「ピサの斜塔」の予約方法、見どころを分かりやすく解説

フィレンツェ

人気の世界遺産「ピサの斜塔」のチケット予約方法入場料混みぐあい所要時間など、見学に役立つ情報をわかりやすく解説します。

フィレンツェから地中海側に電車で約1時間行ったところに斜塔で有名なピサ(Pisa)があります。中世はヴェネツィアなどと肩を並べる豊かな海運国家でした。その財力で作られたのがピサの斜塔や大聖堂です。

ピサの斜塔は地盤工事の成果で、傾くのは止まっています。しかし遺跡保護のため、塔に登る人数が制限されています。そのため、閑散期を除き、事前に塔の入場チケットを予約しておく必要があります。

本記事では、 ピサの斜塔のチケット予約方法について詳しく解説しています。

なお、フィレンツェからピサへ観光に行く場合の詳しい行き方を下記記事で解説しています。ピサ中央駅から斜塔のあるドゥオーモ広場へのアクセスについても詳しく紹介しています。

ピサの斜塔の攻略ポイント

ピサの斜塔見学の計画をたてる上で、知っておきたい攻略ポイントをまず解説します。

攻略1: ピサの斜塔を見学するには?

「ピサの斜塔」は誰もが知っている有名な世界遺産です。この高さ55mの傾いた塔の頂上には、実際に登ることができます。

ただし、登れる人数が制限されているので、時間指定制のチケットがないと入場できません

チケットは人数に余裕があれば当日購入することもできますが、購入できないケースも多いので、閑散期以外は事前のオンライン予約をお勧めします。

ピサの斜塔があるドゥオーモ広場には無料で入場できるので、外からの見学は予約も要りませんし、無料です。夜はライトアップされていて、ちょっと違ったピサの斜塔を見ることができます。

攻略2:混雑具合は?

上記の通り、入場人数が制限されているので、入場のための長い行列ができる、ということはありません。

その代わり、夏休みなどの繁忙期は満席で予約できなかった、ということもよくあります。

公式サイトでのオンライン予約は20日前から開始します。ですので、繁忙期に訪問予定の方は、予約期間になったら、なるべく早めに予約することをお勧めします。遅れると、希望の見学時間帯が予約できなくなる場合もあります。

訪問日が混雑しているかどうかも公式サイトの予約状況から判断できます。

公式サイトでの予約は英語での手続きになります。予約方法を記事中で詳しく説明しているので参考にしてください。

なお、フィレンツェからピサに行かれる場合は、斜塔入場付きのツアーも催行されています。自分で予約をせずに斜塔へ登ることができます。

一番人気は以下の日本語ガイド付きツアーのようです。口コミもたくさん登録されています。

フィレンツェ発ピサ半日観光ツアー(斜塔入場選択可)の予約・口コミ(VELTRA)

攻略3:見学時間の目安

斜塔の見学は、基本的に登って降りるだけなので30分くらいで終わります。大聖堂(ドゥオーモ)など、他の見どころもあるのでトータルの所要時間は1時間~1時間30分くらいが目安です。

ピサの斜塔の入場料・安く買えるか?

ピサの斜塔の入場料

ピサの斜塔の入場料18€です。

公式サイトでのオンライ予約も当日の窓口購入も同じ値段です。

なお、斜塔のあるドゥオーモ広場には、他にも以下の観光スポットがあります。

★ピサ大聖堂(Cathedral)
・洗礼堂(Baptistery)
・納骨堂(Camposanto)
・オペラ博物館(Opera Museum)
・オペラ庭園(Opere Palace)※休館中
・シノピエ美術館(Sinopie Museum)※休館中

斜塔と合わせて見学しておきたいピサ大聖堂(Cathedral)は入場無料です。ただし、無料の入場チケットをチケット売り場で発行してもらう必要があります。斜塔のチケットを購入しておけば、そのチケットで大聖堂に入場できます。

洗礼堂(Baptistery)、納骨堂(Camposanto)、オペラ博物館(Opera Museum)は有料です。以下の通り、1ヵ所 5€、2ヵ所 7€、3ヵ所 8€の入場料が必要です

チケットはチケット窓口で購入するか、斜塔のチケットと合わせてオンライン購入することができます。

安くチケットを予約できる日本語サイトはあるか?

公式サイトは英語での予約になるので、日本語で安く予約できるツアー会社がないか調べてみました。

公式サイト
Voyagin ピサの斜塔 予約
GetYourGuide ピサの斜塔 予約

※2020年2月調査(最新価格は各サイトをご確認ください)

調査結果: ピサの斜塔のチケットを取り扱っているツアーは少なく、いずれも手数料がかかります。日本語予約で最安は、Voyaginでした。

手数料がかかりますので、英語での予約で問題なければ公式サイトでの予約をお勧めします。予約方法は次の項目で詳しく説明します。

日本語予約で最安のVoyaginは、20日以上前から予約を受け付けています(20日前になったら実際に予約をするのでしょうか)。20日前にならなくても、先に予約しておけるのは便利そうです。

ピサの斜塔 チケットの予約(Voyagin:日本語)

なお、GetYourGuideは公式サイトと同じ20日前からの予約です。

フィレンツェからピサへ行く場合は、ピサの斜塔の入場付きツアーが催行されています。

日本語ガイド付きツアーはバリエーションが多くなく、人気があるのは以下のツアーのようです。

フィレンツェ発ピサ半日観光ツアー(斜塔入場選択可)の予約(VELTRA)

英語ガイドのツアーで良ければ、以下のツアーは30€くらい安くなります。

フィレンツェ発斜塔入場付きピサ1日ツアー(英語ガイド)の予約(GetYourGuide)

ピサの斜塔 公式サイトのチケット予約手順

ピサの斜塔 公式サイトでのチケット予約方法を解説します。

(1)チケット予約ページにアクセス

まず、ピサの斜塔のチケット予約ページにアクセスします。

ピサの斜塔 公式サイト チケット予約(英語)

(2)入場日を選択

アクセスすると以下の画面が表示されます。入場日を選択します。チケットは20日前から前日まで予約できます。

(3)購入するチケットを選択

Towerが斜塔のチケットです。斜塔のチケットを予約する場合は、Towerの横のFORWARD(進む)をタッチします。

ピサ大聖堂(Cathedral)は入場無料です。斜塔のチケットを持っていれば入場できます。洗礼堂(Baptistery)、納骨堂(Camposanto)、オペラ博物館(Opera Museum)に入場するチケットも同時に購入することができます。オペラ庭園(Opere Palace)、シノピエ美術館(Sinopie Museum)は2020年3月現在、休館中です。

(4)入場時間と人数を選択

次に入場時間と人数を選択します。時間ごとに入場できる人数が決まっています。vacancies Xが残りの予約可能人数です。選択したらADD TO SHOPPING CART(カートに追加)をタッチします。

予約に間違いかないか確認し、購入するチケットをチェックしてSELECT(選択)をタッチします。

(5)購入者情報を入力

続いて、購入者情報の入力画面になります。

以下の通り、first Name(名前:ローマ字)、last name(名字:ローマ字)、e-mail(電子メール)、re-enter email(電子メール:確認)を入力します。telephone(電話番号)は任意なので入力しなくても大丈夫です。

利用規約を確認して同意をチェックしたら、PROCEED(進む)をタッチします。

(6)クレジットカード情報の入力

最後に、支払いに使うクレジットカードの情報を入力します。

以下の通り、Card Number(カード番号)、Expiry date(カード有効期限:月/年の順)、Secure Code(カード裏面の3桁数字)を入力します。Buyer Name(購入者)、Buyer Email(購入者の電子メール)は自動的に入力されます。入力したら、PROCEED(進む)をタッチします。

(7)購入完了

正常にクレジットカードの決済が完了すると、購入完了画面が表示されます。しばらくすると電子メールにチケットが添付されて届きます。完了画面から電子チケットをダウンロードすることも可能です。

メールが届かない場合は、迷惑メールに分類されていないか確認してください。私が購入したときは、****@opapisa.itからメールが届きました。

電子チケットは、以下のようにバーコードが含まれたPDFです。右上には、入場できる施設に*マークが付きます。

ピサの斜塔 チケットのキャンセル・変更・再印刷

チケットは、公式サイトの以下のURLからキャンセル・変更・再ダウンロードができます。

ピサの斜塔チケット キャンセル/変更/再印刷(公式サイト)

以下の画面から、オーダー番号(order code)と購入時に登録した電子メールでログインします。

ピサの斜塔の営業時間・休館日

ピサの斜塔は、季節によって開館時間が変わります。

基本的には、9時に開館し、夏期は20時、春秋期は19時、冬期は17時に閉場します。

休場日はありませんが、日付によって営業時間が細かく変わるので、夏期公式サイトで営業時間を確認してください。斜塔の営業時間は、Towerの個所です。

営業時間(ピサの斜塔 公式サイト)

ピサ・ドゥオーモ広場へのアクセス

フィレンツェからピサ中央駅で電車で移動する方法、ピサ中央駅からバスまたは徒歩でドゥオーモ広場へ行く方法を下記記事で詳しく解説しています。こちらを参考にしてください。

ピサ・ドゥオーモ広場のマップ

ピサの斜塔があるピサ・ドゥオーモ広場のマップです。

大聖堂(ドゥオーモ)を取り囲むように斜塔、洗礼堂、納骨堂などの見どころが囲んでいます。斜塔は、そもそも大聖堂付属の鐘楼(鐘を鳴らすための塔)ですので、大聖堂が中心にあるのは当たり前といえば、当たり前です。

斜塔を見学時は、スマホ・カメラなどを除きバッグなどの手荷物を一切持ち込めないので、地図右上にあるクロークで先に荷物を預けて置く必要があります。

ピサの斜塔 入場方法・当日チケットの購入

チケットの当日購入

入場人数に余裕があれば当日でもチケットを購入できます。ただし、空きがあっても何時間か先の枠で、待たなくてはいけないこともあります。しかもピサは時間を潰しにくいです。

ですので、事前予約をしておくか、予約サイトで空きがあることを確認しておくことをお勧めします。

チケット売り場は、上記マップの右上の位置にあります。他にもチケット窓口があるので、混雑している場合は、そこでも購入できると思います。ただし、塔の見学前に荷物を預けるクロークは、この隣にあります。

チケット売り場には、時間帯ごとの予約可能人数が表示されています。私が訪問した9月上旬の朝一は、当日にも予約がありました(午後になると埋まってくると思います)。

売り場の横のディズプレイにも空き状況が表示されていました(左下)。

クロークに荷物を預ける

クロークの入り口がチケット売り場の左側にあります。斜塔には、バックパックや小さいショルダーバッグも持ち込めないので、スマホ、カメラなど以外は事前にクロークに預けて置く必要があります。

クロークに行列ができることも多いので、時間の余裕を持って行くとよいと思います。ただし、早すぎると逆に荷物を預かってもらえないことがあります。15~20分前に状況を確認すると良いでしょう。

塔の前で待機

荷物を預けたら、塔の入り口の前で待ちます。私はオープンの9:00を予約していました。20分前に行ったら、誰もいませんでした。

時間が近づくと列ができます。入り口でチケットを提示するので準備しておきましょう。

ピサの斜塔の歴史

登る前に、斜塔について知っておいたほうが楽しめると思うので、歴史を簡単に紹介します。

ピサの斜塔は、1173年に建設が始まりました。隣にある大聖堂付属の鐘楼です。今でも時間になると鐘の音が響きます。

建設開始直後から塔が傾き始めたので、工事が何度も中断し、塔が完成したのは200年後の1372年です。

頂上部分だけ傾きが少ないのは、完成する前から傾いていて、最後、帳尻を合わせようとした証拠です。

もともとは100mを超す高さで建築される予定でしたが、傾いたため現在の55mの高さになりました。

最大で5.5度も傾きましたが、1990年から11年を掛けて地盤の改良工事が行なわれて、傾斜も3.9度まで戻りました。

塔の見学では、頂上と1段下の階で外に出ることができます。

ピサの斜塔の見学

チケットのチェックを受けたら、いよいよ塔に入場します。

塔の中心は空洞になっています。前の鉄柱は垂直に立っています。柱に対して明らかに傾いている床に、驚かされます。

塔の中心から見上げた写真です。塔が傾いているので、垂直にたっている鉄棒と塔の線がクロスしています。

螺旋状になった階段を約300段登ります。大理石でできた階段は傾いていて、かつ、滑りやすいので注意してください。滑りにくい靴を履いておくと安心です。

この写真と、一つ上の写真をよく見比べてみてください。上の写真は階段の外側がすり減っているのに対し、下の写真は内側がすり減っています。どちらかが塔の傾いた側の階段ですが、どちらでしょうか?平衡感覚が狂うので、軽く酔う人もいるようです。

先程の正解は、すぐ上の写真が傾いた側の階段です。階段の内側が真上になるので、まっすぐ立つと足元が階段外側に来るからです。螺旋階段を上がっていると、時々、外を覗けるところがあります。

登り始めて5分くらいで頂上の1つ下の階に到着しました。もともとは柱だけなので、鉄のフェンスが付いています。

十字形をしたドゥオーモの屋上が見えます。

斜塔の柱越しに見るピサの町並みです。

1つ下の階の見学を終えたら、頂上まで最後の狭い階段を登ります。

ついに頂上に付きました。頂上には、下からも見えた採光のための穴があります。現在はガラスがはめられています。

頂上には斜塔の本来の、鐘楼の役目を果たすための鐘がたくさん取り付けられています。頭上にあるのはピサ共和国の旗です。赤地に白の十字がデザインされています。

ちょうど鐘がなり始めたの動画を撮影しました。

外から見ると頂上は傾きが少ないように見えますが、頂上の床=傾いた塔の天井です。ですので床はかなり傾いています。倒れた方向に移動するのが特に怖かったです。

傾いた一番下の部分です。下を見るとオーバーハングしているのがわかります。ガリレオがピサの斜塔から鉄球を落としたという話もありますが、どうやら作り話のようです。ただし、ここからなら鉄球の落とし甲斐があります笑

見学を終えたら階段を降ります。

ピサ・ドゥオーモ広場の見どころ

斜塔以外の見どころを簡単に紹介します。大聖堂は無料ですし、ぜひ見学してください。

ピサ大聖堂(Cathedral)

斜塔と並んで見逃せないのが、ピサ・ロマネスク様式の傑作「ピサ大聖堂」(ドゥオーモ)です。

ファサードには、ロマネスク様式の特徴である列柱と半アーチが4層に積み重なっています。

大聖堂への入場は無料です。ただし、入場者数が制限されているので、チケット売り場でチケットを発行してもらう必要があります。斜塔のチケットを持っていれば、それを見せて入場できます。入場に長い列ができていることもあります。

内部には美しい列柱が並んでいます。円柱は、シチリア島のパレルモから戦利品として運ばれてきたと言われています。

大聖堂の見どころの一つが、身廊の中央にあるブロンズ製のランプです。ガリレオが、このランプが揺れるのを見て「振り子の等時性」を発見したという話が伝わっていますが、残念ながら作り話です。

美しい彫刻がほどこされた説教壇も見どころの一つです。

洗礼堂(Baptistery)

大聖堂の入り口と向き合って建っているのが洗礼堂です。白大理石でできた美しいロマネスク様式の列柱が並んでいます。着工は斜塔より20年前で、完成までに200年かかりました。中には、洗礼のための浴槽があります。

納骨堂(Camposanto)

大聖堂の北側にある建物です。美しい回廊を持つ中庭があります。キリストが処刑された「ゴルゴダ」から十字軍が運んだ土が運ばれた場所です。

<出所>DnaX / CC-BY-2.0

オペラ美術館(Opera Museum)

斜塔の隣にある美術館です。ピサーノによる聖母子像のオリジナルなど、大聖堂の彫刻などのオリジナルが展示されています。

シノピエ美術館(Sinopie Museum)

ドゥオーモ広場の南側にある美術館で、もともとは病院だった建物です。シノピエとはフレスコ画を描くために使われる下絵のことです。シノピエ美術館には、この下絵の傑作が展示されています。

2020年2月現在、改装のため休館中です。

以上、ピサの斜塔の予約方法や見どころを詳しくご紹介しました。

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