ヴェネツィア随一の人気観光スポットドゥカーレ宮殿の見どころ、チケット、シークレットツアーの参加方法、混雑ぐあい、などを詳しく解説します。
世界遺産でもあるドゥカーレ宮殿(ドージェ宮)はティントレットの絵画「天国」、黄金の階段など、見どころが多くあり絶対に見逃せない観光スポットです。
サン・マルコ寺院の評判にガッカリだったという口コミが多いのに対し、ドゥカーレ宮殿の口コミは「絶対見るべき」「ベネチアで一番良かった」など好意的なものがほとんどです。
ドゥカーレ宮殿は、通常コースでは見学できないカサノヴァを収容した牢獄や拷問部屋など見学できる特別なシークレットツアーが用意されています。
チケット購入に長い列ができる通常の見学と違ってシークレットツアーは優先入場ができるので混雑回避にも役立ちます。このシークレットツアーに参加した体験レポートもご紹介します。
目次
ドゥカーレ宮殿への新型コロナの影響
新型コロナの影響で休館していたドゥカーレ宮殿ですが、6月13日から営業を再開しています。
ドゥカーレ宮殿の攻略法
記事後半で見所、料金、予約方法、混雑ぐあいなどを詳細にご紹介しますが、まずはドゥカーレ宮殿を見学する上で知っておきたい攻略法を簡単に解説します。
・ドゥカーレ宮殿とは?:ドゥカーレとは、イタリア語で総督のことです。海洋国家イタリアのトップである総督邸件政庁でした。ヴェネツィアの中心地サン・マルコ広場に面して建っています。創建は8世紀で、その後14-16世紀に改修されて現在の形になっています。中世ヨーロッパを席巻した海洋商業国家「ヴェネツィア共和国」の財力をつぎ込んだ豪華な建物です。世界遺産「ヴェネツィアとその潟」としても登録されています。
・ドゥカーレ宮殿の見所:ため息の橋、ティントレットの絵画「天国」、「黄金の階段」、「(新)牢獄」です。
普段は外から見る「ため息の橋」から逆に眺めることができます。
大評議の間にある世界最大の油絵ティントレットの「天国」の迫力には圧倒されます。
・シークレットツアー:通常の見学コースでは見ることができない特別なツアーが「シークレットツアー」です。カサノヴァが投獄された「鉛の牢獄」、拷問部屋なども見学できます。
下の写真のように重厚な秘密の扉をあけてシークレットツアーはスタートします。
・混雑ぐあい:サン・マルコ寺院の次に混雑しますが、夏休みなど一番混んでいる時期を除けば1時間以上並ぶ、ということはなさそうです。予約は必須ではありません。シークレットツアーに参加すれば、行列を回避できます。
・ドゥカーレ宮殿 見学時間・所要時間の目安:通常コースが1.5~2時間、シークレットツアーに参加するとさらに1.5時間かかります。ヴェネツィア一番の見所といっても過言でないので、ゆっくり時間をとって見学することをお勧めします。
ドゥカーレ宮殿の入場料・チケット
ドゥカーレ宮殿は単体での入場チケットが販売されておらず、下記2種類の共通チケットを購入する必要があります。
①サンマルコ広場ミュージアムチケット(ST. MARK’S SQUARE MUSEUMS TICKET):€20
・対象博物館・美術館:ドゥカーレ宮殿(Doge’s Palace)、コッレール美術館(Museo Correr)、 国立考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale)、マルチャーナ図書館(Monumental Rooms of the Biblioteca Nazionale Marciana)に入場可
・3ヶ月間有効
②ミュージアムパス(MUSEUM PASS):€24
・対象博物館・美術館:サンマルコ広場ミュージアムチケットに加えて、カ・レッツォーニコ(Ca’ Rezzonico – Museum of 18th-Century Venice)、モチェニゴ博物館(Museum of Palazzo Mocenigo)、 カルロ・ゴルドーニの家(Carlo Goldoni’s House)、カ・ペーザロ(Ca’ Pesaro – International Gallery of Modern Art + Oriental Art Museum)、ガラス博物館(Glass Museum – Murano)、レース博物館(Lace Museum – Burano)、自然史博物館(Natural History Museum)
・フォルチュニイ宮(Palazzo Fortuny)、時計塔ツアー(Clock Tower)は含まれません
・6ヶ月間有効
なお、シークレットツアーは€20.5(オンライン予約)です。シークレットツアーはドゥカーレ宮殿しか見学できませんが、通常のコースの自由見学の料金も含まれています。シークレットツアーは割高になりますが、ドゥカーレ宮殿のみを見学するという場合は、サンマルコ広場ミュージアムチケットの値段と大差がありません。上のどちらかの共通券を購入していると、シークレットツアーが割引価格で予約できますが、割引額は€6(€20.5⇒€14.5)なので、あまりお得ではありません。
個人的な意見ですが、美術館・博物館が大好き、ヴェネツィアにゆったり滞在する、ということでなければ、ほかの美術館・博物館は、そこまで必見とも思えないので、ドゥカーレ宮殿に絞って、シークレットツアーも予約して、じっくり観光するのが良いと思います。
ドゥカーレ宮殿の混雑
人気の観光地なので行列はできますが、夏休みなどのピークを除けば、予約しなければ見学できない、というほどではなさそうです。私が確認したのは夏休み直後、9月上旬の土曜日のお昼間でしたが、15分程度で入場できそうな列の長さでした。翌日の日曜の午前中も5、6人しか並んでいませんでした。
ただし、シークレットツアーに参加したい方は、人数に制限があるので事前に予約しておくことをお勧めします。シークレットツアーは、ツアー終了後、そのまま通常の見学コースも見られるので待ち時間回避にも有効です。
ドゥカーレ宮殿シークレットツアーのオンライン予約
ドゥカーレ宮殿シークレットツアーは空きがあれば現地でも申し込みができますが、人気があるので事前にオンライン予約しておくことをお勧めします。公式サイト、または、現地ツアー会社が催行する日本語ガイド付きのツアーを予約できます。公式ツアーは英語での申し込みで、ガイドも英語になります。日本語ガイドを希望される方はツアー会社のツアーに参加することになります。私は英語のツアーに参加しました。ゆっくり説明してくれるので8割くらいは理解できました。ただ、見所がいっぱいでしたのでやはり日本語でちゃんと説明を理解したかったと思いました。日本語ツアーは割高ですが、ドゥカーレ宮殿を目的にヴェネツィアに行かれる方は、参加されても良いと思います。
このツアーを申し込まれる方は、VELTRAのツアーの申し込み方法を以下の記事で解説しているので参考にしてください。
それでは、公式サイト(VIVATICKET)での予約方法を解説します。まずは下記リンクをクリックして予約ページにアクセスしてください。
3つツアーが表示され、イタリア語(ITALIANO)、英語(ENGLISH)、フランス語(FRANCAIS)の順に並んでいます。真ん中のENGLISHのBUYをクリックしてください。
予約日・時刻を選択するカレンダーが表示されます。緑が予約可能な日付です。グレーは予約がいっぱいか予約できない日です。表示日付をクリックすると、右側に9.55、10.45、11.35とシークレットツアーの開始時刻が表示されるので、これを選択します。
次にチケットの購入枚数を選択します。SINGOLOは通常チケットです。RAGAZZI(小人)は、6-14歳用のチケットです。STUDENTI(学生)は15-25歳の学生用チケットです。OVER65は65歳以上のシニア用のチケットです。通常チケットは、€20.5で、RAGAZZI以下は€14.5の割引価格です。PASSはサンマルコ広場ミュージアムチケット(ST. MARK’S SQUARE MUSEUMS TICKET)、ミュージアムパス(MUSEUM PASS)の所有者用のパスです。その他のチケットは画面を下にスクロールすると説明があるので、確認してください。人数を選択したら、画像に表示されている文字列を入力した後、BUYをクリックします。
購入者情報を入力する画面になります。Name(名)、Surname(姓)をローマ字で入力し、Email(電子メール)を入力し、Country(国)にJapanを選択します。個人情報の取り扱いと、利用規約の同意にチェックします。
上の画面で購入者情報の入力が終わったら、画面右側にあるCONFIRM(確認)をクリックします。
購入するチケットの確認と支払い方法の選択画面になります。日付、人数などに間違いがないか確認したら、支払いにクレジットカードを選択します。下の画面で枠に囲ったPay with Credit Cardをクリックします。
クレジットカード情報を入力します。私は日本発行のMASTERカードのクレジットカードで支払いをしましたが、問題なく決済が完了しました。カード情報を入力し、利用規約同意にチェックしたら、SUBMITをクリックします。
支払い情報の確認画面になります。確認したらPAY(支払い)ボタンをクリックします。
クレジットカードの本人認証(3D Secure)の画面になります。クレジットカードのパスワードを入力します。
購入手続きが完了すると下記の画面になります。登録したメールアドレスにも、この画面を表示するためのURLが記載されています。
この予約証を印刷して持参しましょう。
ドゥカーレ宮殿 シークレットツアー 参加レポート
ドゥカーレ宮殿の入場方法・シークレットツアー参加方法
ドゥカーレ宮殿(別名:ドージェ宮)は、サン・マルコ寺院と同じサン・マルコ広場にあります。入口は、海に面した側の真ん中あたりです。サン・マルコ広場側にあるのは出口と団体入口です。
入口は、左側がチケットを購入する人の列で、右側が事前予約した人の列です。夏休みシーズンが終わった直後の9月初旬の日曜の朝10時半ころですが、並んでいる人は少なかったです。
入口左手にチケットオフィスがあります。シークレットツアーに申し込んでいる場合も予約証(バウチャー)をここで引き換えます。
チケットオフィスは、現地でチケット購入する人と同じ列になります。ちょっとだけ列に並びました。
窓口で予約証を提示すると、チケットとシークレットツアー参加者のしるしであるシールを受け取ります。シールは目立つ場所に張っておきましょう。窓口の人からは「中庭に入って右手にあるトイレの前あたりで時間まで待っていてください」と英語で説明があります。
ドゥカーレ宮殿の中庭に入ると、目の前にMeeting Point(集合場所)の掲示があります。右手に進みましょう。
右手にあるトイレ前のこのあたりで待ちます。ツアーは約1時間半の長丁場なので事前にトイレに行っておくとよいでしょう。トイレは無料ですが、係りの人が世話をしてくれるので、チップを渡している人が多かったです。周囲にはシークレットツアーのシールを貼って待っている人がたくさんいるので、その人たちの近くにいれば、はぐれることもありません。
大きな荷物がある場合は、少し先にクロークがあるので荷物を預けておきましょう。
時間になると、シークレットツアーのガイドさんがみんなを集めます。私が参加したときは20名ほどの参加者がいました。写真の真ん中がガイドさんです。ゆっくりわかりやすく丁寧に説明をしてくれました。
ドゥカーレ宮殿 シークレットツアーの見所
最初に中庭でドゥカーレ宮殿、ヴェネツィア共和国の概要について説明を受けます。
いよいよ一般では入れない秘密の扉を開けてシークレットツアーがスタートします。この特別感が気分を盛り上げてくれます。
秘密の通路にはいると牢屋など、建物の構造について説明を受けます。政治犯など裕福な罪人は上の階に、通常の罪人は下の階に収容されたそうです。下の階だと、アックア・アルタがおきと牢に水が満ちてくることもあったとか。
扉を開けると、そこは表のドゥカーレ宮殿につながっていました。ちょくちょく裏側から表を見られるのがとても楽しかったです。
書記官のオフィスです。書記官は、総督(ドージェ)を支えた重要な役職でした。ヴェネツィア共和国では、強大な権限を持つドージェは厳しく監視されていました。たくさんの機密文書に触れる機会がある書記官も同様に厳しく監視をするため、あえて質素なオフィスになっているのかもしれません。
きらびやかな十人委員会の間につながっています。通常の見学コースの観光客がたくさんいます。
機密文書を保管していた部屋です。表のようなきらびやかさはありませんが、立派なつくりの書庫がならんでいます。
この部屋からはヴェネツィアの美しい街並みも見渡すことができました。
ハイライトの一つ拷問部屋です。上からロープが吊るされています。ロープで両腕を後手に縛り上げて吊るすという拷問がなされていました。ガイドさんが体をはって拷問の様子を再現してくれました。
続けてハイライトの一つ、ジャコモ・カサノヴァが投獄されていた鉛の牢獄の見学になります。
薄暗く頑丈な牢です。カサノヴァはさまざまな脱獄方法を試みますが、そのたびに新しい牢に移されて、なかなか成功しませんでしたが、最後にはとうとう唯一の脱獄者になることができました。
屋根裏は8月までは暑すぎるため見学が中止されていますが、9月2日だったので見学できました。武器がいっぱい陳列されています。
ここもハイライトの一つ大評議の間の屋根裏です。ティントレット「天国」がある大評議の間は、このあと通常コースで見学します。
天井から通常の見学コースの武器庫を見下ろせます。忍者になった気分です。
この部屋には、真実の口や密告の口と呼ばれる密告書を投函口がかざってありました。
シークレットツアーはここで終了します。約1時間半、通常コースでは見られない裏のドゥカーレ宮殿を堪能できたツアーでした。説明が英語だったので100%理解できなかったのが少し心残りでした。
ドゥカーレ宮殿の見どころ:通常ルート
シークレットツアーは、「黄金の階段」を登りきったところで解散になります。すぐ通常コースの見学ができて、とてもスムースです。息をのむほど美しい「黄金の段」は当時、身分の高い人しか利用できませんでした。一度階段を下りて「黄金の階段」を堪能しても良いかもしれません。
四つの扉の間(Sala delle Quattro Porte)です。
四つの扉の間で見逃せないのがティツィアーノが描いた「祈りを捧げるグリマーニ総督」です。
続いて控えの間(Sala dell Anticollegio)になります。総督が謁見するために利用されていた部屋です。ヴェロネーゼの作品を見ることができます。
十人委員会の間です。十人委員会は当初、汚職の防止や治安維持のために作られましたが、徐々に権力が拡大していきました。シークレットツアーで覗き見たのがこの部屋です。
羅針盤の間です。下の写真のような隠し扉があり、いろいろな部屋にいくことができます。
最大のハイライト 大評議の間(Sala del Maggior Consiglio)です。圧倒的な広さと絵画の美しさにしばし呆然としてしまいます。部屋の大きさは54mx25mです。2000人もの議員がこの広間に集まることができました。最大の見所は、正面に飾られているティントレットの「天国」です。世界最大の油絵です。
大評議の間から眺めるサン・ジョルジュ・マッジョーレ島も絵になります。
吟味の間(Sala dello Scrutinio)です。大評議の間の奥から続いており、こちらも大きな部屋です。
最後のハイライト「ため息の橋」の見学です。ため息の橋は、ドゥカーレ宮殿と運河を挟んで建っている牢獄をつないでいます。囚人が牢獄に入る前、この橋から最後に外界を見て名残惜しんでため息をつくことから、この名前がついたといわれています。この先がため息の橋です。
橋の小窓から覗く運河です。囚人はこの光景を見てため息をついたのでしょう。
橋を渡ると牢屋の見学になります。牢屋はシークレットツアーでたくさん見学しましたし、かなり距離があるのでちょっと早足で見学しました。
再び、ため息の橋を渡ってドゥカーレ宮殿に戻ります。行きと異なる風景を写真に収めることができます。
ため息の端から戻ってきて、いくつか部屋を見学すると通常のルートも終わりになります。最後には、お土産ショップがあります。ヴェネツィアの守護のかわいいライオングッズがならんでいます。
ヴェネツィアのカーニバルのデザインのグッズも並んでいました。
シークレットツアーと通常コース、あわせて3時間以上みっちり見学しました。ヴェネツァ一番の見どころといわれるとおり、ドゥカーレ宮殿は地中海を席巻したヴェネツィア共和国の栄華を感じられる見どころがたくさんあり、非常に楽しい観光になりました。
ドゥカーレ宮殿の営業時間
4/1-10/31: 8:30 – 19:00 (最終入場時間18:00)
11/1-3/1: 8:30 – 17:30 (最終入場時間16:30)
※現在、金曜と土曜は夜11時まで特別開園しています(最終入場10時)。
新型コロナの影響で通常の営業時間と変わっているので最新情報は下記ドゥカーレ宮殿の公式サイトで確認してください。
ドゥカーレ宮殿の公式サイト
以上、ドゥカーレ宮殿の見どころ、料金、シークレットツアーの予約方法、見学方法などを解説しました。
ドゥカーレ宮殿と並ぶベネチア観光のハイライト「ゴンドラ」の乗り方について下記の記事で詳しく解説しています。
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