ミラノ(Milano)の地下鉄(メトロ)、トラム、バスを乗る時に必要になる切符の料金や買い方、また公式アプリでチケットを購入する方法を紹介します。
ミラノは地下鉄、トラム、バスの交通網が発達しています。公共交通機関を使いこなすと、ドゥオーモ、スフォルツェスコ城、最後の晩餐があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会など人気スポットを観光できます。
便利な公共交通機関ですが、スリや詐欺など犯罪も多発しているので十分すぎるくらい注意が必要です。特に注意が必要なのが切符を購入するときです。切符購入に気を取られている間に貴重品がすられたり、必要もないのに勝手に券売機を操作してチップをせびる人もいます。
最近、ミラノ交通局(ATM)の公式アプリで電子チケットを購入できるようになりました。アプリを使えば危険の多い券売機を使わなくてすみます。公式アプリのインストール方法やチケットの買い方も詳しく解説します。
2019年6月から料金システムが大きく変わりましたので、その内容も反映しました。
目次
ミラノの地下鉄/トラム/バス チケットの種類とお得なチケット
ミラノは地下鉄が発達しており主要な観光スポットをカバーしています。地下鉄/トラム/バスの切符は共通になっています。
主なチケットは以下の3つです。
・1日券(24時間):Daily ticket 7€
・3日券(72時間):3 days ticket 12€
※2019年6月以前と比べ、かなり値上がりしています
基本的には、1日の乗車回数や滞在日数で最適なチケットを選べば良いです。
ただし、ミラノでは、切符を買う際にトラブルにあいがちで、手間やストレスがかかります。実際に私も、券売機で切符を購入しようとしていたら横から勝手に券売機を操作してチップを要求されました。ですので、極力、1日券や3日券を購入することをお勧めします。
チケットはゾーン制になっていますが、ミラノの主要観光地は、1番中心のMi1-Mi3内にあります。Mi1-Mi3の範囲のチケットを購入すれば大丈夫です。国際見本市が行われるRho Fiera MilanoもMi3にあるので、この範囲の切符で行けます。
なお、ミラノには、ミラノカード(MilanoCard)という地下鉄/トラム/バス乗り放題+観光地の入場料割引がついた観光客用のパスがあります。ミラノカード(MilanoCard)は11€で、1日券との差額が4€です。入場料割引などの特典を考えると元が取れます。ただし、観光センターでしか購入できませんので、どこでも気軽に購入できる1日券でも十分だと思います。
ミラノカードについてこちらの記事で詳しく解説しています。
ミラノ公共交通のゾーン
上記のように主要観光スポットは。ACミランのスタジアムがあるサン・シーロ(San Siro)もMi1-Mi3の範囲内です。
大きなマップはATM公式サイトよりダウンロードできます。
ミラノの地下鉄/トラム/バス チケットの料金
2019年12月現在のチケット料金(Mi1-Mi3の範囲)は以下の通りです。1回券、10回券、1日券(24時間)、3日券(72時間)があります(イタリア語、英語の名称は下記を参照のこと)。他の種類の切符もありますが、観光客には不要かと思います。
チケットの種類 | 料金 |
---|---|
1回券 Ordinary ticket/ Biglietto ordinario ※90分間有効 | 2€ |
10回券 10 Trip tickets/ Carnet 10 biglietti | 18€ |
1日券(24時間券) Daily ticket/ Biglietto giornaliero | 7€ |
3日券(72時間) 3 days ticket/ Biglietto 3 giorni | 12€ |
以前は、フィエラ(見本市)へ行く専用のチケットがありましたが、Mi3に含まれたためなくなりました。
ミラノの地下鉄/トラム/バス チケット購入方法
地下鉄駅には自動券売機が設置されています。ただし、券売機は故障していることも多く、観光客を狙った詐欺っぽい行為をする人も近づいてきます。ですので、駅構内にあるキオスクで購入するのが便利なようです。1日券を購入したい場合は「ワンデーチケット」や「ビリエット・ビジョルナリエーロ」などとはっきり伝えれば購入できるでしょう。
最近は、ミラノ交通局(ATM)の公式アプリを使って、電子チケットを購入できます。トラブルに巻き込まれることが多い、自動券売機に近寄らなくてよいので大変便利です。購入方法や使い方を以下で説明します。難しくはないので、ぜひ試してみてください。ただし、当然ですが、スマホを取り出す機会が増えるのでスマホを盗まれないように注意してください。
ミラノ交通局 公式アプリでのチケット購入方法
ミラノ交通局 公式アプリでのチケット購入方法をご紹介します。1回券、1日券(24時間有効)を購入できます。3日券は購入できません。公式アプリはiPhone版とAndroid版があります。それぞれ下記のリンクからダウンロードできます。現地でインストールすると、通信料金がかかるので日本にいるうちにインストールしておくとよいです。
Android版は下記のアプリになります。Android版を対象に使い方を説明しますが、iPhone版もほぼ同じになります。
チケット購入時の支払いには日本のクレジットカードを使えます。ただし、Paypal経由になります。事前にPaypalの登録をしておいてください。ヨーロッパ旅行関連の支払いは、日本発行のクレジットカードだと決済に失敗することが多くあります。Paypal経由の支払いのほうがトラブルが少ないので、登録しておいて損はないと思います。
当たり前ですが、ミラノでアプリを使うにはスマホをインターネット接続する必要があります。イタリアを始めヨーロッパでプリペイドSIMを使って安くインターネット接続する方法を下記記事でご紹介しています。参考にしてください。
それでは、公式アプリでチケットを購入する方法を詳しく説明します。
まず、アプリをインストールして起動します。初回は位置情報のアクセスを許可するか、の確認があります。位置がわかったほうが便利なので私は許可しました。
Ticketsをタップします。右上の≡でメニューを開き、そこからTicketsを選ぶこともできます。
チケットを購入するには、ユーザー登録が必要なので、Login-Registerをタップします。
ユーザー情報の登録画面になります。下記の画面の通り、Name(名)、Surname(姓)、email(電子メール)、Repeat email(電子メール:確認用)、Password(パスワード)、Repeat Password(パスワード:確認用)、Mobile phone(携帯番号)を入力します。携帯番号は最初に81、次に携帯番号の最初の0をとった番号を続けます(例:818012345678)。すべて入力したら、利用規約の同意(I confirm…)にチェックして、Register(登録)をタップします。
登録したメールアドレス宛に、確認用の下記メールが届きます。イタリア語でよくわかりませんが、Clicca qui(ここをクリック)をクリックします。
メールアドレスの確認が完了したら、アプリに戻って、Purchase ticketsをタップします。
再度、ログイン画面が表示されます。先程登録したメールアドレスとパスワードでログインします。ログインに失敗することもありますので、何回か試して見てください(私は3回目に成功しました)。
指紋認証センサーのついたスマホだと、下記のように指紋認証でログインをするか、という確認が表示されます。YESで良いと思います。
ログインが完了すると、やっとチケットの画面が表示されます。Purchase with credit cardをタップします。
購入するチケットの枚数を選びます。Ordinary Ticket Mi1-Mi3:一回券、Daily Ticket Mi1-Mi3:1日券です。複数人で旅行する場合は、自動改札でスマホをかざす必要があるので、一人一人購入したほうが楽です。枚数を選択したら、Purchase(購入)をタップします。
Paypalでの支払いページに移動します。Log Inをタップします。
Paypalのアカウントの電子メール、パスワードを入力してログインします。
支払い方法を選択します。通常は登録したクレジットカードを選択すれば良いです。
支払い金額を確認して、同意して続行をタップすると支払いが実行されます。
少し時間がかかりますが、支払いが完了すると以下の画面になります。View your tickets(チケットを見る)をタップします。
購入したチケットが表示されます。使うときは、チケットを選びます。
使うときは、VALIDATE TICKETをタップします。そうするとQRコードが表示されます。
バスやトラムに乗車する場合は、検札が来たとき、有効になっているチケットをスマホの画面で見せます。
地下鉄に乗車するときは、自動改札に下の写真のQRコードを読み取らせる装置があります(写真がボケていますが、赤く光っているところ)。ここにスマホの画面に表示したQRコードをかざして入場します。
自動券売機の使い方
地下鉄の駅には、このような自動券売機が設置されています。画面は2019年6月以前のものなので、最新に機械でも購入できるよう変更点を補足します。
画面にタッチすると、言語の選択になります。ENGLISH(英語)を選択してください。
チケットの種類を選びます。一回券は、Standard tick. Mi1-Mi3 2 euroをタッチします。1日券、3日券を購入する場合は、その下のATM tickets that include Milanを選択します。
1日券、3日券を購入する場合は、次の画面で、One day ticket(1日券)やThree days ticketsを選択します。さらに次の画面でゾーンzones Mil-Mi3を選択します。
次の画面で枚数を変更できます。枚数を選択したら、クレジットカード、コインで支払います。コインの場合、画面に表示されているようにお釣り(change)は最大9.95€までしか出てこないので注意してください。なお、画面右のInsertの部分にCONTINUEボタンが表示されている場合は、タッチして支払い方法をCash(現金)かService/credit card(クレジットカード)か選択してください。
ミラノ 地下鉄(メトロ)の乗り方
ミラノ観光では地下鉄(METRO)を利用することが多くなると思います。便利な地下鉄ですが、その分、スリなどが頻発しているので十分に注意してください。カバンのファスナーなども知らないうちに開けられたりします。できればファスナーには鍵をかけておくと良いです(それでもカバンを切ってすられたりしますが)。
地下鉄駅の入り口には、以下の写真のようにMのマークが掲げられています。
ミラノ中央駅で鉄道から地下鉄に乗り換えるケースが多くあると思います。基本的にはMのマークの標識が出ているので、それに従って進みましょう。地下鉄の乗り場は、鉄道のプラットフォームを出て、そのまま階段などで1階まで下ります。
地下鉄の入り口には、自動改札があります。切符を黄色い部分に差し込みます。切符が上から出てくるので取り忘れないようにしてください。
アプリでチケットを購入した場合は、下の写真のようにQRコードを読み取らせる装置のついた改札から入場しましょう。
地下鉄駅の構内には、日本と同じ様に路線図や行き先が掲示されています。案内に従って、乗車するプラットフォームへ移動します。
プラットフォームには、到着する地下鉄の行き先、到着時刻が表示されています。地下鉄の本数は多いので、待ち時間は長くありません。
乗車時、扉が開かなかったら、扉にあるボタンを押して、開けます。
新しい車両には、ディスプレイに次の停車駅や乗り換えられる路線が表示されるので便利です。なお、以前は一度改札を出てしまうと切符は無効になりましたが、現在は時間内であれば、異なる手段での乗り換えも可能です。
ミラノ バスの乗り方
中心部から少し離れた観光スポットなど地下鉄では行きにくい場所に移動するとき、バスを使うケースが出てくると思います。
車内には、以下のような刻印機があります。最初に乗車するさいに、チケットを差し込んで時刻を印字しましょう。
車両の前方には、次の停留所が表示されているので、下車する停留場を確認してください。降りる際は、下車ボタンを押します。
ミラノ トラムの乗り方
ミラノ中心部で、歩くとちょっと遠い場所を移動するのに便利なのがトラムです。ただ、運行本数があまり多くない路線もあり、結局歩いたほうが早かったという場合も多いです。
トラムの停留所によって変わりますが、主要な停留所には以下のようにトラムの到着予定時間や行き先が表示されています。
トラムが到着したら、行き先を確認して乗車します。バスと同じように最初に乗るときは、切符を打刻機に通すのを忘れないようにしてください。
参考:ミラノ メトロ公式サイト
以上、ミラノの地下鉄、メトロ、バスなどのチケットの種類、料金、公式アプリなどについて解説しました。
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ミラノの地下鉄、トラム、バス乗り放題の券は2日間(48時間)がなくなり1日券と3日券に変わっております。
また、チケット購入画面も大幅に変わっています。
みや様
ご親切にコメントいただきありがとうございます。
5月に最新の情報に更新したばかりだったのですが、
7月から、ガラリとチケット・料金システムが変わってしまったようです。
時間が取れしだい、最新の内容に更新したいと思います。
確実な情報ではないのですが、ミラノの地下鉄は、タッチ式のクレジットカードで日本のsuicaのようにピッとタッチして改札を通れるようになったのでしょうか? もし可能であればそれは1回券扱いと同等?(1日の上限金額はなし?) またトラムやバスの状況はどうなのだろう? この辺りの情報を書いていただけると嬉しいです。
しば様
コメントありがとうございます。
はい、ミラノの地下鉄はタッチ決済に対応したVISA、MASTERのクレジットカードで乗車できます。
基本的な使い方、料金システムなどについては、下記のATM公式ページに解説があります。
https://www.atm.it/en/ViaggiaConNoi/Pages/contactless_cards_metro.aspx
下記、ご質問いただいた件を補足しておきます。
・料金は最安になるように計算されるそうです。1日の料金が1日券の金額を超えると、料金が引落されないようです。
・現在、地下鉄で乗車すれば、Mi1-3圏内のバス、トラムへの乗り換えは可能とのことです。ただし、バス、トラムから最初に乗車できないようです。
この制限は、意外と効いてきそうなので、当面は従来のチケットのほうが良いかもしれません。
以上、ご参考になれば幸いです。