旅行好きにとって悲しいことですが、今、ヨーロッパ旅行を計画する上で一番心配ごとはテロの危険性ではないでしょうか。この記事ではヨーロッパ各国のテロの危険性と安全な国とされているポーランド(Poland)についてご紹介します。2019年のゴールデン・ウィークの旅行にお勧めです。
目次
ヨーロッパ各国のテロの危険性
イギリス外務省の報告を元にThe Telegraph紙が公開した「テロの脅威マップ」によると、ヨーロッパのテロの危険度は下図のようになります。濃い赤ほど危険性が高く黄色は比較的、安全な国です。
イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、ベルギーなど主要な国が赤くテロの危険性が高い、となっています。その中で真ん中に鎮座する黄色い国こそ「ポーランド」になります。ポーランドのほかに、テロの危険性が低く安全とされているのは、スイスやリトアニア、ラトビア、エストニアのバルト三国です。
ヨーロッパ各国のテロ発生状況
日本では公安調査庁がテロの発生事例(2015年6月以降)をまとめています。この調査によるとヨーロッパのテロ発生件数の多い国は下記の表の通りになります。フランスは件数、被害の大きさとも群を抜いています。ドイツ、ベルギーも件数、被害も大きく危険な国といえます。
大変悲しいことに2017年5月にイギリス マンチェスターでアリアナ・グランデのコンサートの観客を狙った爆弾テロが起きてしまいました。罪のないお子さんも被害にあうという大変痛ましい事件です。心からご冥福をお祈りいたします。2017年は3月、4月とロンドン、ストックホルムで連続してテロが発生しています。両方とも車を暴走させ歩行者に突入するという手口でした。車を使うテロは爆弾テロと違って防ぐのが難しく、テロの危険性は増加していると言えます。
ヨーロッパ テロ 発生件数
件数 | 発生国 | テロの発生時期と概要 |
---|---|---|
16件 | フランス | 2018/12/11 ストラスブール クリスマスマーケットでテロ犯と見られる男が発砲し、3名が死亡、負傷者が十数人。犯人は逃走後、12/13に発見され警察官により射殺。 2018/5/12 パリ:中心部オペラ座付近で、男に通行人がナイフで次々に刺される事件が発生。1名がなくなれたほか、数名が負傷しました 2018/3/23 カルカッソンヌ:2015年のパリ同時多発テロ実行犯の釈放を要求するテロ犯が発砲し3人が殺害。犯人はスーパーマーケットに人質をとって立てこもり警官隊によって射殺されました 2017/10/1 マルセイユ:マルセイユ・サンシャルル駅でナイフを持った男が通行人を襲い、女性が二人殺害。犯人は、神は偉大なり、と叫んでいたとのことで、射殺されました 2017/8/9 ルヴァロワ=ペレ(パリ郊外):車両がテロ警戒中の兵士に突入。6人が重軽傷。 2017/6/19 パリ:シャンデリゼ通りで治安車両に乗用車が突入。車両は炎上し運転していた犯人が死亡。車内からは小銃、拳銃などが発見。犯人以外の死者はなし。 2017/6/6 パリ:ノートルダム大聖堂前の広場で男がハンマーで警察官を襲撃。警察官が負傷。 2017/4/20 パリ:シャンデリゼ通りで、警察車両に対して自動小銃を使った発砲事件が発生。警察官1名が死亡、2名が重症。犯人はその場で射殺。 2016/7/26 ノルマンディー:刃物を持った男2人が教会に押し入り。死亡1人、負傷1人。 2016/7/14 ニース:トラックがフランス革命記念日の花火見物の群衆に突入。死亡84人、負傷202人。 2016/6/13 パリ西部:男が警察幹部と同居の警察女性職員を殺害。 2016/1/11 マルセイユ:トルコ出身の高校生が男性教師を刃物で襲撃し軽傷を負わせる。 2016/1/7 パリ北部:同署の入口にいた警察官を襲撃。犯人者は警察官に射殺。 2015/11/13 パリ:レストラン、劇場、競技場での同時多発テロ。死亡130人、負傷約350人。 2015/7/15 テロ計画のイスラム過激派とされる4人を拘束。 2015/6/26 リヨン郊外:ガス工場に男が車で乗り付け爆発。実行犯勤務の運送会社社長が遺体で発見。 |
6件 | イギリス | 2019/11/29 ロンドン 中心部のロンドン橋でテロ犯が通行人を刃物で襲撃。2名が死亡し、3名が負傷。犯人は、現場に駆けつけた警察官により射殺。 2017/9/15 ロンドン:ロンドン南西部の地下鉄パーソンズグリーン駅で爆発装置を使ったテロと見られる事件が発生。30名以上が手や顔にやけどを負うなどの負傷。命に別状はないもよう 2017/6/3 ロンドン:観光名所「ロンドン橋」で3人の犯人が車で歩行者を次々とはね、その後、飲食店にいた人をナイフで襲撃。8人が死亡、50名近くが負傷 2017/5/22 マンチェスター:マンチェスターでアリアナ・グランデのコンサートツアーの観客を狙った爆弾テロが発生。22名が死亡 2017/3/22 ロンドン:観光名所ウェストミンスター橋でテロ犯が車を暴走させ人ごみに突入。その後、逃亡し警察官を刺殺。被害者5名 2015/12/5 ロンドン:地下鉄駅で男がナイフを振り回し負傷2人。 |
5件 | ベルギー | 2018/5/29 リエージュ:テロ犯が警察官に発砲し、女性警官2名、市民1名が死亡。ほかに警官4人が負傷。 2017/7/6 シャルルロ(南部):警察署前でナタを持った男が女性警官2人を襲撃。1名が重症、1名が軽症。犯人は射殺。 2017/6/20 ブリュッセル:ブリュッセル中央駅で爆発物が爆破。容疑者は射殺。一般人への被害なし。 2016/8/6 シャルルロワ:アルジェリア人が警察官刃物で襲撃。警察官2人が負傷。 2016/3/22 ブリュッセル:国際空港出発ロビーと地下鉄マールベーク駅で爆発。死亡28人、負傷約340人。 |
4件 | ドイツ | 2017/07/28 ハンブルグ:スーパーマーケットで男が刃物で買い物客などを無差別で襲撃。1名死亡。ISの関与は薄いもよう。 2016/12/19 ベルリン中心部:クリスマスマーケットに大型トラックが突入。死亡12人、負傷48人。 2016/7/24 バイエルン州アンスバッハ:野外音楽祭でシリア人難民とされる男が自爆。15人が負傷。 2016/7/18 ビュルツブルク:走行中列車で,難民申請中のアフガニスタン人とされる男が刃物で乗客を襲撃。負傷5人。 |
2件 | スウェーデン | 2017/4/7 ストックホルム:中央駅近くの繁華街でテロ容疑者の運転するトラックがデパートに突入。多くの歩行者が巻き込まれ、4名死亡 2016/2/17 ストックホルム:トルコ文化関連施設で爆発が発生。負傷者数は不明(少数?)。 |
2件 | オランダ | 2018/8/31 アムステルダム:アムステルダム中央駅でアメリカ人観光客2名が刃物で襲われ重体 2015/8/21 アムステルダム発パリ行きの高速列車がベルギー国内を走行中に発砲。負傷3人。 |
1件 | スペイン | 2017/08/18 バルセロナ:人気観光地ランブラス通りでテロリストが運転する暴走車が群衆に突入。死者14名、負傷者100名以上。 |
1件 | フィンランド | 2017/08/19 トゥルク:刃物を持った男が通行人を視察。死者2名、負傷者8名。テロ目的の疑いがあり捜査中。 |
1件 | デンマーク | 2016/8/31 コペンハーゲン:麻薬捜査中の警察官を男が銃撃。警察官2人と市民1人負傷。 |
近年のテロ発生状況から見てもポーランドは安全な国に分類されます。他、スイスやリトアニア、ラトビア、エストニアでも重大なテロは発生していません。
参考) ⇒ 公安調査庁の世界のテロ等発生状況
ヨーロッパだけでなく、アジア、アメリカ、アフリカのテロの発生状況も確認することができます。
安全な国 ポーランドのお勧めポイント
安全だという理由で、2016年のゴールデンウィークにポーランド(ワルシャワ、クラクフ)を旅行しましたが、期待以上に素晴らしい国でしたので、ご紹介したいと思います。
上記の通りテロの危険性が他のヨーロッパ諸国と比べて低いです。
北欧やイギリスなどヨーロッパは物価が高い国が多く、買い物恐怖症になるくらいです。一方、ポーランドは5,000円ちょっとでデザイナーズアパートメントホテルに泊まれ、1,000円ちょっとでオシャレなカフェ(ミルク・バー)でもおいしい料理がおなかいっぱい食べられます。ミネラルウォーターの2Lペットボトルを買って33円だったのにはびっくりしました。
⇒ ワルシャワのオシャレで格安なアパートメントホテルについての記事はこちら
ポーランドと言われて思いつく観光地は少ないと思いますが、負の世界遺産と呼ばれる「アウシュビッツ強制収容所」やワルシャワの「ショパンのゆかりの地」や日本の京都に当たる古都「クラクフ」など見所が多くあります。
ポーランドの世界遺産についての記事はこちら
クラクフから行ける世界遺産4つ(「クラクフ歴史地区」 「アウシュヴィッツ強制収容所」 「ヴィエリチカ岩塩坑」 「カルヴァリア・ゼブジトフスカ」)
ポーランドの治安は比較的良いとされています。都市部では、他の国と同じくスリなどは頻発しているようですが、荷物や財布を気をつけて持っていれば凶悪な犯罪に巻き込まれる危険性は感じません。人柄のよさそうな方も多く、のんびりすごすことができます。
安全な国といっても通常の犯罪は起きえますので十分注意しましょう。また、冬は寒さに関しては十分注意が必要です。ワルシャワでもマイナス20度以下になることもあるようです。
ポーランドの主要都市 首都「ワルシャワ(Warsaw)」と古都「クラクフ(Kraków)」
ポーランドには魅力的な都市が多くありますが、中でも人気があるのが首都「ワルシャワ(Warsaw)」と古都「クラクフ(Kraków)」です。
首都「ワルシャワ(Warsaw)」の魅力
ポーランドの首都ワルシャワは「ワルシャワ歴史地区」として世界遺産にも登録されています。有名な音楽家のショパンが生まれ育った地としても有名で町中が音楽にあふれています。また、コペルニクス(Nicolaus Copernicus)、キュリー婦人(Madame Curie)の故郷としても有名です。ワジェンキ公園や旧王宮など見逃せない観光地がたくさんあります。
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古都「クラクフ(Kraków)」の魅力
古都クラクフはポーランドの京都と呼ばれています。クラクフの町自体も世界遺産「クラクフ歴史地区」として登録され、ヴァヴェル城や中央広場など観光スポットがいっぱいです。また、「アウシュビッツ強制収容所」や「ヴィエリチカ岩塩坑」など名だたる世界遺産の観光拠点でもあります。また食べ物もおいしく、ミルクバーと呼ばれるカフェテリアで食事も楽しみの一つです。クラクフは見所がいっぱいで数日では満喫しきれない魅力的な都市です。
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ワルシャワからクラクフへの移動
どちらもはずせない都市、ワルシャワ(Warsaw)とクラクフ(Kraków)。距離は約300kmで、電車で約2時間半くらいの距離なので簡単に移動できます。下記の記事で2都市間の移動について、列車、飛行機、バスを比較してお勧めの移動方法をご紹介します。
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