精巧さに驚かされるのですが、手の血管なども本当に生きている人間のようです。
ダヴィデ像は、ドゥオモの外壁の上部を飾るための12体の像の一つとして、ミケランジェロに依頼がありました。
ダヴィデ像は、台座を合わせると5m以上の大きさがあって驚きます。材料となった巨大な大理石は、もともと別の彫刻家がダヴィデ像を掘るために準備されたものです。契約した彫刻家は一部を彫ったあと、依頼を破棄してしまいました。
そのため、フィレンツェに放置された巨大な大理石にミケランジェロがダヴィデ像を彫ることになりました。
完成したダヴィデ像をどこに置くか、ダ・ヴィンチやボッティチェリを含むフィレンツェの有識者が議論しました。その結果、当初計画のドゥオモでなく、現在はダビデ像のコピーがあるヴェッキオ宮殿前に置くことになりました。
像を360度から鑑賞できるのは嬉しいところです。高い位置に置いて正面から見上げられることを前提にミケランジェロは彫ったため、すぐそばで横から見ると腕など上半身が大きめに見えてしまいます。バランスがおかしいと批判されることがあるので、ミケランジェロからすると、納得が行かないかもしれません。
背面から像を見ると、武器である投石紐が垂下がっているのを見ることができます。
19世紀の間
ダヴィデ像から通路を左側に進むと、突き当りに19世紀の間(Salone dell’Ottocento)への入り口があります。
もともと病院だった大きい部屋には、18〜19世紀に活躍したイタリアの彫刻家ロレンツォ・バルトリーニが作成した石膏像などが展示されています。
石膏像をもとに大理石像を彫刻したので、石膏像には採寸のための穴がたくさん空いています。
13~14世紀初頭の間
19世紀の間からダビデ像のある通路に戻ると、右側には13~14世紀初頭の間があります。
パチーノ・ディ・ボナグイダ『生命の樹』(1305-1310)
生命の樹はもともとエデンの園の中央に植えられていた木です。神から禁じられていた知識の実を食べてしまったアダムとイヴが原罪を負い、楽園から追放されてしまいました。絵の下の部分には、この様子が描かれています。
この絵は、アダムから引き継いだ原罪をキリストが自らの犠牲によって贖罪する、という教理を表現しています。枝にぶら下がる果実には、聖書の出来事が描かれています。
地上階の見どころは以上です。13~14世紀初頭の間からブックショップへ進むと、その先に階段があり、2階へ上がることができます。
2階の見どころ
2階には、フレンツェ絵画1370-1415の間(Pittura Fiorentina 1370-1415)があります。1370-1415年のルネサンス期以前の宗教画が展示されています。
ジョバンニ・デル・ビオンド『受胎告知』(1380-1385)
ビオンドはフィレンツェで活躍した国際ゴシック派の画家です。
カヴァルカンティ礼拝堂の祭壇画として描かれた絵画です。複数のパネルからなる多翼祭壇画になっています。
2階の見どころは以上です。
楽器博物館(Musical Instrument Museum)
アカデミア美術館に併設されている楽器博物館には、メディチ家とロレーヌ家が17世紀~19世紀にコレクションした貴重な楽器が50点ほど展示されています。
アカデミア美術館の入場者は、無料で見学できます。
楽器博物館の入り口は、地上階のコロッソの間(SALA DEL COLOSSO)の右側にあります。
見逃せないのは、メディチ家が所有したヴァイオリンの王様ストラディバリウスのコレクションです。
フィレンツェで最も古い、ピアノの原型チェンバロも展示されています。
以上がアカデミア美術館の必見作品、見学コースの説明です。
参考)アカデミア美術館の公式サイト
以上、ミケランジェロの傑作『ダヴィデ像』が展示される「アカデミア美術館」の公式サイトでの予約方法、見どころ、入場方法などを詳しくご紹介しました。