ドゥオーモの東隣にあるドゥオーモ付属美術館は、「天国の門」のオリジナルやミケランジェロの傑作「バンディーニのピエタ」が展示されている人気の美術館です。
本記事では、ドゥオーモ付属美術館(Museo dell’Opera del Duomo)の入場チケット、混みぐあい、見どころ作品、など見学に必ず役立つ情報をわかりやすく解説します。
目次
ドゥオーモ付属美術館の見どころダイジェスト
ドゥオーモ付属美術館は、ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)に関する貴重な遺物、遺産を展示している美術館(博物館)です。
ドゥオーモ装飾のために作られた彫刻、門、レリーフなどは、風雨による劣化を防ぐため、現在は多くが付属美術館に展示されています。
美術館は、大聖堂建設を管理するために1296年に建設された建物を利用しています。美術館として正式に公開されたのは1891年からです。
最大の見どころは、サン・ジョヴァンニ大聖堂の東扉、ギベルティ作「天国の門」のオリジナルです。
「天国の扉」と並んで、北扉の「キリストの生涯」のオリジナルも展示されています。
また、ルネサンス最高の彫刻家ミケランジェロの『バンディーニのピエタ』も未完成ながら、精巧に作られた傑作で、見逃せんません。
また、贖罪の様子が見事に表現されているドナテッロ『マグダラのマリア』(1453-1455) も人気の作品です。
この他のドゥオーモ付属美術館の見どころ作品については、記事後半で詳しくご紹介します。
ドゥオーモ付属美術館の混みぐあい
他の施設と比べると空いて、またずに入場できました。
ドゥオーモ付属美術館の入場チケット
ドゥオーモ付属美術館はどのパスを購入しても見学することができます。
ドゥオーモ付属美術館での写真撮影は?
ドゥオーモ付属美術館は、写真撮影が可能です。
見学時間の目安
ドゥオーモ付属美術館の見学時間は約1時間です。
入場の流れ・当日チケットの購入
ドゥオーモ付属美術館は、大聖堂の東側(クーポラ側)の道を挟んだ向かいにあります。
黄色の壁の建物がドゥオーモ付属美術館です。中央にある入り口から入ります。
ドゥオーモ付属美術館のチケット窓口は、他のチケット窓口と比べて空いていて、コロナ前は現地でチケットを購入する場合は、おすすめの購入場所でした。現在はクローズしているので利用できません。
ドゥオーモ付属美術館のマップ
現地でもらえる公式パンフレットのマップを引用します(クリックで拡大)。マップ上に見どころ作品の場所がわかりやすく書かれています。
ドゥオーモ付属美術館は、地上階(0階)、2階(イタリアでは1階)、3階、4階の4フロアあります。美術品は、地上階から3階に展示されており、4階はドゥオーモのクーポラを眺められるテラスになっています。
ドゥオーモ付属美術館の見学コース・必見作品
地上階(0階)の見どころ
まず、地上階の必見作品をご紹介します。
カマイーノ『キリストの洗礼』(1320) :Room 5
カマイーノは、シエナ生まれの彫刻家です。
この『キリストの洗礼』は、サン・ジョヴァンニ洗礼堂の扉の上にあった彫刻だと言われています。
ギベルティ『天国の門』(1452) :Room 6
サン・ジョヴァンニ礼拝堂の東の扉「天国の門」のオリジナルが展示されています。
「天国の門」は制作者のギベルティが名付けたものでなく、ミケランジェロがこの門の素晴らしさに感嘆して「天国の門」と読んだのが由来になっています。
10枚のパネルには、旧約聖書の「アダムとイブ」などの物語が描かれています。
ギベルティの技術は、当時の時代を超越しており、精巧に細工されています。
「天国の門」の右側には、北の扉「キリストの生涯」のオリジナルも展示されています。
アルノルフォのファサードの復元模型 :Room 6
ドゥオーモは19世紀後半まで、アルノルフォ・ディ・カンビオが設計したファサードになっていました。現在のファサードは、19世紀末に改装されたものです。
第6展示室では、オリジナルのファサードの下部分が巨大な模型で再現され、飾られていた彫刻が展示されています。
このオリジナルのファサードは下部分だけ完成し、上部はこのように未完成のまま放置されました。
アルノルフォ・ディ・カンビオ『ガラスの目を持つ聖母子』(1300-1306) :Room 6
オリジナルのファサードをデザインしたアルノルフォの彫刻です。ファサードの中央の扉の上部に置かれていました。聖母マリアの目はガラス細工でできています。
アルノルフォ・ディ・カンビオ『ボニファティウス8世』(1290) :Room 6
ドナテッロ『使徒ヨハネ』(1408) :Room 6
ドナテッロ『マグダラのマリア』(1453-1455) :Room 8
初期ルネサンスを代表する彫刻家ドナテッロが制作したマグダラのマリアの木像です。
宗教画では美しく若い女性として描かることもマグダラのマリアですが、ドナテッロの像からは、贖罪を尽くした生涯が迫力を持って伝わってきます。
ミケランジェロ『バンディーニのピエタ』(1547-1553) :Room 10
「天国の門」とならぶ付属博物館のハイライト作品がミケランジェロの「バンディーニのピエタ」です。
ミケランジェロのピエタは、4つ(3つの説も)現存していますが、このピエタは、自分の墓所に飾るために作られました。
しかし、ミケランジェロは途中で像を破壊し、製作を放棄してしまいました。そのため、腕はに修理跡が残り、左足は無くなったままになっています。
イエスを抱き上げる3人は、左からマグダラのマリア、ニコデモ、聖母マリアです。マリアは未完成です。
未完成ながらも、他のミケランジェロ作品と同じく圧倒的なパワーを感じる彫刻でした。
2階(1st Floor)の見どころ
『クーポラの木造』:Room 15
ブルネレスキが設計したドゥオーモのクーポラの木造模型が展示されています。
※この写真は15室でなく、1階上の18室から撮影したものです。
ドナテッロ『カントリア』(1433 – 1438) :Room 23
カントリアとは、聖歌隊席の装飾のことです。付属美術館には、ドナテッロとルカ・デッラ・ロッビアがそれぞれ制作した美しいカントリアが展示されています。
ドナテッロのカントリアの対面にあるのが、ルカ・デッラ・ロッビア制作のカントリアです。
アントニオ・デル・ポッライオーロ『サン・ジョヴァンニの十字架』(1457-1459) :Room 25
画家・彫刻家でもあった金細工師のポッライオーロらよって作成された銀箔で装飾された十字架です。サン・ジョヴァンニ洗礼堂に飾られていました。
ヴェロッキオら『サン・ジョヴァンニの銀祭壇』(1367-1483) :Room 25
サン・ジョヴァンニ礼拝堂に飾られていた銀の祭壇です。100年以上の歳月をかけ、ミケロッツォ・ディ・バルトロメオやヴェロッキオなど多くの芸術家の手で制作されました。美しいレリーフがはめ込まれています。
3階(2nd Floor)の見どころ
ジョバンニ・バルドゥッチ『十字架を運ぶキリスト』(1589) :Room 17
4階(3rd Floor)の見どころ
4階はテラスになっていて、ドゥオーモのクーポラを間近から見ることができます。
以上、ドゥオーモ付属美術館の必見作品、見学コースの説明です。
ドゥオーモ付属美術館の営業時間・休館日
開館時間
・毎日:09:00 – 19:30(19:45クローズ)
新型コロナ対策期間
・要事前予約のため、予約サイトで開館時間を確認してください
休館日
・毎月第一火曜日
・1月1日、イースター、12月25日
営業時間の変更などもありますので、公式サイトの営業時間もチェックしてください。
営業時間(ドゥオーモ付属美術館公式サイト)
参考)ドゥオーモ付属美術館の公式サイト
以上、ギベルティの「天国の門」、ミケランジェロの『バンディーニのピエタ』などが展示される「ドゥオーモ付属美術館」の見どころ、入場方法などを詳しくご紹介しました。
大聖堂、サン・ジョヴァンニ礼拝堂、クーポラ、ジョットの鐘楼など、ドゥオーモの他の施設の説明は以下をご覧ください。