ヨーロッパのプリペイドSIMで最強といわれている「Threeデータ通信専用プリペイドSIM」と「AIS Sim2Fly」を現地で実際に使用し徹底比較してきました。ヨーロッパ旅行中にスマホでインターネットに接続するため、以前はVodafoneなど現地の携帯ショップでプリペイドSIMを購入していました。しかし、最近は①ヨーロッパのほどんどの主要国で利用可能、②日本からネットで購入可能、③1GBで2,000円ちょっとと格安、といいところずくめのプリペイドSIMが入手できます。現地で苦労をしてプリペイドSIMを購入する必要がほとんどなくなりました。ヨーロッパ旅行用に日本で購入できるプリペイドSIMの二大選択肢が「Threeデータ通信専用プリペイドSIM」と「AIS Sim2Fly」です。このサイトでは、「Threeデータ通信専用プリペイドSIM」をお勧めしてきましたが、「AIS Sim2Fly」も最近人気がでているようです。そこで、どちらがベストかのお勧めか決めるため、2017年夏休みにヨーロッパ4カ国ドイツ、デンマーク、スウェーデン、チェコの4カ国で両方をガッツリ使って評価してきました。その結果を報告します。
1日数千円するDomoco、au、Softbankの海外のパケ放題を使われている方は、ぜひプリペイドSIMを一度購入してみてください。ただし、スマホをSIMフリー対応にする必要がありますので下記記事を参考にしてください。
目次
Threeデータ通信専用プリペイドSIM と AIS Sim2Fly 基本情報
それぞれのSIMのスペックを比較します。
ThreeプリペイドSIM(3GB) | ||
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価格・容量 | 1GB:1,130円~ 3GB:2,130円~ 12GB:6,080円~ | 4GB :3,490円~ |
使用期間 | 1GB:30日 3GB:90日 12GB:360日 | 15日間 |
通信速度 | 3G・2G ※イギリスのみ 4G/LTE・3G | 4G/LTE・3G |
ヨーロッパ 対応国(共通) | イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、ベルギー、オランダ、ギリシャ、ポルトガル、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイルランド、エストニア、ハンガリー、チェコ、オーストリア、クロアチア、スロベニア、リヒテンシュタイン、オーランド諸島 |
|
ヨーロッパ 対応国(個別) | ポーランド、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、アイスランド、キプロス、ブルガリア、ルーマニア、スロバキア、マルタ、ジブラルタル、マン島、チャンネル諸島、アゾレス諸島、バレアレス諸島 | ロシア、セルビア、マケドニア共和国、スヴァールバル諸島およびヤンマイエン島 |
ヨーロッパ以外 の対応国 | ◆アジア 香港、マカオ、シンガポール、インドネシア、スリランカ ◆オセアニア オーストラリア、ニュージーランド ◆アメリカ アメリカ(グアム・サイパン除く)*要1900MHz帯対応端末、ブラジル ◆中東 イスラエル | ◆アジア インド、インドネシア、韓国、カンボジア、シンガポール、台湾、日本、ネパール、フィリピン、香港、マカオ、マレーシア、ミャンマー、ラオス ◆オセアニア オーストラリア、ニュージーランド ◆アメリカ アメリカ (サイパン・グアムは除く)、カナダ、コロンビア、メキシコ ◆中東 アラブ首長国連邦、イスラエル、オマーン、カタール、トルコ ◆アフリカ 南アフリカ共和国 |
テザリング | ×非対応 モバイルルーターは可 | ○対応 |
設定 | 複雑な設定は不要 | 複雑な設定は不要 |
商品詳細ページ (Amazon) | 詳細(3GB) | 詳細 |
Threeデータ通信専用プリペイドSIM vs AIS Sim2Fly を比較採点
容量:Threeデータ通信専用プリペイドSIM ◎
⇒ 1G、3G、12Gと容量が選択できるThreeのほうが便利
価格:Threeデータ通信専用プリペイドSIM ○
⇒ 容量に応じて価格も安くなるThreeのほうが良い
通信速度:AIS Sim2Fly ○
⇒ 4G/LTEに対応するAISの勝利
対応国:Threeデータ通信専用プリペイドSIM ○
⇒ 訪問国によってどちらが良いかが決まります。ヨーロッパ重視の場合は、ヨーロッパ対応国の多いThreeが良く、途中でアジアを経由する場合は、アジアに強いAISのほうが良い
テザリング:AIS Sim2Fly ◎
⇒ AISしかテザリングに対応していないので複数のスマホをテザリングして使う場合は、AIS一択。4GB使えるのでテザリングに十分な通信容量
総合判定:テザリングが必要な場合はAIS、それ以外はThreeがお勧めです。4Gと3Gの速度の違いに関しては、以下のヨーロッパ4カ国で速度を計測し比較した結果を解説していますが、4Gだと劇的に快適というわけではありませんでした。
Threeデータ通信専用プリペイドSIMの使い方、設定方法などは下記の記事で詳細に解説しているので参考にしてください。
AIS Sim2FlyプリペイドSIMの使い方、設定方法なども下記の記事で詳細に解説しているので参考にしてください。
Threeデータ通信専用プリペイドSIM vs AIS Sim2Fly の実測対決
実際にThreeデータ通信専用プリペイドSIMのAIS Sim2Flyのどちらが使えるか、ヨーロッパ4カ国(ドイツ、デンマーク、スウェーデン、チェコ)で測定した通信速度の測定し、比較してきました。使用したスマホは、Threeデータ通信専用プリペイドSIMがHUAWEI P10 Lite、AIS Sim2FlyがHUAWEI P9です。計測は極力条件をそろえましたが、一回のみの測定結果ですので、あくまで参考として考えてください。
ドイツ
AISはドイツで4Gにつながらないので遅い、という事前情報がありましたが、ベルリンなどでは4Gにつながることがありました。ただやはり、3Gの接続になることが多かったです。下記の測定結果のように4Gに接続すると高速でしたが、
Threeもドレスデンなど地方都市ではつながりにくいことがありました。ただ、どちらもGoogle Mapなどを普通に使うことが可能でした。
■ドイツ AIS Sim2Fly 実測結果
接続キャリア: Telecom.deなど
下り 20.88Mbps / 上り 2.80Mbps
■ドイツ Threeデータ通信専用プリペイドSIM 実測結果
接続キャリア: O2など
下り 3.57Mbps / 上り 0.62Mbps
ドイツでのお勧め:AIS Sim2Fly
⇒ 4Gにつながることが少なかったため、AISのメリットは発揮できませんでしたが、4Gに接続した場合は早く、全般的にThreeより接続状態が良かったです。
スウェーデン
スウェーデンでは、AISが安定して4Gに接続されました。Threeの接続も安定していたので実測結果はAISのほうが高速でしたが、劇的な違いではありませんでした。
■スウェーデン AIS Sim2Fly 実測結果
接続キャリア: Teliaなど
下り 6.79Mbps / 上り 1.25Mbps
■スウェーデン Threeデータ通信専用プリペイドSIM 実測結果
接続キャリア: Threeなど
下り 2.08Mbps / 上り 1.64Mbps
スウェーデンでのお勧め:Threeデータ通信専用プリペイドSIM
⇒ AISのほうが高速ですが、価格ほどの差を感じなかったのでThreeで十分でした。
デンマーク
両者とも接続は安定していました。デンマークはつい最近AISの対応国に追加されましたが、問題なく4Gに接続されました。ただ、Threeと比較して圧倒的に高速というわけでもありませんでした。
■デンマーク AIS Sim2Fly 実測結果
接続キャリア: TeliaDKなど
下り 3.39Mbps / 上り 1.95Mbps
■デンマーク Threeデータ通信専用プリペイドSIM 実測結果
接続キャリア: Three DK など
下り 1.57Mbps / 上り 1.17Mbps
デンマークでのお勧め:Threeデータ通信専用プリペイドSIM
⇒ AISのほうが高速ですが、価格ほどの差を感じなかったのでThreeで十分でした。
チェコ
両者とも安定して快適に通信することができました。たまたまではありますが、4GのAISが3GのThreeより遅い測定結果になってしまいました。
■チェコ AIS Sim2Fly 実測結果
接続キャリア: T-Mobile CZなど
下り 4.54Mbps / 上り 1.96Mbps
■チェコ Threeデータ通信専用プリペイドSIM 実測結果
接続キャリア: O2 – CZ など
下り 6.92Mbps / 上り 0.22Mbps
AIS: T-Moblie CZ
チェコでのお勧め:Threeデータ通信専用プリペイドSIM
⇒ ほぼ速度が変わらないので割安なThreeがお勧めです。
4カ国対決の総評
価格を考えるとThreeで十分なのが3カ国、ドイツは郊外でThreeがつながらないことがあったもでAISのほうが良いと思います。今回、4カ国だけの評価でしたが、4Gによる劇的な速さはあまり体感できませんでした。これまでもGoogle MapやWebページの検索の用途であれば、Threeの3Gの速度で十分だと感じていましたが、あらためてそれを確認する結果となりました。AIS Sim3Flyのラインナップに、2,500円程度の価格で2GBのラインナップがもしあれば、一番良いのですが。
第3の候補:H.I.S.の変なSIM
ヨーロッパで使えるプリペイドSIMとして最近H.I.S.モバイルの「変なSIM」が登場しました。Three、AISとどちらが使えるのか比較するために、早速イタリアで使ってきました。1カ国単位での契約なので周遊に向いていない、1週間など長期滞在の場合はかなり割高になる、iPhoneでは使えないなど問題も多くありますが、短い滞在などでは使えるシーンもありそうです。以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
参考:MightySIM
以前はMightySIMというプリペイドSIMを利用していました。700円ほどでSIMカードを購入し、オンラインで必要に応じてチャージをします。ヨーロッパ圏での利用は500MBで2,600円、1GBで3,800円です。しかし、最近はThreeのプリペイドSIM(2,000円で1GB使え、オンラインでのチャージの手間も不要)と比べると、購入するメリットがありませんので、今回は比較対象としませんでした。Might SIMの使い方は下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
以上、ヨーロッパのプリペイドSIMで最強の選択肢「Threeデータ通信専用プリペイドSIM」と「AIS Sim2Fly」の徹底比較についてご紹介しました。
初めまして!来年春から3ヶ月ヨーロッパ周遊一人旅を計画しています。
こちらのサイトは説明が非常に丁寧で分かりやすく、電車の予約方法などとても参考にさせていただいております。ありがとうございます。
質問させていただきたいのですが、ThreeのSIM使用を検討しているのですが
万が一スマホが盗難にあった場合、どちらに連絡して回線を止めてもらえば良いのでしょうか?
もし分かれば、教えていただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
みく様
いつも当サイトをご覧いただき、大変感謝しております。
Threeのページを調べてみたところ、回線停止用の連絡先は見つからなかったのですが、
下記が問い合わせ先のようです。
https://www.three.co.uk/support/contact-us
問い合わせ内容に Bills & contracts を選んでいただくと、
電話やチャットなどいろいろなコンタクト方法が表示されるので、
これをメモしておく、盗難時は連絡すると役立つかと思います。
盗難で一番心配なのは、勝手に使われて高額な料金が請求されるということだと思います。
プリペイドSIMの場合、クレカの登録も基本的にはしませんので、
購入した通信容量がなくなれば勝手に使えなります。
日本で契約しているSIMをスマホに入れたまま紛失し、
勝手に海外ローミングされてしまうと、高額な料金を請求されるので、
ThreeのプリペイドSIMのほうが盗難時のダメージが抑えられるはずです。
ご参考までに、私はヨーロッパ旅行のときは、盗難防止のため、
スマホに短いめのストラップをつけて手首や指にかけています。
塔や橋からスマホで撮影するとき落下防止にもなるのでお勧めです。
deeluxe様
ご丁寧にありがとうございます。
仰る通り、電話やネットを使われて高額請求が来るのが怖かったのですが
そもそもこちらのSIMはデータ通信専用なので、電話はできないですよね^^;;
容量も決まっているので、たしかに安心です!
ストラップも、絶対につけようと思っていました!
いつもご丁寧にご回答くださりありがとうございます^^
はじめまして
ご紹介されているSIMカードをモバイルルータで使用したい考えていますが、アマゾンではモバイルルータでは使用できませんでしたとコメントがありました。
もちろんSIMフリーのHuawei e5577 (台湾などアジア旅行にて家族で使用)で使用したいのですが
国によっては回線?バンド?など影響するとはおまわれます。ロサンゼルスなど西海岸で使用したいのですが、現状をご存知であればご教授お願い致します。
ナカ様
コメントありがとうございます。アメリカおよびモバイルルーターでの利用経験がないため、
ネットで調査した情報になってしまいますがご参考までにご連絡します。
調べたところ、下記の情報がありました。
・アメリカで接続できたとの情報は複数あり(東部、シアトルなどで接続可、東部でもNYは利用不可の情報)
・提供会社からモバイルWifiルーターでは利用できないとの情報はあるが、ヨーロッパを中心に実際は接続できるとの情報が複数あり
・Huawei e5577(s)でThree SIMを利用できたとの情報あり
アメリカでThreeのプリペイドSIMを使うには、2G:GSM 1900、3G:WCDMA Band 1900/1700-2100 (AWS) に対応している
必要がありますが、Huawei e5577であれば大丈夫そうです。
保証できるお話でなく、上記の調査した情報から自分であればこう判断するという程度の参考でのお話になりますが、
使える可能性があるので、私ならば購入して持っていきます。
もしつながらなければ、割高になりますが、保険にキャリアの海外パケ放題も使えるように準備していくと良いかと思います。