ベルリンの公共交通機関U-Bahn(地下鉄)、S-Bahn(近郊鉄道)、バス、トラムのチケット(1日券)の種類・買い方、乗り方などについてわかりやすく解説します。ドイツの首都ベルリン(Berlin)では、観光見所(ブランデンブルグ門、ベルリンの壁、博物館島など)が離れているため、公共交通機関を使いこなすこと必要があります。そこで便利なのが公共交通機関が1日乗り放題になる1日乗車券です。ベルリンから近い人気の観光地ポツダムへもベルリンの公共交通機関の切符で行くことができます(ただし、ABCゾーンのチケットが必要)。この記事を読んでベルリンの電車、メトロ、バス、トラムを使いこなしてください。なお、本記事は2017年9月にベルリンを訪問した内容に基づいて執筆しているので、情報は新しいものになっています。
目次
ベルリン公共交通機関(バス、地下鉄、近郊鉄道、トラム)の基礎知識
・ベルリンのU-Bahn(地下鉄)、S-Bahn(近郊鉄道)、バス、トラムの切符は共通です。
・チケットの種類には、1回券、1日券、4回回数券、短距離券、1週間券があります。他に公共交通機関の乗り放題と美術館などの割引が付いたベルリンウェルカムカード(Berlin Wellcome Card)、ベルリンシティーツアーカード(Berlin CityTourCard)も利用可能です。
・AB、BC、ABCと有効ゾーンによって3種類に分かれます。ゾーンについては下記を参考にしてください。ポツダムなど遠出をしなければベルリン中心地はABゾーンになります。
・1回券(2時間有効)が2.8€で1日券(1日乗り放題)が7.0€です。3回乗れば元が取れるので切符購入の手間を考えても1日観光するときは1日券を購入することをお勧めします。ベルリンを観光すると公共交通機関を使い倒すのでかなりお得です。
・1日券は翌日午前3時まで有効です。24時間有効ではないので注意してください。
・観光地(ブランデンブルク門、博物館島、アレクサンダー広場、ポツダム広場、ベルリン中央駅など)を効率的に周りたいのであれば、乗り降り自由の観光専用Hop-on Hop-offバスを利用するのも作戦です。ベルリンのHop-on Hop-offについては記事の後半で解説します(⇒ここをクリックするとジャンプ)。
ベルリン公共交通機関のゾーン
ベルリン公共交通機関はA、B、Cのゾーン(ドイツ語:teilbereich)に分かれています。ゾーンに応じてチケットがAB、BC、ABCの3種類あります。ベルリン中心部はA、Bの範囲内なので、ベルリン市内を観光する場合はABのチケットを購入します。観光客がCゾーンに行くのはポツダムくらいなのでポツダムを観光する日だけABCゾーンのチケットを購入する、ということでよいと思います。
以下がベルリン公共交通機関のゾーンマップです。※クリックすると拡大します。
ベルリン公共交通機関の種類・価格
上で説明したように普通に1日観光する日は、ABゾーンの1日券を購入すれば良いと思います。ポツダムの観光をする場合は、ABCゾーンの1日券がよいと思います。券売機の表記を英語にすると、下で記載した英語の表記で表示されます。なお、BCゾーンの切符は観光客の利用頻度は低いため運賃表記を省略いたします。
○1日券 Day Ticket(Tageskarte)
ABゾーン:7.0€ ABCゾーン:7.7€
※翌日am 3時まで有効(24時間有効ではありません)
○短距離券 Short-trip ticket(Kurzstrecke)
1.7€
※U-Bahn(地下鉄)、S-Bahn(近距離鉄道)は3駅まで、バス、トラムは6停留場まで乗れます。乗り換えは不可です。
○1回券 Single Ticket(Einzelfahrschein)
ABゾーン: 2.8€ ABCゾーン: 3.4€
※2時間有効です。乗り換え可能ですが、往復はできません。
○4回回数券 4-trip-ticket(4-Fahrten-Karte)
短距離券×4 5.6€
1回券×4 ABゾーン:9.0€、 ABCゾーン:13.2€
○1週間券 Seven-Day-Ticket(7-Tage-Karte)
ABゾーン 30.0€ ABCゾーン 37.5€
※最終日の深夜24時まで有効
ベルリン公共交通機関のチケットの買い方
ベルリン公共交通機関のチケットを券売機で購入する方法をご紹介します。券売機は、U-Bahn(地下鉄)、S-Bahn(近郊鉄道)の駅にはたいてい設置されています。バス、トラムの停留所にはない場合も多いです。チケットはバスはドライバー、トラムは車内の券売機で購入できます。
券売機の使い方を説明します。最近はクレジットカードが使える券売機も増えているようです。
最初はドイツ語で表示されています。画面右下の国旗が表示されているボタンを押して、イギリス国旗を選択して英語表示に切り替えましょう。
AB、BC、ABCのゾーンごとに、Single ticket(1回券)、Day tickets(1日券)、4-trip ticket(4回回数券)が選択できます。購入するチケットを押します。
料金の種類 Standard fare(一般価格)、子供(6歳~14歳)はReduced fareを選びます。同じチケットを複数枚、購入する場合は、several ticketsを押して枚数を選択します。
券売機の右側にクレジットカードを挿入します。言語を選択できるので、▼を一度押してBest(緑のボタン)を押すと英語になります。暗証番号を入力します。
ベルリン公共交通機関の打刻
打刻はU-Bahn(地下鉄)、S-Bahn(近郊鉄道)の駅にある下記の打刻機で行います。バス、トラムは車内に打刻機があります。打刻を忘れると罰金ですので注意してください。1日券はいつ打刻しても翌日am3時まで有効なので、購入したらすぐ打刻すると良いでしょう。
ベルリンでのGoogle Map活用
ベルリンで目的地に行くには、U-Bahn(地下鉄)、S-Bahn(近郊鉄道)、バス、トラムを効果的に組み合わせる必要があります。BVG(ベルリン市交通局)の公式アプリもあり、事前にインストールしていきました。しかし、使いにくくGoogle Mapで十分でした。特に便利なのが、それぞれの発車時間、現在の遅延状況がわかることです。
日本で使うのと同様に経路を検索します。たとえば、ベルリン中央駅からペルガモン美術館への行き方を調べます。以下のように経路が表示されます。乗換駅(ここではベルリン中央駅)をタップします。
以下のように乗り換え電車の発車時刻、発車間隔、遅延状況を確認することができます。なれない地での乗り換えは、検索どおり行かず、乗り過ごすこともあります。事前に乗換えが間に合わなかった場合、次の電車・バスが何分間隔で来るのかを確認しておけば、効率的に移動できます。
ベルリンの公共交通機関
ベルリンのS-Bahn(近郊鉄道)
S-Bahnはベルリン近郊の比較的長距離を走る電車です。SxxとSで始まる番号の電車です。ポツダムにもS-Bahnで行くことができます。S-Bahnの駅には券売機が設置されています。打刻は乗車前にホームなどにある打刻機で行います。
ベルリン中央駅のS-Bahn乗り場は、最上階のObergeschoss.2(日本で言う3階)にあります。
ベルリンのU-Bahn(メトロ)
ベルリンのU-Bahn(メトロ)は地下鉄ですが、地上を走る区間もあります。空調がきかない区間もあり、夏などに長時間乗っていると疲れました。U-Bahnの駅には券売機が設置されています。打刻は乗車前にホームなどにある打刻機で行います。
ベルリンのバス
ベルリンはバスが網目のように走っており、人気観光地はバスで行くと歩く距離が少なくなることが多いです。チケットは乗車時にドライバーから購入できます。二階建てのバスもあります。
ベルリン・テーゲル空港からベルリン中央駅経由でアレクサンダー広場までバス(TXL)で行くことも可能です。
ベルリンのトラム
ベルリンにはトラムもあります。他の交通機関に比べて時間がかかるせいか、Google Mapの経路検索ではあまり出てきません。チケットは車内の券売機で購入できます。打刻も車内の打刻機で行います。
ベルリンのトラム
ベルリンの1日券でドイツ国鉄DBの電車も乗ることができます。RE(Regional Express:快速)を利用すれば、ポルダムまでS-Bahnより短時間で行くことができます。
ベルリンの観光専用Hop-on Hop-offバス
ブランデンブルク門、博物館島、アレクサンダー広場、ポツダム広場、ベルリン中央駅などベルリンの人気観光地を移動する場合、乗り換えが多かったり、降りたあと徒歩の時間が長いことがあります。観光専用Hop-on Hop-offバスは観光スポットの近くで停車し、観光スポット間を直接移動できるので効率的に周りたい場合は便利かもしれません。料金は22€~です。下記のVELTRAサイトから日本語のページでチケットを購入できます。18のバス停に止まるイエロー・ラインと12のバス停に止まるパープル・ラインがあります。それぞれのラインの停車場所、ルートは下記VELTRAのページで確認することができます。
⇒ ベルリンHop-on Hop-off観光バス(VELTRA)
以上、ベルリンの公共交通機関 S-bahn(近郊鉄道)、U-Bahn(メトロ)、バス、トラムの切符の種類、買い方、乗り方などを解説しました。