バルセロナのシンボル「サグラダ・ファミリア」の見学に役立つ、行き方、入場方法、見学ルート、タワーの上り方、見どころ、お土産、撮影スポットなどの情報をどこよりも詳しく解説します。
バルセロナ、スペインにとどまらずヨーロッパを代表する観光スポットである「サグラダ・ファミリア」(Sagrada Família)には、たくさんの観光客が訪れます。
本記事では、大人気のサグラダ・ファミリアを満喫するために必要な情報をできるだけ詳しく掲載しました。見どころである生誕のファサード、受難のファサード、教会内部、タワーからの展望、博物館も、それぞれ詳しく解説しています。
特に、サグラダ・ファミリアを見学する上で悩む「生誕のファサード側のタワーか?受難のファサード側のタワーか?」については、両方のタワーへ実際に上った様子をレポートしています。
目次
サグラダ・ファミリア 営業再開後の情報(2022年7月)
サグラダ・ファミリアは2021年5月29日から営業が再開されており、現在は通常の営業に戻っています。
塔の見学も再開しています。チケット予約に関する変更点は別記事で解説しているので、こちらを参考にしてください。
サグラダ・ファミリア見学で知っておきたいこと
最初にサグラダ・ファミリア見学で知っておきたいことをまとめます。
サグラダ・ファミリアの歴史
サグラダ・ファミリア(Sagrada Família)の日本語での正式名称は「聖家族贖罪教会」です。
熱心なカトリック教徒であったアントニ・ガウディが生涯を徒して建築に従事したのが、このサグラダ・ファミリアです。
1882年に建設が開始されましたが、最初はガウディでなくフランシスコ・ビリャールが設計を担当していました。しかし、意見の対立からビリャールはすぐに辞任してしまいました。
後任としてガウディが引き継ぎ、1883年から事故で亡くなる1926年まで担当しました。その後は、ガウディの意思を受け続く建築家達に引き継がれ、現在は、9代目のジョルディ・ファウリが務めています。
サグラダ・ファミリアは世界遺産にも「アントニ・ガウディの作品群」の構成要素として、一部が登録されています。
1984年、ガウディの建築物が最初に世界遺産登録されたときは、グエル公園などが対象で、サグラダ・ファミリアは対象外でした。しかし、2005年の追加登録時に、サグラダ・ファミリアの生誕のファサードと地下聖堂が対象になりました(教会全体は未登録です)。
サグラダ・ファミリアはいつ完成するの?
永遠に完成しない建築物の代名詞にもなっていたサグラダ・ファミリアですが、ガウディの没後100周年にあたる2026年に完成が予定されています(コロナの影響で遅延)。建設当初は300年かかると言われていましたが、144年にまで短縮されました。
未完成なのは、本来の主たる出入り口である栄光のファサードと、中央に立つイエスに捧げる塔などです。完成イメージは、サグラダ・ファミリアが公式に公開している下記動画で見ることができます。
6年前に公開されたビデオなので、受難のファサードなど、すでに完成している部分も多くあります。
生誕のファサードにも完成後のサグラダ・ファミリアの模型が展示されています。こちらは、最新の様子ですが、受難のファサードの十字架はすでにあります。
私が最初にサグラダ・ファミリア訪問した10年前、ガイドさんから「完成にはあと50年くらいかかりそう。でも、お金さえあれば来年にでも完成する」という説明を受けました。
当時は冗談だと思って聞いていましたが、実際、入館料の値上げや建築技術の進歩により、劇的に工期が短縮されました。
私が訪問した日も事前に作られたパーツの取り付けが行われていました。
サグラダ・ファミリアの入場チケットは?
サグラダ・ファミリアの入場チケットは入場時間の指定制になっています。
世界有数の観光スポットなので、事前のオンライン予約がほぼ必須です。繁忙期はオンライン予約も完売になる可能性があるので、早めの予約が大切です。
サグラダ・ファミリアのハイライトの一つがタワーからの展望です。
生誕のファサード側か、受難のファサード側にそれぞれあるタワーのどちらかを選んで、チケットを予約します。
ご覧いただいてわかるように、眺望には劇的な違いはありません。
どちらを選ぶか悩みどころですが、両方上って比べてみた私の個人的な感想としては、ガウディ生存時から建設が進んでいた生誕のファサードの方が歴史を感じられて好みです。
別の選び方としては、生誕のファサードは北東向き、受難のファサードは南西向きなので、見学する時間帯に逆光にならない方を選ぶのもありだと思います。
サグラダ・ファミリアの入場チケットの種類、予約の手順など詳しい情報は、こちらの別記事で詳しく解説しています。まずはこちらを読んでチケットを予約してください。
見学時間の目安
サグラダ・ファミリアに到着後、普通に見学して2時間くらい、ゆっくり見学して3時間くらいが目安です。
入場に20~30分、ファサードや教会内の見学に40分~60分、タワーの見学に30分、博物館の見学やお土産購入に30分くらいの配分です。
サグラダ・ファミリアは違法建築?
サグラダ・ファミリアは、実は違法建築だったというトリビアも有名です。
といっても無断で建築しはじめたわけではありません。建設当初の1885年に許可は降りていましたが、その後のごたごたで、許可の更新手続きを忘れていたようです。そのため、違法建築の状態が長く続いていました。
2019年にようやく、教会側が47億円をバルセロナ市に支払うことで合意し、ようやく正式な建築物となりました。
それでは以降、見学の流れにそって行き方や見学ルートを詳しく解説します。
サグラダ・ファミリアへのアクセス
サグラダ・ファミリアのすぐ横には、地下鉄のサグラダ・ファミリア(Sagrada Família)駅があるので、アクセスは簡単です。カタルーニャ広場などバルセロナの中心部から20分くらいで着きます。
バルセロナの地下鉄の乗り方は、こちらの記事で詳しく説明しています。
サグラダ・ファミリア駅には地下鉄のL2、L5が通っています。地下鉄をサグラダ・ファミリア駅で下車すると、サグラダ・ファミリアの絵で経路が表示されているので、案内にしたがって進みます。
自動改札を出て、Sortida(出口)の方向に進みます。バルセロナの地下鉄は、降りるときに切符のチェックはありません。
地上にでれば、サグラダ・ファミリアの雄姿がすぐそばに見られます。
サグラダ・ファミリアへの入場の流れ
事前に、予約したチケットの内容をもう一度確認しましょう。サグラダ・ファミリアへの入場時間、どちらのタワーに上がるか、タワーのエレベーターに乗る時間が記載されています。
サグラダ・ファミリアへは、下の写真の生誕のファサード側から入場します。当日券を購入する場合は、チケット窓口が受難のファサード側にあります(記事の最後で紹介)。しかし、当日券は購入できないか、買えても遅い時間になるので、事前の予約をおすすめします。
生誕のファサードの前にある円形のステージの両脇が入場口です。右側が個人の入場口です。左側は団体専用です。私はオープン時間の9時入場のチケットを予約していました。オープン30分前の8:30は、ゲートが開いておらず人も並んでいませんでした。
下記はオープン2時間後の11時の様子です。時間指定なので長くはありませんが、行列が左右に出来ています。手荷物検査があるので、この状態だと、入場まで10分以上かかりそうです。
8:45くらいにはゲートが開いていたので、ちょっと早めに列に並びました。8:50くらいから手荷物検査がはじまりました。最初に手荷物検査を受け、次に入場チケットをスキャンします。
チケットのチェックが終わると、オーディオガイドを受け取ります。タワー見学のチケットは、オーディオガイドもセットになっています。オーディオガイドは公式スマホアプリで聞くように変わりました。
9時入場の場合、10分前には生誕のファサードのそばまで入場できます。しかし、教会内部には入れません。9時ちょうどに入場が開始されます。
入場開始までは完成後の教会のブロンズ像を見たり、オーディオガイドの①番目を聞いたりして、入場を待ちました。
サグラダ・ファミリアのマップ・見学ルート
生誕のファサードには下記の見学ルートのマップが設置されています。このマップにしたがって標準的な見学ルートをご紹介します。
※クリックすると拡大します
↓
③バジリカ(教会)内部をタワーのエレベーターの時間まで見学します。
↓
エレベーターの時間の少し前になったら、予約した②生誕のファサード側もしくは④受難のファサード側のエレベーターに乗りタワーに上がります。ピンク枠で囲った2個所がそれぞれのエレベーターの位置です。
↓
タワーから降りてくると、再び③バリジカ内部にでるので、見学し残したところを見学します。受難のファサード手前の右側には、聖具などが置いてある回廊があります。
↓
④受難のファサードを見学します。
↓
受難のファサードを左側に進むと、⑤博物館があるので見学します。
↓
博物館の出口に⑥ショップがあります。サグラダ・ファミリア・グッズをお土産に購入できます。
見学ルートはシンプルなので、大まかな見学の順序を把握しておけば迷うことはないと思います。ただ、博物館や回廊は見学を忘れがちなので、存在することは覚えておいてください。
教会内にも日本語のパンフレットが置いてあります。置いてある場所の一例が、生誕のファサード左側入口のインフォメーションです。
表紙に「ようこそ」と日本語で書かれたパンフレットが置いてあります。よく見かける下記のマップが掲載されています。
生誕のファサード
キリスト生誕の物語を表現しているのが生誕のファサードです。1892年に建設がはじまり、ガウディ死去の前年の1925年には、使徒バルナバの尖塔までが完成しました。その後、1930年までに残りの使徒ユダ、シモン、マティアの鐘楼が完成しました。
通常は、まず生誕のファサードを見学しますが、私は朝一の入場だったので、混雑する教会内を先に見学しました。
生誕のファサードには、出エジプトからキリスト生誕までの場面が彫刻で表現されています。
生誕のファサード前には、下記のボードがあります。ここに、彫刻が聖書のどの場面を表しているか説明されています。
彫刻の説明部分を拡大します。生誕のファサードには、希望の門、愛徳の門、信仰の門があります。
これらの彫刻は下記の場面を表しています。
②エジプトからの脱出
③幼児虐殺
④マリアの戴冠
⑤受胎告知
⑥キリスト降誕
⑦マギの礼拝
⑧羊飼いの礼拝
⑨神殿でのキリストの発表
⑩神殿でのキリストの説教
⑪聖母のエリサベト訪問
⑫大工として働くキリスト
⑬生命の木
希望の門には、エジプトから脱出するマリアたちや、キリストの誕生を恐れたヘロデ王がベツレヘムで2歳以下の男子を皆殺しにした場面の彫刻があります。
愛徳の門には、絵画でもよく描かれる有名なマリアへの受胎告知や、キリストの生誕(降臨)の場面の彫刻があります。
信仰の門には、教会で説教をするキリストや、大工であった父親ヨセフの手伝いをするキリストの場面の彫刻があります。
生誕のファサードのもう一つの見どころのサグラダ・ファミリアの主任彫刻家である外尾悦郎氏が制作したブロンズの門です。
バジリカ内部
教会に一歩足を踏みいれると、これまで見たこともない幻想的な空間が広がっています。
教会という概念が吹っ飛ぶような空間を創造したガウディと彼に続いた建築家達に感謝の念をいだいてしまいます。
オープンと同時に入場したので、人がかなり少ない状態で写真を撮ることができました(クリックすると拡大します)。
教会の中心には祭壇と礼拝席があります。教会の中でも神聖なエリアなので、礼拝席のエリアでは速やかに着席するように注意があります。写真を撮影する場合は、一度、着席してからにしましょう。教会なので当然ではあるのですが、礼拝席のエリアだけは厳しく指導があります。
中央には祭壇があります。祭壇には、キリスト像と天蓋があります。
サグラダ・ファミリアの天井は、樹木をイメージした壮麗なデザインです。礼拝席のエリアから見上げる天井はことさら美しいです。4つの柱には、福音書を記したマルコ、マタイ、ルカ、ヨハネの4人がシンボルで描かれています。例えば、イタリアのヴェネツィアの守護聖人としても有名なマルコは翼をもったライオンです。
教会内部を幻想的にしているのが周囲を取り囲むカラフルなステンドグラスです。森をイメージした緑や海をイメージした青など、自然をヒントに設計をしたガウディらしさを感じられます。
左右で色のことなるステンドグラスは日の当たり方で、内部の雰囲気を変えます。
後方には、今後建設中される本来の出入り口「栄光のファサード」があります。栄光のファサード完成時に取り付けられる扉が置いてあります。ガウディを支えた協力者として有名な建築家ジュゼップ・マリア・ジュジョールの作品です。
50ヶ国語以上の言語で、主の祈りが書かれています。日本語はSLAM DUNKの作者 井上雄彦が(も)書いたものです。
現在の栄光のファサードは、コンクリート打ちっぱなしのビルのような雰囲気です。完成までに、もう少し装飾されるのでしょう。
テーブルの卓上には、鏡が付いていて美しい天井を映しています。
私が訪問したときは、中心の尖塔を取り囲む4本の尖塔の頂上に取り付けられる彫像が展示されていました。
彫像も先程の天井と同じように4人の使徒のシンボルになっています。こちらは使徒マルコのシンボル羽をもった獅子です。獅子はキリストの威厳を表しています。
わしをシンボルにするのは使徒ヨハネです。なんでも見通す霊感を表しています。
翼の映えた牛をシンボルにするのはルカです。キリストによる犠牲を表しています。
シンボルは動物なのかなと思いきや、マタイは天使がシンボルです。人間性を表します。
教会の前方には、礼拝のスペースがあります。礼拝スペースの横には、ガウディらしいデザインの螺旋階段があります。
地下にある礼拝堂も見えます。世界遺産にも登録されている地下礼拝は、教会内からは入場できません。一度、教会(有料のエリア)から出て受難のファサード側にある入口から入場します。入場は無料です。
サグラダ・ファミリアも多くの教会と同じく十字架の形をした作りになっています。短い横の棒にあたるのが生誕のファサードと受難のファサードがある入口です。生誕のファサード側は、伝統的な装飾です。
入口横にあるステンドグラスは緑、青、オレンジが混じり合っていてカラフルです。
入場してすぐは教会内も人が少なかったですが、少しすると教会内は人で溢れかえります。午後に入場したときも人で溢れかえっていたので、朝一の入場したのは正解だったようです。
教会内部の見学に夢中になって、タワーのエレベーターの時間に遅れないように注意しましょう。
タワーの見学
タワーに上る5分くらい前になったらエレベーターへ向かいます。生誕のファサード側と受難のファサード側、それぞれについて見学の流れを紹介します。
基本的には同じ流れになるので、まず受難のファサード側の流れを詳細に説明し、次に生誕のファサード側の流れをポイントをしぼって説明します。
受難のファサード側のタワーの見学
エレベーターは、受難のファサードの出入り口の少し手前にあります。
教会内部側から見て、左側にエスカレーター乗り場があります。エスカレーターの列にならぶ前に、チケットのチェックがあります。なお、タワーを上るときはエスカレーターを使いますが、下りは階段になります。
タワー見学は通路が狭いところがあるので大きい荷物はロッカーに預けます。ロッカーはエレベーターの左側にあります。ロッカーの使用には、1ユーロのコインが必要です。1ユーロは使用後に返却されます。
エレベーターには、係員の指示にしたがって乗ってください。乗車まで2、3分待ちました。
エレベーター内に受難のファサード側の見学ルートが貼ってありました。メインの展望場所は真ん中のカメラマークが書かれている場所です。一番右のタワーから隣のタワーに移動する通路からも景色を見ることができます。
上りきると、一番右のタワーから隣のタワーに移動する通路があります。
メインの展望場所ではないので、こちらの通路は非常に狭いですが、景色を見ることができます。ここは、メインの展望場所より高い場所にあります。
メインの展望場所とこちらの位置関係は、下記のような感じです。
教会内に先端に付く彫像が展示されていたマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの塔と最も高いキリストに捧げる塔の建設が進んでいます。
通路を渡って隣の尖塔に移動したら、今度は螺旋階段を下ります。
ブリッジには、受難のファサードの彫刻の一つ「キリストの昇天」が付いています。復活したキリストが再び天に戻る場面なので、他の彫刻のはるか上空にあります。
バルセロナの街並みが、先程の通路より少し近くに見えます。受難のファサードは南西向きなので、午前中は順光です。
先程も見えた建設中の尖塔が真正面に見えます。ラテン語で栄光を表すGLORIAEと書かれています。
景色を十分に見終わったら、また元の尖塔に戻り螺旋階段を下ります。
螺旋階段には、ところどころ外の装飾を覗けるところがあります。後ろから降りてくる人のじゃまにならないよう見学しましょう。
生誕のファサード側のタワーの見学
基本的な流れは、受難側と同じなのでポイントをご紹介します。
生誕のファサード側のエレベーターは、入口を入ってすぐ右手にあります。訪問時は工事中だったので、下記のような掲示がありました。
左へいってすぐのところにエレベーター乗り場の入口があります。ここでチケット見せます。大きな荷物がある場合は、左側に見えるロッカーに荷物を預けます。
エレベーターを降りて、少し上ると展望場所のブリッジに出ます。受難側のブリッジより狭めです。受難側ではキリストの昇天が見られましたが、生誕側では生命の木が見られます。ハトが生命の木に集まっています。
生誕のファサード側から見えるバルセロナの街並みです。真下にガウディ公園の池が見えるのが一番の違いでしょうか。
見学が終わったらブリッジを渡り、螺旋階段を下ります。階段を下りきると、受難側と同じように教会内へ戻ります。
回廊と聖具室
受難のファサードの出口の手前、教会内部側から見て右側には、ドーロレス回廊と聖具室があります。
ドーロレス回廊は近代的な美しい装飾です。左右には展示物が並んでいます。
ガウディの最高傑作とされるコロニア・グエル教会のためにガウディが設計したベンチです。
一番奥には聖具室があります。司祭達はここでミサの準備をします。
回廊の見学を終えたら、受難のファサードの出口に戻ります。
受難のファサード
受難のファサードは、キリストの受難、復活を表現しているファサードです。ジュゼップ・マリア・ジュジョールの作品です。
受難のファサードとかなり異なるイメージのファサードなので、初めて見られると驚かれると思います。こちらにも生誕のファサードと同じように彫刻の説明のボードがあります。尖塔の真ん中あたりに昇天するキリストの彫刻があります。
これらの彫刻は下記の場面を表しています。
②キリストの捕縛
③ユダの裏切り
④むち打ち
⑤聖ペテロの否認
⑥この人を見よ
⑦ピラトの裁判
⑧キリストの終焉
⑨聖ベロニカとキリストの聖顔布
⑩馬上のロンギヌス
⑪キリストの衣装を賭ける兵士
⑫キリストの磔刑
⑬十字架降架
⑭キリストの昇天
中央には、磔にされたキリスト、十字架を背負ったキリストにベールを渡すベロニカなどの場面の彫刻があります。
ジュゼップの発想に驚くのは、入口の前に立つ柱としてキリストの捕縛の彫刻が配置されているところです。
馬に乗った兵士は、ロンギヌスの槍で有名なロンギヌスです。キリストの脇腹に槍を挿した人物です。その後、改心して聖ロンギヌスとなりました。お土産のモチーフとしても人気でショップにはグッズが並んでいます。
裏切ったユダが誰がキリストか口づけをしてローマ兵に教えているシーンです。後ろにある4✕4マスに書かれた数字は、サグラダ・ファミリアの魔方陣と呼ばれるものです。各列の和が33になっています。
「この人を見よ」(原題エッケ・ホモ)の場面です。荊の冠を被せられムチで打たれたキリストに対して、ユダヤ属州総督ピラトが発した言葉です。下に掘られているmt 27,19はマタイ伝27章19節を意味しています。
受難のファサード側の扉は、福音書が書かれており「福音の扉」と呼ばれています。
博物館
博物館には、サグラダ・ファミリア建設の歴史やガウディゆかりの展示品などがあります。通常のチケットで入場できます。博物館にはオーディオガイドが対応していないので、受難のファサードにある返却口で返してしまっても大丈夫です。
受難のファサードを教会の建物側から見て左手に進むと下の写真の博物館の入口があります。
入場してすぐの左側には、サグラダ・ファミリア建設の年表があります。1882年の建設開始、1883年ガウディ着任から完成予定の2026年まで続いてます。
この生誕のファサードの模型は、ジュゼップにより設計されたものです。パリで展示されていました。
展示の隣では先端部分の構造が説明されています。一番上が司祭の冠を、真ん中が杖を、一番下が指輪を表現しています。
ガウディのメッセージの書かれたボードが展示されています。現在もガウディの魂を引き継ぐ人々にとってサグラダ・ファミリアは完成に近づいています。
ジュゼップが作成したガウディの像です。ジュゼップ作だけあって受難のファサードの彫刻に似ています。
博物館の奥にはガウディのお墓がある地下礼拝堂を見られるスペースがあります。
ガウディは建物の構造を設計するために、逆さにおもりを吊るした模型(フニクラ)を作りました。
サグラダ・ファミリアの構造模型を技師さんが実際に作っている様子も見学できます。3Dプリンタ的な装置も見えます。これらの技術活用により大幅に工期が圧縮されました。
展示の最後には、サグラダ・ファミリアの設計を担当した彫刻家の名前が並んでいます。外尾 悦郎氏の名前があるのは日本人として誇らしいです。
ショップ・お土産
博物館の出口が教会の出口にもなっています。出口はショップにつながっています。
オーディオガイドをまだ返却していない場合は、ここで返却します。
以下、ショップで気になったサグラダ・ファミリアグッズを紹介します。
ポップなデザインのサグラダ・ファミリアが描かれたカップやタンブラーが並んでいます。
モザイク風のデザインのサグラダ・ファミリアの缶ケースです。中になにが入っているか確認するのを忘れました。
福音の門のデザインのしおりやポストカードです。レプリカの盾もあります。
ペン、ノートなどのステーショナリーやトートバッグも置いてありました。
受難のファサードで人気のロンギヌスのデザインのグッズです。サグラダ・ファミリアの魔法陣のグッズもあります。
レジ前には、0.7€~とお手頃な価格のしおりが並んでいます。
ショップを出ると、最初に入場した生誕のファサードの前の道路に戻ります。
サグラダ・ファミリア撮影スポット
サグラダ・ファミリアの内部の見学を終えたら、周囲からサグラダ・ファミリアの外観も見てみましょう。
定番の撮影スポットが、生誕のファサードの前にあるガウディ公園です。池越しに撮影する生誕のファサードが人気です。条件が良ければ、池に映る逆さサグラダ・ファミリアも撮影できます。写真だとわかりませんが、教会以上に周囲に人がたくさんいます。
受難のファサード側にもサグラダ・ファミリア公園があります。ただし、こちらは木が邪魔で遠目からは撮影できませんでした。
完成時には主たる入口になる栄光のファサードは、2019年秋時点では完成しておらず、建設中のビルといった風貌でした。
サグラダ・ファミリアの真北にはガウディ通りがあります。真っすぐ延びているので大きい障害物がなく、遠目からもサグラダ・ファミリアを撮影できます。
参考)サグラダ・ファミリア公式ページ
以上、バルセロナでダントツ人気のサグラダ・ファミリアについて行き方、入場方法、見学ルート、タワーの上り方、見どころ、お土産、撮影スポットなどを詳しくご紹介しました。
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