イタリア旅行に欠かせない鉄道のチケットを現地の駅にある自動券売機で買う方法をわかりやすく解説します。イタリアには、旧国鉄のTrenitalia(トレニタリア)と、フェラーリ特急の異名を取る私鉄の.italo(イタロ)があります。トレニタリアは、普通列車とローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノなど主要都市を結ぶ高速鉄道フレッチャロッサ、フレッチャルジェント、フレッチャビアンカを運行しています。イタロは主要都市を結ぶ高速鉄道のみを運行しています。券売機での切符の買い方が異なりますので、それぞれ詳しく説明します。
自動券売機の種類
ローマ・テルミニ駅(Roma Termini)、ミラノ中央駅(Milano Centrale)、ヴェネツィア・サンタルチア駅(Venezia S.Lucia)、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(Firenze SMN)などの主要駅では、大量の自動券売機が並んでいます。これらの駅には、Trenitalia(トレニタリア)の自動券売機と、italo(イタロ)の自動券売機がおいてあります。どちらも赤をベースにしたデザインで紛らわしいですが、間違えないように気をつけてください。下の写真の左が.italo(イタロ)の自動券売機で、右がTrenitalia(トレニタリア)の券売機です。
券売機には、.italoやTrenitaliaとしっかり書いてあるのですが、知らなければ違う券売機ということも気づきません。トレニタリアの自動券売機は、フレッチャロッサなどの高速鉄道と、普通列車の切符を購入することができます。
自動券売機の支払い
自動券売機では、クレジットカードやコイン、紙幣を利用することができます。
トレニタリアの自動券売機の使い方(普通列車・フレッチャロッサ)
トレニタリアはフレッチャロッサなど高速鉄道と普通列車を運行していますので、どちらの切符も同じ券売機で購入することができます。下の写真がトレニタリアの券売機です。
最初の画面にはお知らせ、広告などが表示されていることが多いです。下の国旗をタッチして言語を選んでスタートします。イギリス国旗をタッチして、英語を選択します。
次の画面は安全に鉄道を利用するための注意が表示されます。切符購入中のスリや勝手に券売機を操作してお金をせびる輩がいるので注意しましょう。券売機をいじろうとしてきたらはっきり「ノー」といって拒絶しましょう。
メニューが表示されます。通常の切符購入は左上の「BUY YOUR TICKET」をタッチします。ユーレイスパスなどのパスを所要している場合は、その下のカードの画像が表示されている方の「BUY YOUR TICKET」をタッチします。
次に行き先を選択します。主要な駅は、候補として表示されます。Roma Termini(ローマ・テルミニ駅)、Milano Centrale(ミラノ中央駅)、Venezia S.Lucia(ヴェネツィア・サンタルチア駅)、Firenze S.M.Novella(フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅)、Napoli Centrale(ナポリ中央駅)です。表示される候補は、駅によって異なります。下の画面は、ミラノ中央駅の自動券売機の候補です。
下記は、ローマ・テルミニ駅の候補です。最寄りの空港も候補に表示されることが多く、ローマの場合はフィウミチーノ空港が表示されます。候補にない駅までの切符を買う場合は、下のキーボードのアイコンで表示されている「Other Stations」をタッチします。
行き先を選ぶと次は、出発日、時間の指定になります。日付(当日の場合は変更不要)、時間帯(すぐ出発の電車の場合は変更不要)を指定したら、画面右下のCONFIRM(確認)をタッチします。
該当する便が表示されます。下の画面は、ミラノ中央駅からヴェネツィア・サンタルチア駅の検索結果です。FRECCIAROSSA(フレッチャロッサ)など特急が表示されます。便の右側のショッピングカードのアイコンをタッチして便を選択します。Rは普通列車(Regional Train)です。切符が安い分、時間がかかります。
別の例について説明します。下記は、ローマ・テルミニ駅からフィウミチーノ空港駅行きの便を検索した結果です。空港に行きの急行レオナルド・エクスプレスと普通列車が候補に表示されます。普通列車のほうが安いですが、所要時間が倍以上かかり乗り換え(CHANGES)も必要になります。
カートに入れるボタンをタッチすると、チケットの種類の選択になります。まず、FRECCIAROSSA(フレッチャロッサ)など特急の場合は、チケットの種類を選択します。Base(正規料金)、Economy(割引料金)、Super Economy(特別割引)といった種類がありますが、下の画面は当日の便のため、早割のEconomyなどが候補になく、正規運賃のみが選べます。次に、車両のグレードを2°STANDARD(2等)、2°PREMIUM(2等グリーン)、1°BUSINESS(1等ビジネスクラス)、EXECUTIVE(エクゼクティブクラス)から選択します。ビジネスクラス以上は、無料の軽食とドリンクのサービスがあります。
切符の種類と座席クラスと選択すると、切符の枚数の選択になります。ADULTS(大人)、CHILDREN(子供)、DOGS(犬)ごとにチケットの枚数を入力します。入力したら画面右下のFORWARD(進む)をタッチします。
以下はレオナルド・エクスプレスのチケットの種類の選択画面です。レオナルド・エクスプレスは1stクラスしか席の種類がないので、1ST CLASSを選択します。
FRECCIAROSSA(フレッチャロッサ)など特急の場合は、座席の指定が可能です。CHOOSE SEATING(座席指定)のボタンをタッチします。指定する必要がない場合は、画面右下のFORWARD(進む)をタッチします。
画面左のSEATボタンをタッチします。購入済のチケットのそばの席を選択する場合は、SEAT NEXT TOをタッチします。
シートマップが表示されるので希望の席を選択します。シートは、具体的な場所でなく、希望するシートの位置を指定する形になります。最終的には、システムが自動的にシートを割り振ります。希望のシートを選択したら、画面右下のCONFIRM(確認)をタッチします。
シートの指定が完了したので、画面右下のFORWARD(進む)をタッチします。
選択した切符の内容に間違いがないかを確認したら、画面右下のPURCHASE(購入する)をタッチします。
支払い画面になりますので、CASH(現金)、CARDS(クレジットカード)を選択します。現金は、下に表示されているコインやお札が利用できます。お釣りは105€までしか出ないので、お釣りがこれより少なくなるように支払う必要があります。クレジットカードは、VISA、MASTAR、JCB、AMEXなど主要なカードに対応しています。
支払いが終わると切符が発行されますので、忘れずにとってください。
トレニタリアの切符は乗車前に刻印を忘れずに
自動券売機や窓口で購入した切符は、乗車前に下の写真の刻印機で乗車時刻を印字しないといけません。忘れると罰金になりますので注意してください。なお、刻印機は切符を左寄せにして差し込まないと反応しませんので、こちらも注意してください。
イタロの自動券売機の使い方
続いてイタロ(.italo)の自動券売機の使い方を説明します。トレニタリアの自動券売機とは使い方が異なります。イタロは主要都市間の高速鉄道のみを運行しており、すべての切符は便・座席が決まっています。下の写真がイタロの自動券売機です。赤がベースで、italoと表記されています。
イタロの切符は事前にオンラインで予約しておくことが多いと思います。オンラインで早割購入することで、かなり安く切符を購入することができます。自動券売機の画面もオンラインの購入画面とほぼ同じです。オンラインで購入する方法は下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
それでは自動券売機でのチケットの買い方を解説します。イタリア語で表示されていることが多いので、画面右上のイギリスの国旗をタッチして、表示をEN(英語)に切り替えます。
英語の表示に切り替わりました。下の画面はミラノ中央駅(Milano Centrale)の券売機の画面ですので、出発駅がミラノ中央駅になっています。別の駅からの切符を購入する場合は、黒のCHANGE DEPATURE STATIONのボタンをタッチして切り替えます。画面には、直後に出発するイタロの便が表示されています。Roma Termini(ローマ・テルミニ駅)など行き先が表示されている場合は、ここをタッチすると、直後の便以外の切符も購入できます。少し先の列車の切符を購入する場合は、一番下のOTHER DATES/DESTINATIONS(他の日付/行き先)ボタンをタッチします。
上の画面でVenezia S.Lucia(ヴェネツィア・サンタルチア駅)をタッチしました。次にチケットの枚数を入力する画面になります。Adults(大人)、Youth(子供:0-13歳)、シニア(60歳以上)に分けて入力します。入力したら、CONTINUE(次へ)をタッチします。
下の画面に切り替わります。乗車する便を選択します。日付をタッチすると、翌日以降の切符も購入することができます。
購入する切符のタイプと座席のクラスを選択します。切符のタイプは、下記の通りでキャンセル、便の変更などの条件が異なります。出発直前の便は、Flexしか購入できません。
Low Cost:最安値のチケットです。出発3日前までの名前変更は1€、予約変更は50%の追加料金、返金は不可です。
Economy:出発3分前までの名前変更は無料、予約変更は20%の追加料金、返金は40%控除されます。
Flex:自由度の高いチケットです。出発3分前までの名前変更は無料、出発3分前までの予約変更も無料。返金は20%控除されます。
座席クラスは、Smart(スマート:2等)、Comfort(コンフォート:広めの2等)、Prima(プリマ:1等)、Club Executive(クラブ・エグゼクティブ:特等)から選択します。Primaは、軽食と飲み物のサービスが付きます。この例だとComfortと1€しか違わないので、Primaのほうがお得だと思います。
切符のタイプと座席を指定すると、下の画面になります。希望の座席タイプを選択することができます。Any:どの席でもよい、Aisle:通路側、Window:窓側、Cinema coarch:座席限定で映画スクリーン付きの車両の座席、から指定します。座席タイプを指定したら、画面右下のCONTINUE(次へ)をタッチします。
最後に購入するチケットを確認して間違いがなければ、PURCHASE(購入)をタッチします。
料金を支払います。クレジットカード(Credit Card)、現金(Cash)などから選択します。
以上、イタリアの鉄道トレニタリア、イタロの自動券売機での切符を購入する方法を解説しました。
トレニタリアとイタロの違いなど、イタリアを鉄道で旅行するための基本的な情報を下記の記事でまとめています。参考にしてください。
FRECCIAROSSA(フレッチャロッサ)などTrenitalia(トレニタリア)の鉄道チケットを早割で安く購入する方法を下記の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
イタリアの私鉄.italo(イタロ)のチケットを早割で予約する方法は以下の記事で詳しく紹介しています。
イタリアで鉄道に乗るときに知っておくべきことを以下の記事でまとめています。
ローマ・テルミニ駅(Roma Termini)、ミラノ中央駅(Milano Centrale)、ヴェネツィア・サンタルチア駅(Venezia S.Lucia)、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(Firenze SMN)などの主要都市間をトレニタリア、イタロで移動する場合の詳しい解説は以下の記事でご紹介しています。