ヨーロッパをはじめ海外を旅行する場合に一番気になるのがテロの危険性です。テロから身を守る一番の方法は危険な場所に行かないことですが、日本にいたとしても危険性は0でありません。このような状況下で大切なことの一つは、テロの対処に関する知識を身につけることだと考えます。ここでは、専門家が提供しているテロ対処に関する情報をまとめてみました。テロの危険性は防ぎようのないものですので、旅行前にこれらの情報を身につけておくことで、少しでも万が一のリスクを減らす助けになれば幸いです。
外務省公開の「テロの特徴と対処方法」
外務省が「テロの特徴と対処方法」という資料をインターネットで公開しています。
無差別テロの特徴、事前対策、対処法などが簡潔にまとまっており、まずは抑えておきたい情報です。テロリストが狙う発生しやすい場所も解説されているので、旅行中このような場所を訪れるときは最新の注意を払うと良いでしょう。
テロの危険性を知るという意味では、実際にどのようなテロがどこで発生しているかを把握しておくことも重要だと思います。下記の記事では、最近ヨーロッパで発生したテロについてまとめています。参考にしてください。
Run Hide Tell : イギリス テロ安全対策室
イギリスのテロ対策安全室(National Counter Terrorism Security Office)がテロ遭遇時の心得を公開しています。原則は、Run(逃げる)、Hide(隠れる)、Tell(通報する)の優先度で行動するというものです。詳細な情報は以下のリンクで安全対策のリーフレットやビデオが参照できます。
⇒Stay Safe Film(National Counter Terrorism Security Office:英語)
上記ページでRun(逃げる)、Hide(隠れる)で説明されている内容は以下の通りです。TELL(通報する)は、言葉の通じない外国では難しいかもしれません。警察に通報する電話番号(日本で言えば110)をスマホにメモしておくと良いかもしれません。
・RUN(逃げる)
・可能ならその場から逃げよ
・最も安全な選択肢を検討せよ
・安全な逃走ルートはあるか?なければ隠れよ(HIDE)
・より大きな危険に身をさらすことなく安全な場所までたどり着けるか?
・他の人に一緒に離れるよう主張せよ
・持ち物はそのばにおいたままにせよ
・HIDE(隠れる)
・逃げられない(RUN)場合は、隠れよ
・銃撃から身をかわせる場所(物)を探せ
・あたながテロリストを見ることができるなら、テロリストもあなたを見ることができる
・身を覆うことが安全だということではない。弾丸はガラス、レンガ、木材、金属を貫通する
・銃撃から安全に身を覆えるがっしりしたレンガ造りや補強された壁を見つけよ
・出口を意識せよ
・逃げ場を失わないようにせよ
・静かにせよ。携帯の通知やバイブをオフにせよ
・ドアを施錠、バリケードを築け
・ドアから離れよ
アメリカのヒューストン市が公開している無差別銃撃テロへの対策法は、RUN、HIDE、FIGHT®と、3段階目がFIGHT(反撃せよ)になっています。実際に、FIGHT(反撃せよ)というのは難しいかもしれませんが、下記のビデオで解説されています。
テロの対処法を解説するアプリ:citizenAID
Run(逃げる)、Hide(隠れる)、Tell(通報する)の原則にしたがって、どのように行動すべきかをガイドしてくれるアプリがcitizenAIDです。イギリスの軍医と民間組織が協力して開発したものです。iPhone版/Android版が無料でダウンロードできます。念のため、旅行の前にインストールしておくのはいかがでしょうか。
iPhone/iPad用 ⇒ AppStoreでダウンロード
Android用 ⇒ Google Playでダウンロード
アプリを起動すると、スマホをサイレントモードにするよう(Turn your phone to silent)に指示されます。
Preparation(準備)、Active shooter(活動する狙撃者)、Knife attaker(刃物を持った襲撃者)、Suspect bomb(爆発物の疑い)、Exploded bomb(爆発発生)など目次が表示されます。状況に合わせてタップすると、具体的にRun、Hide、Tellに関する行動のガイドが表示されます。
Casualty first look(負傷の初見)をタップすると、負傷状況をアセスメント(評価)する具体的な方法が表示されます。
目次からStop the bleeding(止血)をタップすると、止血をする応急処置について参照できます。
英語が得意でないという方は、周囲の人にこのアプリを見せて代わりに対処してもらう、というのも手段の一つだと思います。
以上、テロへの対処法に関して参考になりそうな情報をまとめました。情報は正しく理解しないと誤った結果を生む可能性もありますので、それぞれの元情報を正しく理解して活用してください。