ブリュッセルとブルージュの二都市を移動して世界遺産を観光する方法について詳しくご紹介します。ベルギーのブリュッセルとブルージュには世界遺産が集中しており、なんと一日で6つの世界遺産を観光することができます。この記事では、ブリュッセル(brussels)からブルージュ(Bruges)への電車でのアクセス方法、ブリュッセルの3つの世界遺産(グラン=プラス、ストックレー邸、建築家ヴィクトル・オルタの主な都市邸宅群)と、ブルージュの3つの世界遺産(ブルッヘ歴史地区、フランドル地方のベギン会修道院群に含まれるベギン会修道院、ベルギーとフランスの鐘楼群に含まれる鐘楼)を一日で見学するためのモデルプランをご紹介します。
記事が長くなりますので、ブリュッセルからブルージュへの電車、ブルージュの3つの世界遺産の見学を紹介する「ブルージュ編」と、ブルージュからブリュッセルへの電車、ブリュッセルの3つの世界遺産の見学を紹介する「ブリュッセル編」に分けます。
目次
ブリュッセルからブルージュへ:電車での行き方
2都市を周る場合、朝、ブルージュへ移動して先に観光してから、お昼にブリュッセルに戻って観光するほうが、あわてないのでお勧めです。ブリュッセルからブルージュへはIC(InterCity)と呼ばれる特急で、乗り換えなしに到着することができます。所要時間は約1時間です。ブリュッセルには、北駅(Gare du Nord)、中央駅(Gare Centrale)、南駅(Gare Midi)と主要な駅が3つあります。ブルージュ行きのICは、北駅、中央駅、南駅の順番にすべての駅に停車するので、どの駅から乗ってもかまいません。余裕をもって観光するには、7時~8時にブリュッセルを出発する列車に乗るのがよいでしょう。次の二つの列車はちょうどよいと思います。
IC1529 Knokke(クノック)行き
北駅 7:39 – 中央駅 7:43 – 南駅 7:51 – ブルージュ 8:51
IC529 Oostende(オーストエンデ)行き
北駅 7:56 – 中央駅 8:00 – 南駅 8:06 – ブルージュ 9:02
ベルギー国鉄(NMBS/SNCB)の時刻検索やチケット購入方法などについては下記の記事で詳しくご紹介しています。参考にしてください。
ブリュッセルからブルージュへ:切符の購入方法
ブリュッセルからブルージュへのICの運賃は、1等席22.6€と2等席14.7€です。乗車時間は1時間ちょっとですので、2等席で十分だと思います。切符は、窓口と自動券売機で購入できますが、なれない場合は窓口で買うのが無難でしょう。朝、窓口はすこし並んでいる場合があるので、時間に余裕をもって切符を購入しましょう。
列車の行き先は、写真のようにしっかり掲示してあるので、確認して間違えないように乗りましょう。私は、IC1529 Knokke(クノック)行きに乗りました。経由駅にBrugesと表示されています。
切符を購入したクラスの車両に乗りましょう。2等席はこのような感じで十分に快適です。
車内からのどかなベルギーの田園風景を眺めていると、1時間ちょっとでブルージュ駅に到着します。終点ではありませんので、到着時間を確認しておき、乗り過ごさないように注意してください。
ブルージュ駅から世界遺産「ブルッヘ歴史地区」への行き方
ブルージュ駅についたら、最初の世界遺産「ブルッヘ歴史地区」の中心部マルクト広場(Brugge Markt)へバスで移動しましょう。バスは駅前から出ています。1,3,4,6,11,12,13,14,16番でマルクト広場に行くことができますが、中心部を循環している12番のバスがわかりやすくお勧めです(10分間隔くらいで運行)。12番のバスですと6、7分でマルクト広場(Brugge Markt)に到着します。バスのチケットは駅前の券売機や窓口で購入できます(バスの運賃は3€)。朝早い場合、窓口がしまっていることもあります。バスの運転手からも直接購入できます。
ブルージュの観光ポイントの場所
この先、紹介するブルージュの観光ポイントの場所です。各ポイントの位置関係の把握にお役だてください。
Loading map...
①世界遺産「ブルッヘ歴史地区」の観光
ブルッヘ歴史地区は、中世に貿易拠点として繁栄しました。その後、衰退し重要性を失ったことが幸いし、現在に中世の美しい街並みを残しています。このことから天井のない美術館とも呼ばれています。中世の街並みと溶け合う美しい運河が流れているため「北のヴェネツィア」とも呼ばれます。見所を紹介します。
世界遺産「ブルッヘ歴史地区」の情報
英語表記:Historic Centre of Brugge
登録区分:文化遺産
登録年:2000年
マルクト広場(Brugge Markt)
ブルッヘ歴史地区の中心部がマルクト広場です。広場を、州庁舎や鐘楼が取り囲みます。
ピエール・マルコリーニ(Pierre Marcolini)などベルギーチョコレートのショップもあります。
マルクト広場のすぐ横にあるブルグ広場には、14世紀に作られたベルギーで最も古い建物である市庁舎や、十字軍がコンスタンティノープルから持ち帰った「聖血の遺物」を見学できる聖血礼拝堂があり、見所になっています。
鐘楼(Belfort):②世界遺産「ベルギーとフランスの鐘楼群」
マルクト広場にある美しい鐘楼は高さは83mで13世紀から15世紀にかけて建造されました。マルクト広場と鐘楼は、別の世界遺産「ベルギーとフランスの鐘楼群」の一つとして登録されてます。366段ある階段を上るのは大変ですが、塔の上からはブルージュの美しい街並みを見渡せます。
同時に70人しか入場できないという制限もありますので、早めに行くとよいでしょう。
なお、世界遺産「ベルギーとフランスの鐘楼群」は、ベルギーとフランスにまたがって全部で56の鐘楼が登録されています。以前は、グランプラスにあるブリュッセル市庁舎の鐘楼も登録されていましたが、グランプラスの世界遺産登録に伴いリストから除外されました。
鐘楼の情報
・入場料:10€
・開場時間:9:30 – 18:00
とても人気があり開場時間の10分前には塔の外にも列が連なります。
がんばって上りきると、ブルージュの美しい街並みを見渡すことができます。絶好の写真撮影のポイントです。
世界遺産「ベルギーとフランスの鐘楼群」の情報
英語表記:Belfries of Belgium and France
登録区分:文化遺産
登録年:1999年(拡張年 2005年)
聖母教会 (Onze Lieve Vrouwekerk)
13世紀に建造が始まった教会です。ミケランジェロ作の『聖母子像』が有名です。ブルージュの運河に映える非常に美しい教会です。ミュージアムの入場料は、6€です。
ブルージュでは運河クルーズも人気です。料金は大人8€で30分ほどかけて運河を回ってくれるようです。
③世界遺産「フランドル地方のベギン会修道院群」の観光
ブルージュ3つめの世界遺産「フランドル地方のベギン会修道院群」に含まれるベギン会修道院は、ブルージュの中心から南側へすこし外れた場所にあり、聖母教会から徒歩で10分ほどです(地図参照)。ベルギーやオランダに点在する13ヶ所の修道院の一つがブルージュにあります。美しい木々に囲まれた閑静な修道院で、修道女達の生活を感じることができます。
世界遺産「フランドル地方のベギン会修道院群」の情報
英語表記:Flemish Béguinages
登録区分:文化遺産
登録年:1998年
ベギン会修道院は運河のほとりにあり、中心部から歩いてきた場合、奥にある橋を渡って入ります。
中庭はきれいに整備されていて、キレイな花々も植えられています。
修道院の中は、華美な装飾ではありませんが質素ながら美しい装飾がなされています。
ベギン会修道院の情報
入場時間:06:30 – 18:30
入場料:2€(庭などは無料)
これでブルージュの3つの世界遺産の観光が終わりました。ゆっくり見てもお昼くらいには終わるかと思います。ベギン会修道院からブルージュ駅までは徒歩10分ほどなので歩いて戻れます(地図参照)。
ランチはブルージュでとってもよいですし、サンドイッチなどを買ってブリュッセル行きの電車で食べるのもありだと思います。
これから電車で、ブリュッセルに戻り、3つの世界遺産(グラン=プラス、ストックレー邸、建築家ヴィクトル・オルタの主な都市邸宅群)を観光します。後編のブリュッセル編に続きます。
⇒ブリュッセル、ブルージュの6つの世界遺産を一日で観光する旅 ブリュッセル編
ご参考)ブルージュへの現地ツアー(アントワープ、ゲント)
この記事でご紹介したようにブリュージュ観光は個人でも十分行くことができます。ただ、英語や個人での移動が心配な場合は現地ツアーに参加するのも一つの方法です。ブリュッセル発で日本語ガイドの付くツアーを2つご紹介します。
1つ目は、ブルージュとフランダースで有名なアントワープの2都市を周るツアーです。
2つ目は、ブルージュと古都ゲントの2都市を周るツアーです。
余談)3年連続の世界遺産登録
ブルージュにある3つの世界遺産は、1998年に「フランドル地方のベギン会修道院群」、1999年に「ベルギーとフランスの鐘楼群」、2000年に「ブルッヘ歴史地区」と3年連続で登録されています。日本では世界遺産が1つ登録されるだけでも大騒ぎなので、3年連続3ヶ所登録されたときのブルージュの騒ぎは想像もつきません。
ブリュッセル、ブルージュの6つの世界遺産を一日で観光する旅 後編(ブリュッセル編)は↓こちらです。