ノルウェー・ナットシェル(Norway in a nutshell)はフィヨルド観光に便利な周遊パスです。フェリーでのフィヨルド観光に加え、ベルゲン鉄道、フロム鉄道の2大人気鉄道に乗ることができます。ノルウェーを代表するソグネ・フィヨルドの支流で世界遺産に登録されている「ネーロイ・フィヨルド」をフィヨルド観光船で観光できます。この記事ではノルウェー ナットシェル(Norway in a nutshell)を使ったソグネ・フィヨルド観光に関して、ルート解説、チケット購入、行き方、体験レポートなどについてご紹介します。
目次
ノルウェー ナットシェルのフィヨルド見学ルート
ノルウェー ナットシェル(Norway in a nutshell)は、フィヨルドを観光しながらオスロ-ベルゲン(ベルゲン-オスロ)間を移動するコースと、ベルゲンを出発しフィヨルドを見学してベルゲンに戻るコースがあります。
代表的なベルゲン発-オスロ着のナットシェルのルートを紹介します。フィヨルド観光のフェリーに加え、バス、鉄道など盛りだくさんのコースになっています。
↓ ベルゲン鉄道(1:20)
ボス(Voss)
↓ バス(1:20)
グドヴァンゲン(Gudvangen)
↓ フィヨルド観光フェリー(2:00)
フロム(Flåm)
↓ フロム鉄道(1:00)
ミュルダール(Myrdal)
↓ ベルゲン鉄道(4:30)
オスロ(Oslo)
ノルウェー ナットシェルのチケット購入
ナットシェルは、VELTRA、ノルウェー鉄道NSB公式サイト、フィヨルドツアー社公式サイトなどで購入することができます。VELTRAは日本語で購入手続きになり、ノルウェー鉄道NSB公式サイト、フィヨルドツアー社は英語での購入手続きになります。料金の詳細は下記に記載しますが、どこで購入してもほど同額です(VELTRAのほうがポイントがつく分割安?)。日本語で手続きできるVELTRAが便利かもしれません。一方、NSB公式サイトも利点があり、リアルタイムの空席確認や事前の座席指定が可能なので、英語の手続きで問題ない場合は、公式サイト予約しても良いと思います。私はVELTRAで予約しました。
夏休みなどの繁忙期は、希望の日程の予約が埋まってしまう可能性もあるので、早めに予約したほうが安全です。VELTRAで予約する際も希望の予約日を複数指定します。VELTRA(ベルトラ)は、日本語で予約できるので特に手続きで戸惑うことはないと思いますが、下記記事で予約方法やクーポンなどの情報を解説しているので参考にしてください。
英語での手続きになりますが、ノルウェー鉄道NSB公式サイトでノルウェー ナットシェル チケットを購入する方法は、下記記事で詳細に説明しています。
ノルウェー ナットシェルのチケット料金
ルートによって料金が異なりますが、ベルゲン-オスロの移動コースの場合は下記になります。
VELTRA:1,890.53NOK~
ノルウェー国鉄NSB公式サイト:1890NOK~
フィヨルドツアー社公式サイト公式サイト:1890NOK~
ノルウェー ナットシェルの使い方、フィヨルド観光の体験レポート
ノルウェー ナットシェル(Norway in a nutshell)を使ってベルゲン(Bergen)からオスロまでのルートで、ソグネフィヨルドを観光しましたので、その様子をレポートします。今回はフィヨルド観光の前日にストックホルムからノルェージャン航空でベルゲン空港経由でベルゲンに来ていました。ベルゲン空港からベルゲン市内への行き方については下記の記事で詳しく説明しています。参考にしてください。
ベルゲン駅でノルウェー ナットシェル受け取り
今回のナットシェル周遊の旅の出発地点のベルゲン駅です。ナットシェルのチケットを当日朝に受け取るとあわてそうなので、前日にベルゲン駅のノルウェー国鉄NSBの窓口で受け取りました。
ベルゲン駅構内にあるNSBの窓口です。窓口の前にいた赤いジャケットを素敵に着こなしたダンディーなおじさまがNSBの方で、チケットを発行してくれました。他に誰もいなかったのでスムースにチケットを入手することができました。
今回、日本語の手続きでナットシェルを購入できるVELTRAで予約していたので引換券(バウチャー)を渡すと、下記のチケットを発行してくれました。VELTRAでのナットシェルの詳細ページは下記になります。
ノルウェーナットシェルはフィヨルドツアー(Fjord Tours)というベルゲンにオフィスがある旅行会社が発行しています。
ベルゲン-ボス間 ベルゲン鉄道乗車
まずはベルゲン8:44発(現在は8:43発)のベルゲン鉄道でボス(Voss)に向かいます。小学生の遠足だったらしく、かわいい子供がたくさんいて、ベルゲン駅はごった返していました。
乗車するベルゲン鉄道はミュルダール駅が終点ですが、途中のVoss(ボス)駅で下車します。間違って終点のミュルダール駅まで乗ってしまうと、大事なフィヨルド観光をスキップしてしまいますので注意してください(笑)。
貫禄のあるお顔のベルゲン鉄道(ベルゲン線)です。開通1883年で、長い歴史のある列車です。遠足とぶつかったためか車内は混雑していましたが、席は問題なく確保できました。
ベルゲンを離れ内陸部に入っていくと、切り立った崖を縫うように列車は走っていきます。下の写真は、ベルゲンとボスの中間あたりにあるDale(デール)駅です。
Voss駅までは1時間20分弱です。9:56に到着しました。雪が降っておりホームにも積もっていました。
Gudvangen(グドヴァンゲン)行きのバスです。Norway in Nutshellと掲示されておりナットシェル利用者専用になっています。
バスの車内です。ちゃんとバスの台数は用意されていると思います。
グドヴァンゲンに近づくにつれ、さらに雪が激しくなってきました。肝心のフィヨルドが見られるのか心配になってきました。
ソグネ・フィヨルド/ネーロイ・フィヨルド観光フェリー乗船
1時間ちょっとでグドヴァンゲンに到着しました。雪が深くひざ下までくるほどで写真を撮る余裕もありませんでした。11時過ぎに到着し、フェリーの出発する11:45まで、30分ほどビジターセンターで待機しました。下の写真はビジターセンターにあったヴァイキングの人形です。
フィヨルドの観光フェリーに乗り込みます。現在は旧型船と新型船の2種類が運航していますが、私が乗船したのは旧型船です。写真に写るほどの大粒の雪が降っていました。フィヨルドを観光するためにナットシェルのツアーに参加したのに、かなり不安な状況です。
悪い予感は的中し、雪と霧でフィヨルドが見えません。自然系の観光は天気に左右されるので、このようなことは当たり前なのですが軽くショックです。
フェリーの船内からもフィヨルドを観光することができます。できるだけ窓際の席を確保すると良いと思います。この日は雪が降って極寒だったので、フェリーの中でくつろいでいる方も多かったです。
祈りが通じたのか出航して少しすると雪も小降りになり、霧も晴れてきて、雄大なフィヨルドが姿を現してきました。クドヴァンケンあたりのフィヨルドは、ネーロイ・フィヨルド(Nærøyfjord)と呼ばれ、「西ノルウェーフィヨルド群 – ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド」として世界遺産に登録されています。ネーロイ・フィヨルドの全長は20kmです。ネーロイ・フィヨルドは、ノルウェー最大で世界でも2番目に大きいソグネ・フィヨルド(Sognefjorden)の支流の1つです。
晴天のフィヨルドももちろん美しいですが、霧がかかったフィヨルドも幻想的で遠く日本から見に来たかいがありました。
フィヨルドを満喫しているとあっという間にフェリーの終点であるフロム(Flåm)に到着しました。乗船時間は2時間弱で、14時ころの到着です。フロム鉄道の出発は16:50なので2時間半以上、フロムで時間をつぶす必要があります。
フロムは見渡せる範囲の小さい町です。そそり立つフィヨルドの景色を楽しむことはできますが時間つぶしがなかなか難しいです。ベルゲンからずっと同じ行程だったフランス人のおじいちゃんは、「ゆっくりフィヨルド観光をするためにフロムでホテルを予約していたけど、なにもすることがなくて困った」といっていました。結局、ホテルをキャンセルしてベルゲンに戻ることにしたそうです。私は下の写真のcoop(生協:スーパーマーケット)で買い物などをしました。
フロム-ミュルダール間 フロム鉄道乗車
フロム鉄道(フロム線)は、フロムとミュルダールを結ぶ約20kmの路線です。ノルウェーで3番目に観光客が多い人気観光スポットになっています。ビジターセンターからすぐのところに、フロム鉄道のプラットフォームがあります。電車はかなり早くからホームに停車していました。以前は予約不要でしたが2016年からは必要になっています。
フロム鉄道は1923年に工事着工し1941年に開通しました。機関車は、NSB El17型でした。迫力があります。
歴史を感じる外見からは想像できない、洗練されたデザインの内部です。木材が張られた天井が良い雰囲気をかもし出しています。
フロム鉄道は標高2mのフロム駅から標高865mのミュルダール駅まで登ります。かなりの急勾配を登るため、出発して少しするとフロム駅がはるか下に見えます。
途中、観光名所のショース滝(Kjosfossen)で停車するので、滝を見学することができます。
夏は迫力の滝を見学できますが、冬は凍結しています。しかも雪をかぶっているのでただの雪面でした。
オスロへ向かうベルゲン線は駅舎を挟んで反対側のプラットフォームから出発します。乗り換え時間は10分ちょっとです。
ミュルダール-オスロ間 ベルゲン鉄道乗車
オスロ行きのベルゲン鉄道に乗車します。ベルゲン-ミュルダール間の列車と違って近代的な車両でした。また雪が強くなってきていて列車に乗り込むのも一苦労でした。ベルゲンに戻る場合は、ミュルダールでベルゲン行きの列車に乗ります。
冬の北欧は日の入りが遅いので、雪の日の夜7時でも下の写真くらい明るいです。
終点オスロ駅には22:45(現在は22:35)に到着します。ホテルはオスロ駅から歩けるところを予約していました。
雪は降っていましたが、途中スケジュールも予定通りでしたし、幻想的な雪のフィヨルドを見学することもでき、大変楽しいツアーでした。ベルゲンは1日観光すれば十分だったので、前の日に飛行機でベルゲンに入り、翌日フィヨルド観光しながらオスロに移動する、というルートで正解だったと思います。
以上、フィヨルド観光に便利な周遊チケット「ノルウェー ナットシェル(Norway in a nutshell)」についてご紹介しました。