アウシュヴィッツ強制収容所の行き方・見学方法 徹底解説【クラクフ/ワルシャワ】

クラクフ

アウシュビッツ強制収容所へポーランドのクラクフワルシャワから行く方法、また実際に見学した様子を詳しく説明します。「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」はドイツにあると思われがちですが、実はポーランドの古都クラクフから2時間でアクセスできる場所にあります(註:ドイツが統治下のポーランドに建設したもので、ポーランドが主体的に作った収容所ではありません)。アウシュビッツ強制収容所(Auschwitz)はいわゆる「負の世界遺産」として知られてます。ナチス党によるホロコーストの象徴とされる収容所で、罪のない大量のユダヤ人が虐殺されました。いろいろ考えさせられることの多い遺産です。アウシュヴィッツ強制収容所はクラクフ(Kraków)から近く半日で往復できます。また、ワルシャワ(Warszawa)から日帰りできる現地ツアーもあります。個人旅行と現地ツアーのどちらで行くのがよいかなども比較します。
アウシュビッツ収容所 ツアー

アウシュビッツ強制収容所にツアーでいく?自力で行く?

アウシュビッツ強制収容所(Auschwitz Birkenau German Nazi Concentration and Extermination Camp)へ自力で行く方法と現地ツアーを比較した結果、私は現地ツアー(クラクフ発)で行くことにしました。
アウシュビッツの現地ツアーを選んだ理由
・個人旅行だと混雑するシーズンはチケットを買うために長時間並ぶ
・ポーランドは物価が安いためツアー代金も最安で3,500円~と安い
自力で行くと往復のバス代金(12PLN×2)と収容所の見学ツアー代金(38PLN)で約1,800円になります。2,000円未満の差で効率よく観光できればメリットが大きいと判断しました。

ワルシャワから直接行く場合はツアーのほうが利便性が高いと思います。ワルシャワからクラクフへは電車で片道約2時間半なので自力で行くことも不可能ではないですが、タイトな行程になります。下記ではワルシャワからアウシュヴィッツ強制収容所に行くお勧めのツアーをご紹介します。

ワルシャワからクラクフへ電車で行く方法はこちらの記事

アウシュヴィッツ強制収容所にツアーで行く

上で説明したようにアウシュビッツ強制収容所には自力で行くこともできますが、料金もリーズナブルでチケット購入など面倒な手間もかからない現地ツアー参加もお勧めです。ツアーはアウシュビッツから近いポーランドの古都クラクフ(クラカウ)発と、少し離れていますがワルシャワ発があります。

クラクフ発のアウシュビッツ現地ツアー

クラクフからアウシュビッツまではバスで2時間ほどです。人気があるのは下記の日本語のアシスタントが付くツアーです。詳細は下記をクリックして確認してください。

アウシュヴィッツ強制収容所に加えて、クラクフの世界遺産「ヴィエリチカ岩塩坑」も見学できるツアーもあります。こちらも日本語アシスタントが付くツアーです。

英語の説明で問題ないという方は下記ツアーだと料金が安くなります。

その他にもプライベートツアーなども開催されています。下記のリンクをクリックすると、全てのアウシュヴィッツ強制収容所の見学ツアー(クラクフ発)が表示されます。

アウシュビッツ強制収容所のツアー(クラクフ発)を表示:VELTRA
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なお、現地でもツアーに申し込めます。料金は90~100PLN(2,500~2,800円)と1,000円程度の差ですので、日本で申し込める安心料を考えるかどうかです。

ワルシャワからアウシュヴィッツ強制収容所へ日帰りする場合:

ワルシャワからアウシュビッツへは個人で電車を使っていくことも可能ですが、乗り換え時間などがタイトになるのでツアー参加が良いと思います。下記のツアーは、アウシュビッツ見学に加えて、世界遺産に登録されているクラクフの旧市街の見学も付いており、一番人気があります。

アウシュヴィッツ強制収容所への個人旅行でのアクセス(クラクフ発)

アウシュヴィッツ強制収容所の見学を少しでも安くしたいという場合は、クラクフからバス(ミニバス)で行くことができます。バス一本で行けますので、難易度は高くありません。

基点は、クラクフ中央駅のバスターミナルになります。バスでOświęcimia(オシフィエンチム)まで行きます。駅周辺にバス停がたくさんありますが、Oświęcimia行きのバスはクラクフ中央駅の東側(ガレリアと逆側)から出ます。

バスは本数が出ているのでそこまで気にする必要はありませんが、下記のサイトで時刻を調べることができます。所要時間は約1時間半です。
クラクフ<=>オシフィエンチムのバス時刻表⇒ここをクリック
バスチケットは、チケット売り場でも購入できますし、バスに乗るときに運転手から購入することもできます。料金は12PLN(340円)程度です。バスは、このようなミニバスです。

現地に到着後は、ツアーへの申し込みを行います。この写真の建物になります。

4月1日~10月31日の10:00~15:00はガイドツアーに参加しないと入場できません(参加しない場合は無料)。英語ツアーは30分おきに出発します。ただ人気のようなので事前に公式サイト(=>こちらをクリック)で予約しておくと良いようです。
アウシュビッツ見学後は無料のシャトルバスでビルケナウに移動します。両者は3,5 km離れているため無料のシャトルバスで移動します。シャトルバス、4月-10月は10分おきにでています。11月-3月は30分おきになります。4月-10月も始発の10時、11時台や最終の18時台は本数が減るので注意してください。

アウシュビッツ強制収容所 見学の仕方・ツアー体験記

上記で紹介したクラクフ発の現地ツアーでアウシュビッツ強制収容所を見学しました。アウシュビッツ強制収容所の見学の方法と、現地ツアーについてレポートします。英語のツアーに参加しましたが特に問題はありませんでした。ただ、説明を完全に理解するにはやはり日本語ツアーに参加したほうがよいかもしれません。

現地ツアーにはホテルまでの送迎が付いています。申し込み時にクラクフで滞在するホテルを伝えておくと、ピックアップ場所となる近くの大きめのホテルを指定されます。そこで送迎車を待ちます。送迎はホテルに朝8時20分でした。車は2枚下の写真のバンでした。名簿で名前を確認して乗車します。
アウシュビッツ収容所 ツアー

アウシュビッツ強制収容所の駐車場に10時すぎに着きました。渋滞もなくクラクフからの所要時間は1時間半ほどでした。ツアーから事前に連絡がありますが、収容所の中には小さなハンドバック(30cm × 20cm)しか持ち込めません。大きめの荷物はバンの中においていきます。くれぐれも貴重品は置いていかないように注意してください。
アウシュビッツ収容所 ツアー

アウシュビッツ収容所のゲートです。ここでアウシュビッツの公式ガイドの方と待ち合わせて入場します。個人の場合、公式ガイドなしで見学することも可能です。この場合、入場料も不要です。ただし、収容所内には建物(バラック)がたくさんあるため、個人だと効率的に見所することが難しいです。極力、英語など公式ガイドのツアーに参加されることをお勧めします。
アウシュビッツ収容所 ツアー

入口ではセキュリティチェックがあります。
アウシュビッツ収容所 ツアー

収容所への入口には有名なARBEIT MACHT FREI(働けば自由になる)のスローガンが掲げられています。ナチスが好んで使ったスローガンです。実際、収容された人たちは極限まで働かされて働けなくなると殺されてしまいました。Bの文字が逆になっているのは、このスローガンが嘘だとわかっていて作らされた収容者の抵抗という説がありますが、当時Bはこのような書体が通常だったというのが真実のようです。
アウシュビッツ収容所 ツアー

収容所内部はガイドの誘導にしたがって見学します。フラッシュ・三脚を使わなければ基本的にカメラ撮影も可能です。ただし、遺髪の展示など、何箇所か撮影が禁止されている箇所があります。他の観光地と違いたくさんの方が非業の死を遂げられた場所なので、配慮のない記念撮影は遠慮したほうがよいかと思います。収容所は下の写真のように、金網、鉄格子で厳重に守られています。電流も流れていたそうです。
アウシュビッツ収容所 ツアー

慰霊のモニュメントです。ガラスの中に収められているのは、殺害された方々の遺灰です。ポーランド人のガイドは、「アウシュビッツはポーランドにあるが、ドイツに占領され無理やり作らされたものだ」という点を強調していました。世界遺産への登録名称もはじめ「アウシュヴィッツ強制収容所」でしたが、後に「アウシュヴィッツ=ビルケナウ-ドイツ・ナチの強制・絶滅収容所」に変更されました。
アウシュビッツ収容所 ツアー

アウシュビッツ収容所へは、ドイツ国内だけでなく、ドイツが占領したヨーロッパ各地からユダヤ人が強制的に送られてきました。アンネの日記の作者、アンネ・フランクが拘束されたアムステルダムも書かれています。
アウシュビッツ収容所 ツアー

ヨーロッパ各地からユダヤ人がすし詰めの列車で、ビルケナウ収容所に送られました。ビルケナウ収容所はアウシュビッツの後に見学します。多くのユダヤ人は、労働させられることは知っていても虐殺されることまでは聞かされていなかったようです。
アウシュビッツ収容所 ツアー

到着した人々は、その場で労働者、人体実験の検体、価値なし、に選別されました。価値なし、と判断されると、すぐにガス室で殺されてしまいました。その多くが、女性や子供や老人といった弱い立場の方たちでした。同じ人間がこんなひどいことをできるのか、と考えると気持ちが重くなりました。

送られてきた人達には、子供や女性も多くいました。この直後、この子供達や女性が殺害されたと思うと、いたたまれない気持ちになります。

ガス室での処刑に利用された「チクロンB」の空き缶の山です。チクロンは効率よく処刑できるため利用され、短時間に800名の処刑が可能だったようです。この一缶、一缶が大量の人の命を奪ったのです。

収容者の遺品が展示されています。アウシュビッツで殺害された人数は、正確な数がわかってはいませんが、現状は150万人というのが共通認識のようです。150万人の遺品ですので量も莫大です。下はメガネの山です。遺品の一つ一つは、なくなった方が大切に使われていたのでしょう。

靴も大量に展示されています。あまりの多さに圧倒され、言葉を失います。

ドイツが敗北し、アウシュビッツ収容所が開放されたときに保護された収容者の写真です。十分な栄養を与えられず働かされていたので、骨と皮だけになっています。いかに処刑されなかった収容者もいかにひどい扱いを受けていたのかがわかります。

「死の壁」と呼ばれる収容者が銃殺された場所です。逃亡者や抵抗した収容者が見せしめに、壁の前に一列に並ばされ機関銃で殺害されました。

数え切れない人数が処刑されたガス室です。ここで行われたことを想像すると、バラック以上に気持ちが沈みます。ガス室の見学がアウシュヴィッツ第一強制収容所(基幹収容所)の最後です。こちらの見学は2時間くらいでした。

バスに戻り、ビルケナウ収容所に移動します。ちょうど昼食の時間なので自由時間があり、レストランなどもあるので、食事を取ります。私は持参したパンを食べました。

バスで数十分でビルケナウ収容所(アウシュヴィッツ第二強制収容所)に着きます。駐車場から入口まで数分歩きました。ビルケナウ収容所は、ヨーロッパ各地で拘束された人々を輸送するのに利用した鉄道引込み線で有名です。

このような窓もない客車に押し込められてアウシュビッツに輸送されました。到着後、すぐに上で説明した選別が行われ、多くの人が処刑されました。

ビルケナウ収容所のガス室跡です。こちらのガス室でも多くの方が殺害されました。

火葬した後の遺灰を捨てていた場所で、まだ遺灰が層になって残っています。鎮魂の碑が立っています。

ビルケナウ収容所にはピークで9万人が収容されていました。このバラックが大量に並んでいます。

バラックの中はこのような棚上の部屋があり、1つのスペースに何人も詰め込まれました。想像を絶するひどい生活環境だったことがわかります。

14時すぎにビルケナウ収容所の見学を終わりました。最後、ショップでお土産などを購入する自由時間が少しありました。有料のトイレがゲートを入った敷地内側右手にあります。1.5PLN(約50円)です。小銭を用意しておくと便利でしょう。この後、駐車場に戻ってバスに乗り、またホテル近くまで送ってもらいました。帰りも2時間弱で17時前にはクラクフ市内に戻りました。

135箇所ほど世界遺産を訪問していますが、人間として必ず訪れるべき世界遺産の1つだと強く思いました。これまで自分の目で世界遺産を見たときの感想は、「魂を抜かれるほど美しい」、「鳥肌が立つほどの迫力」、「敬虔な気持ちになる荘厳さ」、「人類の英知のすごさを感じる」などさまざまありしたが、アウシュヴィッツでは、ただただ「人間」という存在について深く考えさせられました。この思いは、人間が史上類を見ない悲劇を起こしたこの現場に、実際に行かないと伝わりきらないものだと思います。ぜひ、実際に訪問していただきたいと思います。

クラクフに関するこちらの記事も人気です。

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アウシュヴィッツ強制収容所に行くワルシャワ発と、クラクフ発のツアーがあります。

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  1. りえ より:

    初めまして。来月ひとりで初ポーランド旅行へ行きます。
    有益情報をこちらから得ることができて、とても心強いです。ありがとうございます。
    ワルシャワを拠点に宿をとっていて、
    クラクフには2泊3日だけ滞在しようと思っています。

    みどころが多くて、効率よく移動したいので、電車/バスの乗り放題券(クラクフカードではない券売機から購入するタイプ)を買おうと思っているのですが、
    こちらの記事にあるミニバスは、その乗り放題チケットで乗れますか?

    また、クラクフ中央駅からヴァヴェル城までの行き方についても
    教えていただけると助かります・・・

    • deeluxe より:

      りえ様

      トラム/バス乗り放題の公式情報(下記URL)を確認したところ、クラクフ郊外の乗り放題チケットはZone2になります。Zone2は、バスナンバーが2、3、9の数字で始まる公営バスが乗り放題の対象のようです。残念ながらオシフィエンチム行きのミニバスは、バス番号が付いていないプライベートのバス会社の運行なので乗り放題の対象外だと思います。

      http://www.mpk.krakow.pl/Data/Files/_public/mpk/bilety/aktualne/do_kasowania.jpg

      参考までに、クラクフ空港行きのバスは、番号が付いていて208、252、夜行便は902なのでZone2の乗り放題対象になります。

      クラクフ中央駅とヴァヴェル城は旧市街を中心にして反対に位置しますが、直通のトラムがないので移動は徒歩がお勧めです。クラクフ中央駅から旧市街の入口(北東)までは歩いて数分で、そこから中央広場など旧市街を観光しながら南側に抜けるとヴァヴェル城に着きます。2kmほどありますが、観光をしながらなので距離は感じませんよ。

      気をつけてご旅行を楽しんできてください!

      • りえ より:

        ご丁寧な回答に感謝いたします。
        ワルシャワ-クラクフ間はPKPを予約したのですが、
        クラクフに着き次第、ヴァヴェル城になるべく瞬間移動したくて
        低料金での乗り物利用を考えました。
        歩くのは苦ではないのですが、時間を節約したくて・・・。
        乗り継ぎ時間を考えたらタクシーが無難ですね?
        ありがとうございましたm(_ _)m

        • deeluxe より:

          時間優先でしたら、タクシーですかね。感覚的には、タクシーは乗ってしまえば10分弱、徒歩は迷わなければ20分ちょっとかと思います。トラムやバスの乗り継ぎは待ち時間や乗り場を探す手間を考えると20分以上はかかりそうな気がします。

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